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女装男子の恋模様  作者: もっくん
15/15

しっかりしろ、俺!

お久しぶりですw

カメの歩み更新ですみません…

今回だけ二文字です。


では、どうぞ


ときにはさ、立ち向かわなきゃいけないものもあるよね









「私も暇ではないのですが?」


「いや…なんというか……すみません…?」


俺、六条忍はただいま駅前の広場におります。


え、なぜかって?


それはですねぇ、先日友人Rに海に誘われて(強制的に)行くことになりまして…


ええ、もちろん女物の水着など持っておりませんとも。


どうしようか悩んでたら友人Yの


『お前の事情知ってて女っていうと…アイツしかいないな。お前明日暇だろ。アイツには言っておくから買いに行け。』


とのお言葉によりこのたび買いに行くことになった次第です…


っつーかなんで俺オーケーしたんだよ?!


そんな流されやすい子だったっけ??!


大体今隆平とは気まずいのにどんな顔して会いに行けっていうんだよ!


「…何一人で百面相してるんですか。周りの人の迷惑になるのでやめてください。キモッ…。」


「ちょっ、雛ちゃん…?いつにもましてお口が悪いですね…。」


顔を上げれば数歩先には一人の少女が立っている。


不知火(しらぬい) 雛菊(ひなぎく)

大和の一つ下の妹で椎奈の親友。

切れ長の瞳に肩につかない程度で切りそろえられた黒髪。

大の男嫌いで男にのみ毒舌。

誰に対しても敬語なのには男嫌いと共に理由がある。

けど、俺もあまり詳しくは聞いてない。

…ちなみに実はブラコンで、厳しいことは言うけどなんだかんだ大和には甘いんだよなー。


「ヘブッ…」


「…今何か失礼なことを考えていませんでしたか?」


「す、みませんでした…。」


何て勘をしてるんだこの子…!


俺がつねられた頬を擦っているうちにさっさと歩き出す雛ちゃん。


「ほら、行きますよ『椎奈さん』。」


椎奈さん。

俺が椎奈の格好をしているとき、雛ちゃんは俺のことをそう呼ぶ。

椎奈が生きていたころは『椎奈ちゃん』呼びだったのに。


それは、彼女なりのけじめなのだろうか。


大和も雛ちゃんも、もう割り切っているのだろうか。


俺だけ抜け出せていないのか。


俺は何をしているのか。



これは、間違っていることなのだろうか。



そんな考えを頭の隅に押しやって、俺は雛ちゃんを追いかけた。







「あれなんてどうですか?」


「え、もうちょい落ち着いた感じで露出少な目のがいいな…。」


大型ショッピングモールの中、夏直後、というかもはや夏真っ盛りの七月中ごろのこともあってか、水着を売る店が目立っている。

ある店のショーウィンドウに飾られた女物のビキニを指さして雛ちゃんが言う。


一応骨格的には俺男だからさ…胸的にビキニとかも辛いし…。


ああ、やっぱり無理にでも断ればよかった~


今更おせーけど。


「注文が多いですね。では、あちらは。」


「あれかぁ…。ちょっとなー…。」


胸元は隠れてるけど下半身がなぁ。


もろ形でわかっちゃうからな。


せめて肩と胸と尻周りは隠したい。


幸い腹筋とかは割れてねぇから腹は出ててもいいや。


でもそんな丁度いいもん無ぇよなぁ。


うーん、と唸っている俺の横で雛ちゃんが一つ大きなため息を吐いた。


「外から見ていても埒があきませんね。飾ってあるのは露出の多いものばかりですし。」


そう言うと雛ちゃんはスタスタと一番近い女性の水着専門店へと歩いてゆく。

俺は慌てて追いかけた。






「いらっしゃいませー。」


店の中は可愛らしい装飾をされていた。


うわっ、俺こんなとこ入ったの初だよ…。


俺が周りを見渡している間に雛ちゃんは店員の女性に声をかけていた。


「すみません。」


「はい。何かお探しですか?」


「この人に露出少な目の水着を探しているのですが。」


雛ちゃんが手で俺を示してくるので俺は店員さんに軽く会釈をして微笑みかける。

と、なぜか少し驚いたような顔をされた。


なぜだ。


解せぬ。


「あっと、少々お待ちください。」


店員さんが奥の方へと消えてゆき、俺は待ってる間暇を持て余して並んでいる水着を見て回った。


…実をいうと、普段入らないとこだから少し緊張したりしてる。


どっちかってゆーと興奮?


うおっ、これすげぇな!


Tバックってやつか?


うわ、こっちもすげぇな…!


Ⅴ字の水着…棚の名前は、モノキニ?っていうのか。


「何見てるんですか。まさかそれで妄想なんてしてないですよね?キモいです、死滅してください。」


「してないし、死なないからね?!」


「むきになって図星ですか。これだから男という生き物は…。」


「図星じゃないよ?!…ホント相変わらずだよね、雛ちゃんは…。」


っつーか俺の扱い適当だなおい。



「その手に持ってるの…。」


「ああ、これですか。せっかくなので私も買おうかと思いまして。」


あまり飾り気のないシンプルな黒と白のチェック柄のビキニ。

見た目のクールな印象と合わさってよく似合うと思う。


「いいんじゃないかな。」


「そうですか、ではこれにします。」


淡々とした口調で返す雛ちゃん。



あれ?


もしかして俺の反応気にしてた、のかな…?


