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それぞれの思惑~夢見る乙女の場合~

もうすぐ建国の式典祭が始まります。

その夜に開催される夜会は国中の様々の方々が集まる大規模なもので、今年は特に現国王陛下の即位からちょうど二十年ということもあり、とても盛大なものになるそうです。

我が家のお父様とお母様も出席者として招かれていて、私とお姉様も出席することになっています。

ということは、これはレゲル様とお姉様の距離を縮めるまたとない機会です。この機を逃してなるものですか。

何か作戦を立てたいのですが、私一人では難しそうです。

そしてあの男性のことを思い出します。レゲル様のご友人だというアルという精霊使いの方。お姉様のお気持ちに一番早く気付いたのでしたわね。

結局あのあと彼から何も情報は届きませんでしたわね。

ちょうどいい機会です、彼からいろいろ聞いてみましょう。作戦を立てようにも、私はレゲル様のことを知らなさすぎますし。

こちらから手紙を書いて届けさせて、お店の予約をとります。

体面はお父様の誕生日の相談ということにして、お姉様も誘いました。騙すようで少し申し訳なかったけど、なんとしてでも私はお姉様に幸せになってほしいのです。

さて、お店に到着はしたのですが、肝心のアルがまだ来ていないようです。手紙を届けさせた者もまだ帰っていなかったと言っていたので、きっとまだ仕事があるのでしょう。

「ねえリフィ、お父様のお誕生日について話し合うのですよね?もう一人ってどういうことなの?」

私がお店の人にもう一人来てから料理を出すように言っていたのをお姉様は聞いていたようです。不思議そうに言いました。

「申し訳ありませんお姉様。お父様のお誕生日のことについて話し合うというのは半分嘘ですわ。本当は今度の夜間でお姉様とレゲル様の距離を縮める作戦を練るためです」

レゲル様のお名前が出たとたん、お姉様はほんのりと頬を赤らめました。

まさかお姉様も、今度の夜間については何か考えていたのでしょうか。

「そ、そうだとしても、もう一人というのは誰なの?」

少し話題を逸らして落ち着こうと、お姉様は慌てて尋ねます。

「以前お話したレゲル様のご友人のアルという方。お仕事が終わってから来るはずだからそれまではお父様のお誕生日について話し合いましょう」

私はアルを待つ間お茶を飲みながら話し合うことにして、お店の人を呼びました。

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