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一方で4

アル目線です

「何でドラゴンがここに?」

中庭にいた騎士がもっともなことを言った。

そして、俺たちがドラゴンから降りる間にぞろぞろと人が集まってきた。

「どういうことか説明して欲しいのだが」

集まってきた中で一番偉そうな男がドラゴンと一定の距離を保ちながら尋ねる。

「王宮から人が攫われ、後を追ってここまで来ましたが途中で襲われてドラゴンが疲れてしまいまして……お詫び等は後で必ずします」

「攫われたって誰がだ?まさかあの補佐官か」

冗談で言ったのだろうが当たっている。だがそれは言わず、ただドラゴンを一時的に預かって欲しいとだけ頼んだ。

短い交渉の末、男は俺たちの態度から嘘ではないと判断しドラゴンの預かりを承諾してくれた。

水を与えてくれればいいと教えて、ユアリスと俺は馬を借りて町の中心をを目指した。

「どっちですか?そろそろ意思疎通は……」

「港の方だ。それはわかるがそっちはまだできそうにない」

戻ってきてほしい等の疎通は離れていてもなんとかできるが、今戻してしまえば誘拐犯を見失ってしまう。

港の方に向かって走る。全く距離が縮む感覚がない。嫌な予感がした。

「人混みに紛れて何かするつもりだけならいいが……」

ユアリスも同じことを考えていたらしい。

人や物の入り乱れるウカナは、違法ではあるが裏で奴隷市なども立っている。そういうものに紛れて人を隠すことはよくあるが、今向かっているのは港。そうなれば考えられるのは一つしかない。

精霊と全く意思疎通もできない。どうなっているのか薄々わかっているが、とにかく今は港に行くしかなかった。


建物がなくなり海が見えても、やはり精霊と連絡は取れない。

察しているのかユアリスも何も聞いてはこなかった。

港の桟橋にきたところで、俺たちは足を止める。

だだっ広い海にいくつもか船がぽつぽつ浮かんでいるのが見えた。

あれのどれかに乗っているならまだ希望はある。

だが、そんな距離のはずがない。

嫌な予感しかしないが、俺は精霊を呼び戻した。

精霊を待つ間、ユアリスは一言も口をきかなかったが、俺は精霊が近くに戻ってきた安心で気にならない。

やがて海の中から俺の精霊が顔を出し、申し訳なさそうな表情を浮かべ俺の前に立つ。

『申し訳ありません。奴らの精霊の妨害に遭い近付くことができず後を付けるので精一杯でした』

悔しそうに言う彼女の頭に手をやり、触ることはできないが頭を撫でた。

離れることは精霊にとっても辛いことだ。彼女を責めることはできない。

『あの人間の乗った船はあちらの方に向かいました。ここからはもう見えません』

自分の精霊を通じてそれを聞いていたユアリスは顔を青くして精霊の示した方角を見る。

「もう見えないということは、アリュの領海を出ているのか?」

「だろうな。アリュの領土の島に向かったならそう言うだろうし、乗っていた人間の特徴を聞いたら、肌が浅黒かったって……」

あまり主人以外の人間に興味を示さない精霊が、唯一覚えていた特徴は南の帝国、ダルネミアの人間の特徴だった。

他にも浅黒い肌を持つ人種は存在するが、方角的にもここはダルネミア帝国にレネッタは連れて行かれたと考えるのが自然だろう。

ゲーテの犯行だと見て捜査していたら、この結論が出るのはさらに遅れていたか、もしかすると、気付かずに終わってしまったかもしれない。




免許取るため運転してます

運転って難しいですね( ;´Д`)

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