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船の上5

動けるようになったのはいいが、正直何もできない。

さっきまでは寝てたから気にならなかったけど、外の景色が見えないって辛い。まあ、その割にはよく眠れたけど、この状況ではどうなんだろう。

時間も場所も何もわからないからか、無性に不安になる。

粥を食べさせてからはサグアノもゼイドも来ていないから聞くこともできない。

『我らの力が足りませんでした。申し訳ありません』

『忌々しい壁です。壊せれば良いのですが……』

彼らは私を責めない。拐われた時に私が動きを封じられる直前、カネラが無事でいるために精霊に何もしないよう言っていなかったら、今頃こんなことになっていなかったかもしれない。私が意識を失っている間に、精霊が暴走して誰かを巻き込んでしまう気がして怖かった。

この状況は少なくともあと十日は続く。

ゆらゆらと揺られているのには慣れたが、ダルネミアに到着してからどうなるのか全くわからないから不安だ。

どうせ聞いても教えてもらえないだろうし、今の状況もわからないのだから考えるだけ無駄か。

あ、でも精霊のことくらいわかるかも。私の精霊たちの動きを封じているこのゼイドの神精霊の壁、今これを破っても海の上だしうまく動けないから意味ないけど、陸に着いた時とか何かあった時には役に立つかも。

『忌々しいだけです。不快です』

『先ほどから穴や欠陥を探してはおりますが、幾重にも重ねて張られているのです』

『ただ、はじめは押さえ付けられるような圧迫感と力が抜き取られていくような倦怠感がありましたが、今はただ力を使うことができないだけなのです』

精霊たちに壁について尋ねると、そんな返答が返ってきた。

どうやらこの壁に慣れるということはできるようだ。そのおかげか彼らの表情は怒ってはいるものの、辛そうではなくなっていた。

『このような壁は初めてです』

『主人を守るためにある我らの力を奪うのです』

ゼイドが特殊なのかゼイドの神精霊が特殊なのかはわからないが、この壁は強固でしかも精霊の力を奪う作用があるようだ。

……力を奪う?

彼らの言い方だと、この壁は精霊の力を抑えているのではなく、奪い取るということ。彼らにとって物理的な意味で。

『そうです。使おうとすると壁に取られるのです』

精霊たちは憤慨し、私には見えていないが彼らには見えている壁を思いきり睨み付ける。

「この壁をどうやって破ろうとしたの?」

思わず疑問が声に出てしまう。私の直接の「声」に精霊たちはピクリと体を震わせた。

『どうやってと言われましても……』

『私は炎で』

『私は雷で』

『我らは何度も試しました。つい先ほども』

でも、無理だった、彼らはそう続ける。

精霊たちはどうやら、私の知らないうちに壁を破ろうと尽力していたらしい。

今の彼らには何もできないからと指示を出さなかったため、彼らなりにできることをしようとしてくれていた。

だから力を吸収された。

力を使おうとすると壁に奪われる。それなら、奪われる分以上の力を一気に放出したら、どうなるのだろう。

私は精霊たちに、私が命じるまで一切力を使わないようにと命じた。

どれくらい貯めれば良いのかはわからないし、成功するかもわからないが、全く抵抗せず何もしないでただされるがままに動かされるよりはましだ。

だいたいの筋は決まってるのに書けない今日この頃……泣


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