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彼女の選択

……一度頭の中を整理しよう。

とりあえず、ダルネミア帝国は私を全力で取り込もうとしている。理由は未だにわからないが、サグアノの様子だと帝国は相当困っているようだ。

そうでなければ皇族に正式に取り込むという暴挙に出たりはしないだろう。

でも、私に言うことを聞かせたいのなら、わざわざ他国の宰相の補佐官を無理やり皇族に入れる必要はない。そんなことしなくてもサグアノが提示した別の提案のように、やらせる方法は他にいくつもあるはずだ。

まあなんにせよ、私に選択肢はないけど。

いくら今は王宮にいるとはいえ、アリュにいる弟や妹達を攫うくらいできるだろう。おそらくではなく、確実に王宮内にダルネミアの密通者がいる。というか、いなかったらおかしい。それも一人や二人ではない。王宮の警備の様子、王宮の構造を知り尽くし、その中に経路確保や実行のための人員を紛れ込ませる……ここまでくると、さすが南の島国の統一に成功した大帝国の手腕だと言う他ない。

……それを考えると、現在のアリュ王国の状況はだいぶどころかかなり危うい。

ゼイドはあの時、戦争が起こってもいいのかと言ったが、単なる脅し文句ではなかったらしい。戦争を起こす準備は裏で着々と進められていたようだ。

このままダルネミアの誰かと婚姻を結ぶことになったら、帝国の中に入った私という存在がその抑止力になる……か。

結婚とか少しも考えていなかった。まさか攫われた先の国の皇族の誰かと婚姻なんて誰が考えるだろうか。

そうだ、アルとユアリス……結局はっきり断ってないな。どちらも私にとっては大切な友人ではあるけれど、それ以上になりたいとは思えない。レゲルだった頃の関係が私にとっては一番心地良いのだから。

まあ、彼らならそのうち私よりもっと女らしくて良家の女性を見付けるだろう。ユアリスなんて精霊騎士で竜騎士だ。相手には絶対困らない。

アルはまあいい奴だし、そもそも貴族だから誰かといつか結婚はするんだろう。

二人とも、庶民で親もいない私のような女と結婚するような普通でないことをわざわざする必要なんてない。しかも私は今まで性別を偽って男として王宮にいた。国を騙し続けていた女を、誰が身内にしたいだろうか。私が親族なら絶対に反対している。

仮になにかの間違いで結婚することになったとしても、身分の差と悪評で苦労するだけだ。

でもそれって、今も同じことが言えるよなぁ……

庶民、しかも他国の人間。婚姻を結ばされる相手がむしろ可哀想な気もする。

意味は違うが、被害者同士である意味仲良くなれるかもしれない……って、冗談言ってる場合か!

本当にどうして私なんだか……

何か、私にしかできないこと。精霊が絡むことであるはずだから、私自身の意思が向かなければならないことなのか?無理やりではさせることができないこと?

いや、それなら弟や妹たちを人質に取ることはしないか……

ダルネミアの存続に私が関わる。ちょっと言い換えたら、私がダルネミアの今後を決めるということか。

それなら強制的に私に言うことをきかせ続けるより、私が協力的である方が望ましいに違いない。私がダルネミアにいる理由としても婚姻、というのは実に分かりやすい。しかも相手が皇族ともなれば、実は私がダルネミアの密偵だったとかそんなことを考える人もいないだろう。密偵と婚約する雇い主とか聞いたことないし。

まてよ、無理矢理結婚とかにならないよう、何かしらの馴れ初め話かの捏造がされたりするの?まさかの身分差国際結婚……?

いや、もうこれ以上考えるのはよそう。私に選択権はないし、サグアノの提案を受け入れればすぐにわかることだ。


すごく寒くなってきたから冬眠したい…

貯蓄を貯めて、睡眠したい

まあ、まだ文字が緑色に見えたりはしないので寝れてる方ですけど…

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