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友人の来訪2

「あの、もし体調がよろしくないのでしたら……」

訳が分からないという顔をしている私に、カネラがそう申し出てくれたが、私は首を振って断った。

そして顔を真っ赤にしながら立ち尽くすアルに目を向けた。

しばらくはなぜここにいるんだろうという疑問だけが頭の中をぐるぐると回っていたが、それは段々と罪悪感に変わっていった。

彼が今なぜここにいるか、それは元を辿れば当然、私のせいだったから。

そもそも私が男の振りして精霊院に入ったから、こんなことになったんだ。

後悔しているかと言われたら、後悔はしていないと答えるだろう。過去の事、オスルの事をどうにかする事ができたから。

自分は良かったかもしれないが、騙されていた彼ら、それ以外の人は、どうなのだろう。

この三日間、カーレル様はこの部屋に来ていない。

私の目が覚めた事は知っているだろうけど、なぜ来ないのか。

私の処分については、面白そうだからそういう風に提言したのだろうか。本当は騙していた事をすごく怒ってるんじゃないだろうか。

「ずっと、騙しててごめんなさい」

誰にというわけでもなく、ただ謝りたかった。

自分のした事に後悔はなくても、沢山の人を騙してきた事は事実だ。

「じゃ、じゃあ本当に……」

アルが僅かに震える声で言った。

どうやら、完全には信じられていなかったらしい。まあ当然といえば当然か。

「あの、失礼ですがあなたはどなたですか?」

固まるアルに、ユアリスが尋ねた。

「私の……というか、レゲルの精霊院の頃の同僚のアルです」

答えないアルの代わりに私が答えた。

そのついでに、アルが女装して妹達と街にいた私をレゲルの双子と思ってて、紹介してくれとか言われたのを思い出した。

何なんだろう、この状況。

しかもなぜかピリピリした空気を感じる。

理由は……何となく察した。

「俺はユアリスです。レルチェの世話をしています」

どうしたものかと考えていると、ユアリスがアルに自己紹介し、握手を求めるように手を差し出した。

アルはしばらく迷った様子を見せたあと、その手を握り返す。

こんなに非友好的な雰囲気の漂う握手は久々に見た。

そんな握手だった。

「どんな用でここに?」

私が尋ねると、アルはハッとこちらの方を見る。

「ああ、ちょっと野暮用で……」

「野暮用なら、手紙でも済むんじゃないか?」

アルの言葉を遮り、ユアリスは言った。

「ユアリスさんには関係のないことですよ。ユアリスさんこそ、ここで何をなさっていたんですか?」

明らかに言葉に棘が……

これの発端が私だと思うと、この場から消えたくなる。

思わずため息が出そうになった時、突然扉が開いて、ノックもせずに誰かが入ってきた。

ここは王宮だ。こんな風に入ってくる人は普通いない。そういうことをしても無礼とみなされない人物。

全員が一斉に扉を見る。

……シャヴィム殿下?

入ってきたのは、手に書類の束を持ったシャヴィム殿下だった。

どうしてだろう。なんで今日はこんなに客……しかも珍客ばかりが来るんだろう。




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