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妹の願い

投稿の際に入れる順番を間違えました

この話は前の話の観光8の前の話です


アルさんがお姉ちゃんに告白した。

近くを歩いていた人たちも何事かとお姉ちゃんとアルさんの方を見ました。

お姉ちゃんはわけがわからないっていう顔をして私たちの方を見ます。私はなぜか口の端が上がるのが止められないから、笑ってる顔になっちゃってる。ルラもおんなじ顔をしていた。

少しして、アルさんの言った言葉の意味がわかったのか、お姉ちゃんは顔を赤くして路地の方へ走っていってしまう。

アルさんはぼんやりとその後ろ姿を見送って、申し訳なさそうに言いました。

「お姉さんを混乱させたみたいで……せっかくの観光の邪魔だったね」

「大丈夫。お姉ちゃんはびっくりしちゃっただけだよ」

「でも俺……」

じっと路地の方を見ながらアルさんは呟きました。

「お姉ちゃんはあっちに行ったよ。追いかけないの?」

何か言いたそうにしてるけど、それよりも早くお姉ちゃんを追いかけてほしいなぁ。

「まだ振られたわけじゃないもん」

「観光はいいの?」

「お姉ちゃんが落ち着いてくれるなら、それでいいの」

もう私たちは十分だから、お姉ちゃんに戻ってほしい。今みたいに少しの間だけお姉ちゃんに戻るんじゃなくて。

アルさんはいい人そうだもん。きっと本当のことを知っちゃっても受け入れてくれる。

お姉ちゃんが入っていった路地に急いで向かっていくアルさんの後ろ姿が見えなくなってから、私はルラの顔を見た。

「お姉ちゃん、大丈夫かなぁ……」

ルラが何を心配しているのかはわからないけど、思ってることは、きっと私とおんなじだよね。

いつも助けてもらってばっかりだったお姉ちゃんに恩返しがしたいもん。次は私たちがお姉ちゃんを助ける番!

まあ、アルさんのことをどう思うかはお姉ちゃんの気持ちにもよるけどね。

私はお似合いだと思うけどなぁ……


しばらくして、お姉ちゃんが戻ってきた。

でもアルさんはいない。

どうしたのと言いかけたルラの背中を叩いてそれを止めた。

こういうときは何も言わないのが一番、私が聞いても何かができるってわけじゃないもん。


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