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女装男子の恋模様  作者: もっくん
6/15

だからこそ決めたんだ

はい!こーんばーんわーw

もっくんですww

さてさて?

椎奈(忍)の運命やいかに??


大切な人がいた。


守りたい人がいた。


それを失ったとき、人は何を思うのだろう。


俺は、底知れぬ絶望と喪失感、後悔に飲み込まれて。


失ってもまだ、それを追い求めてる。





校舎の裏へと、山崎の後に続いて俺は歩いていた。


なーんか、嫌な予感すんだよなー。


「あの、何の御用ですか?」


「ん?んー、ちょっとね。」


こちらを向きもせず、山崎は答えた。


山崎(やまざき) 颯哉(そうや)

俺と同じ学年の男子。

以前コンビニの前でたむろってんのを見たことがある。

噂じゃ何とかってヤンキーのグループの2位らしい。

あ!あと、女癖もわりーって聞いたことがある。


やがて校舎裏に着くと、そこには山崎意外に二人の男もいた。


んんん?


「えーっと…?」


疑問顔で山崎の方を見ると、意地の悪そうな顔が見返してきやがった。


「椎奈ちゃんさ。相談なんだけど…。」


「はぁ…。」


名前で呼ぶのやめろ。


まだ一回しか会ったことねー…っつーか、まともに話したの今日が初めてなんですけど。


まったく、イラつくな。


早く用件済ませて大和と弁当食いてーのに…。


「俺のさ、セフレになんねー?」



……


………


は?


はーーーーーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!?????


い、いいいい今、なんつった??!!


セ、セフレ?!


セフレってあのセフレ??!!


俺が??!!


山崎の???!!!


俺が???!!


「え、えーと…。」


何言ってんのコイツー?!


男だよ?!俺!!


なれるわけねーだろ!


「…お断りします。」


よし。


断った。


これでもうだいじょー…


「じゃーしょーがないか。」


は?


「無理やりなってもらうしかねーよな?」


ニヤリ、と山崎が微笑んだ直後、俺はほかの二人に羽交い絞めにされる。


「なっ…。」


がっちりとかためられてまったく動けねー。


くっそ離せ。


「残念だけど『皇帝の魔界悪魔デーモン・ザ・エンペラー』№2のこの俺に刃向かった罪は重いぜ。」


知るか、んなもん。


だが、噂はどうやら本当らしい。


俺は無理やり山崎と顔の位置を合わせられた。


「大丈夫だって。痛くしねーから。」


他の二人がクスクス笑う。


くそっ。こいつらむなくそワリー!


今ここで殴り飛ばしてもいいけど、そうすると『椎奈』が壊れちまう!


かといってこのままだと、『男』だってばれちまう!


それなら――――



ごめん、椎奈!



俺はあいた右足を思いっきり振り上げた。


ゴンッ!!


「がっ…。」


山崎が小さく唸り、倒れこむようにうずくまる。


他の二人が呆気にとられている間になんとか抜け出して下駄箱、職員室のある方へ駆ける。


「まてコラ!!」


追いかけてくる。


あと少しで校舎裏を抜けるっていうとき、髪を引っ張られた。


「あっ!!」


俺の髪、椎奈の時のつけ髪はそう簡単に取れないように細工してある。


だがこれは、予想外だ!


髪を心配して立ち止まってしまった俺の前に、山崎がこぶしを振り下ろした。


まずい!


受け身が間に合わねー!


反射的に目を閉じたときだった。


俺の脇を、風がすり抜けた。


パシッ…


軽い音がして、俺は目を開いた。


そこにいたのは、


「隆…平…。」


東雲 隆平。


隆平は俺に振り下ろされた山崎のこぶしを片手で止めていた。


「なーにやってんだよ。シバくぞ。」


それは、いつもの隆平の声ではなくて、低い、怒気の籠った男の声。


「な…。」


山崎たちは一瞬怯み、急いで立ち去って行った。


「はーっ…天下のデーモンも№2がこれじゃーな。」


逃げ去ってゆく山崎たちの背を見送って隆平が呟いた。


「隆平君…なんでここに?」


俺が訊くと隆平はいつもの口調で話し始めた。


「椎奈ちゃんが山崎たちと校舎裏行ったって聞いたから気になってきたんだ。間に合ってよかったー。」


そう言うと、隆平は身を乗り出すかの様に顔を近づけてきた。


「椎奈ちゃん。大丈夫?怪我してない?なんかされた?」


「だぃじょうぶ…。」


俺が呟くやいなや、隆平は強く、抱きしめてきた。


「な…にして…。」


「声、震えてるよ。」



気付かなかった。


それは多分、緊張が解けたから。


無意識に、安心してしまったんだ。


なぜだろう。


気づいたら、隆平の服の袖を強く掴んでいた。





「家、送るよ。」


「え…いいよそんな。大丈夫だから。」


「でも…。」


「いいって。」


昇降口。


先生に体調不良だと嘘をついて、午後の授業は早退した。


山崎とのことを下手に喋ってまた絡まれたら嫌だし、『椎奈』だったら言わないだろうと思ったからだ。


隆平が家まで送ると言ってきかないが、家を知られると忍のことがばれる可能性があるため今全力で断っている。


「そんな…。」


うなだれる隆平。


…強く言い過ぎたか?いちよ、助けてくれたわけだし。


「隆平君。」


「何?」


「助けてくれて、ありがとう。」


にっこりとほほ笑むと、隆平がパッと顔を背けた。


??


「隆平君?」


…?


なんだよ?


「な、なんでもないよ。」


ま、どーでもいいや。


「それじゃあ、帰るね。」


「ねぇ、ほんとに…。」


「大丈夫だよ。それじゃ、また明日。」





帰り道。


俺は今日のことばかり考えていた。


山崎とのこと。隆平の事。


そして、大和のいったこと。


『今自分が女だって自覚持てよ。』『危なっかしくて見てらんねーよ。』


事が起こった後に意味が分かるなんてな。


は…


俺は夕暮れに浮かぶ空を見上げた。


バカみてー…。




そんなことを考えながら歩いていたせいで、俺は忘れていた。


いつも隆平に家を知られないために遠回りして家に帰ることを。




と、いうことでww

はい!どうでしたか?


いよいよここからが本編といってもいいです。


ではまた次回でm(__)m

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