選択
視点戻ります
部屋に入ってきたイグルドと目が合う。その目は穏やかで、微笑んですらいた。
「とりあえず、無事でなによりだ。皇子殿下との婚姻云々は聞いたが、まだ何もないというならアリュに戻ってほしい。そっちの方がお前のためだぞ」
そう言ってイグルドは私の頭を軽く叩く。
「いや、でも精霊の……えっ?」
婚姻の相手は違うし、私のこと伝わってるし、イグルド入ってくるし……とにかく全部話が違う!
ダルネミアは私を取り込みたいんだよね?だからこんな誘拐みたいなことまでしたはず。なのにどうしてやってきてすぐのイグルドがここに来られて、話をなかった事にしようとしているんだ?サグアノもなぜ許可したんだ?
「いやはや、帝国の手腕には感心いたしました。こうもあっさり攫われてしまいますと、国を守る立場としては立つ瀬がありませんな」
初めて会った時も思ったけど、つかみどころのない人だ。コロコロ変わる口調のせいか、真意が読みづらい。素の口調も知っているけど、それでもよくわからない人だな。
それはサグアノも感じているようで、入室を許可しておきながら訝しむような顔でイグルドを見ていた。
「確かに入室や会話は許可したが、彼女の身柄をアリュに引き渡すつもりはない。例えあなたの話が真実であっても、彼女について決めるのは我々だ。アリュに口出しはさせない」
「ふむ……人というのは信じたい方を信じるものです。私の話について、解釈は好きにして頂いて結構。ですが、その解釈の先で最も狂わされる相手がこのレネッタである事をお忘れなきよう、よろしくお願いします」
微笑みながらイグルドは扉に手をかける。
そして扉を開きながら振り向いた。
「では私はこれで失礼します。レネッタ、お前は自分のことをもう少し考えてやれ。じゃあな」
そう言い残し、イグルドは部屋を出ていった。
関係がわちゃわちゃしてきたので、そのうちまとめを作りたい……(°_°)




