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友人の来訪

目が覚めてから4日が過ぎた。

事情が事情で、しかもいろいろと慌ただしいためか、面倒を見てくれているメイドや時々往診に訪れる医者以外に部屋に来る人はいない。

オルトたちも忙しいらしく、あの日の後からこちらで暮らすために準備や仕事探しをしているそうだ。

とりあえず私は安静にしていろということでほぼ寝ていた。

ベッドから動いていいと言われたのは今日になってからだ。

くれぐれも無茶をしないよう言い含められ、医者が部屋から出て行くと、私はベッドの縁に座って、立ってみようとした。

……が、私は自分の怪我の状態を少々甘く見ていたようだ。

足に力を入れた瞬間、左足に力が入らないことに気付いて私はバランスを崩してベッドに倒れ込んだ。

「大丈夫ですか!?」

ベッドの軋む音で、メイドのカネラが慌ててこちらを振り向き、起き上がるのを助けてくれた。

「ありがとうございます」

ベッドの縁に座り直してお礼を言うと、カネラは少し複雑な表情を浮かべて会釈をし、部屋の端へ戻っていった。

その時、扉をノックする音がして、カネラが扉を開けに行く。

しばらく何かを話した後、ノックをした人物がカネラに案内され部屋に入ってきた。

「ユアリスさん……?」

入ってきたのは、竜騎士のユアリスだった。

彼の顔を見た途端、あの時の出来事を思い出して顔が赤くなった。

食事に誘われた…んだっけ。それも多分女と思われて。

あのとき彼は、私が女だという事を何故か知っている様子だった。精霊に彼が近くにいることは教えてもらって知ってたから、口の動きでも見ていたのだろう。

そういえば、食事に誘って貰うとか、同僚や他の偉い方々にっていうのはあったけど、どれもレゲルとしてで、女として誘われた事なかったな……

そう思うと、余計に恥ずかしい。

ユアリスの顔を直視できず、私は思わず俯いて彼から目を逸らした。

そんな私の様子を見ても、ユアリスは何も言わず、入り口辺りで足を止めたままでいた。

精霊たちに頼み、風と氷と水の、私が思いつく限りの方法で顔の火照りを抑えて、なんとか私はユアリスに向き直る事ができた。

「見苦しい姿見せてしまい申し訳ありません。それで、どのような用でここに……?」

今の私は半分面会謝絶みたいな状態で、それこそ関係者以外立ち入り禁止なんですが。

レルチェの事かな。この状態じゃ様子も見に行けなくて、話は聞きたいけど、それなら手紙とかで済む話だよね。

尋ねても、ユアリスは困ったように何か言うだけで、正直わからない。

「レルチェの事ですか?」

こちらから話を振らないと会話にならない。

そう思って訊いてみると、ユアリスは少し何かを考えてから頷いた。

「レルチェは元気ですか?迷惑とか、かけてませんか?」

「元気ですよ。あれくらいの歳のドラゴンはどうしてもやんちゃになりがちなので、扱いは楽ではありませんが」

そんな感じで、ユアリスはレルチェの今の様子について事細かに語ってくれた。

すっかり大きくなっているので、飛行訓練を人が乗る事を前提としたものに変えた事、周囲の雄のドラゴンが雌のレルチェに興味を示し始めた事、会えなくて寂しがっている事……

しばらくぎこちないながらも喋っていると、またノックの音がして、カネラが外を見に行った。

誰だろうとユアリスも扉の方を向いている。

そして、戸惑った様子でカネラが連れてきたのはアルだった。

「は……?」

思わず声に出してしまった。

ユアリスの方が、まだ来ても納得できる。レルチェの事とか。

なんでアルがここにいるの?

というか、どうやって入室の許可とか貰ったの?



この二人を絡めてみたかった(笑)

なんだかんだで初共演です(たぶん)

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