って、ねーか。


男嫌いだしな。


「お待たせしました。」


お、店員さん来たみたいだな。


店員さんが持ってきたのは三種類の水着。


上がビキニで下がフリルのスカートになっている水色の花柄。


オレンジと黄色が基調の向日葵柄のベアトップの肩だし水着。


上が短めのタンクトップ風、下がパレオと中がショートパンツになっているライトグリーンの優しい色合いの水着。


ま、確かにほかのに比べたらだいぶ露出少ないけども。


「こちらなどいかがでしょうか?」


差し出されたのは水色。


「え…と、それはちょっと…。」


上ビキニだしなぁ。


「お客様であればとてもお似合いになると思うのですが…。」


「あ、じゃぁ、それ…とか…。」


俺が指さしたのはライトグリーンの水着。


一番露出少なそうだしな。


「では、ご試着室へご案内します。」


「あ、はい。」


俺は促されるまま店員さんについて行った。






すっかり夕方になっちまったな。


って。


「おーい、雛ちゃん?なんでそんな目つき悪くなってんの?」


「なんでもないです。…まさかあんなに似合うとは思っていませんでした。」



なんか今ぼそっと何か言ったか?


ま、いいけど。


「あー、買えてよかった。任務完了だっ!」


「問題は今日ではないのですがね。」


「うっ…考えないようにしてたのに…。」


買い物袋を提げて駅へと向かう。


あんま遅くなると大和こえーからな。


なんだかんだでアイツも雛ちゃんには甘いんだよーって俺も人のこと言えねぇけど。


でも、買い物なんて久しぶりだったな。


…買ったものが女物の水着ってゆうのがアレだけど。


気分転換にはなったかも。


そんな少し浮かれた気分で並んで歩いていたとき、それは現れた。


「よぉ、ねぇちゃん達。買い物帰りか?」


「俺らと遊んでかね?」


はい、でた。


不良ーズ、いや、モブーズ…いやナンパーズ、か?


椎奈の格好で街歩くと、たまーにこんなことがあんだよなぁ。


相手は三人。


どれもチャラい。


特に最初に声かけてきた奴。


お前それスキンヘッド?ハゲ?


どっちでもいいけどスゲー邪魔だわ。


「おーい?聞こえてんの~?」


「あっもしかして怯えてる?かーわい。」


「ギャハハ、だいじょーぶだよーってか!」


あーうっせ。


雛ちゃんとか人の目がなきゃぶっ飛ばしてやんのに。


さて、どーしたもんか――――――



「邪魔です。どいてください。」



声の出どころは俺の隣。


ひ、雛ちゃん…。


「あ?なんだこいつ。」


「生意気っつーかむかつく?」


「邪魔だというのが分からないのですか。見た目を裏切らない頭の悪さですね。」


「「「ああ?!」」」


あーあ、煽っちゃった。


ってゆーか雛ちゃん…そのどす黒いオーラと殺気、抑えようか。


今だったら視線だけで人殺せるよ…。


こういうタイプ一番嫌いだからねぇ、雛ちゃんは。


さすが大和の妹。


目つきだけはそっくりだ。


「こっこのアマなめやがってぇ!!」


あ。


こいつ、終わったな。


「汚い手で…」


伸ばされた腕を小さな動きだけで避け、素早く足払いを仕掛ける雛ちゃん。

男は勢い余って前のめりにすっ転ぶと一回転した。


「…私に触れないでください。」


おおう…。


容赦ねぇなホント。


そのゴミ虫でも見るかのような目…。


さすが不知火家のお嬢。


っつーかここ公道!!


人の目気にして!!


「「てっっめぇらぁぁぁ!!」」


だから人の目ぇ!


つか『ら』って何?!


俺なんもしてないんですけどぉ??!!


伸ばされた腕に反応して体勢を変えた時、横から間に割り込むように突き出した腕と声に動きを止めた。


「やめろ。」


あれ、どっかで聞いた声…。


雛ちゃんと男たちも動きを止め声の方を振り返る。

男たちの顔色が悪く見えるのは気のせいじゃないはずだ。


立っていたのは灰色のニット帽を被った目つきの鋭い男。


あれ、こいつもしかして――――――


「ゆ、雪成(ゆきなり)さん…。」


男の一人、ハゲが呟く。


ああ、やっぱり。


ユッキーだ。


ユッキーとの関係は一年前のことだからいろいろ省くけど、要するに一方的な知り合い?だ。


「公道で何やってんだ。」


ドスの利いた低い声に背筋が自然と伸びる。


「そ、それは…。」


「こちらの方々が絡んできたんです。」


雛ちゃん、そんなはっきりと…。


ユッキーは自分にも他人にも厳しい奴だ。


こいつら、可哀そうに。


ま、自業自得だけども。


ユッキーは男たちを追い払うと俺たちに向きなおって頭を下げた。


「すまなかったな。うちの者が迷惑をかけた。」


「いえ、もういいです。椎奈さん、行きましょう。」


「あ、うん。」


歩き出した雛ちゃんを駆け足で追いかける。


ユッキーの脇を通り過ぎるとき、やけに視線を向けられていることに気付いた。


俺、なんかしたかな?







っつーか今日、俺いいとこなくね?




やっと水着用意できましたね

新キャラでてきましたね。

詳しいことはもう少し話が進むとわかります。


次回はやっと海編ですw

さて、どうなることやら…

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