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女装男子の恋模様  作者: もっくん
11/15

ロボットじゃないから

はい、もっくんでっすww

ついについに椎奈の心に変化が??

隆平との関係についても変わってきます!


俺は


永遠に開かないであろうこの扉の前で


君に罪を責められ続ければ


それで、いい













「えー、それでは。只今より勉強会を始めます。」


木村 麗奈宅。


長方形のデカい机を囲んで総勢8名が座っていた。


麗奈がやけに丁寧な口調で宣言する。


その隣に座っている大和が感心したような声を出した。


「よくこのメンバー集められたな。」


確かに。


その隣のうちのクラスの委員長、安藤(あんどう) 祐作(ゆうさく)が人差し指と中指でメガネを押し上げた。


「確かにそうだね。僕は木村さんに誘われたんだけど…君はなぜ?」


そう言ってさらに隣を見る。


そこには、隆平のクラスの委員長、幸平 綾乃 (ゆきひら あやの)が座っていた。


「私は…東雲君に…」


「あーあたしもだよー??」


顔を伏せながらそう言った幸平さんの隣で大きな声がした。


「あたしも東雲っちに誘われてー。」


こちらは毎回テストで赤点のブラックリストに顔を連ねる隆平のクラスメート、銀城(ぎんじょう) 伊織(いおり)だ。


「ねー煌ちゃん。」


伊織が横を向くとその男子は首を縦に一回振った。


学年で俺の次に頭のいい隆平のクラスメート、蒼河(あおかわ) (こう)だ。

伊織とは幼馴染らしい。


「伊織のバカが治るかもしれないから…。」


「ひっどー。」


蒼河の言葉に頬を膨らました伊織を宥める隣の隆平。


「まぁまぁ。銀城は今日で頭よくなるかもしんないし。」


あ…


今の隆平、俺といるときと違う顔してる。


なんか…あれだな…


って、何考えてんだ俺?!


っつーか、なんで俺の隣がコイツなんだよ!


てっめー仕込みやがったな!


俺は隣の麗奈を睨むが気づいていないのかあらぬ方を見ている。


「んじゃーそろそろはじめようか。みんな何からやる?」


「「「「「「「数学」」」」」」」


「だよね。」


そうして、いよいよ始まったのである。













カリカリカリカリ・・・


あれからもうすぐ二時間がたとうとしていた。


基本勉強は順調に進んだ。


途中伊織が発狂したりとかもあったが、蒼河がうまく収めてくれた。


さすが幼馴染。


「ねぇ。椎奈ちゃん、ここ分かんないんだけど。」


しばらくすると、隆平が話しかけてきた。


いやに真剣な表情だから、仕方なく教えてやる。


「ここは、~~して、~~するの。」


「へー、あ、じゃあここは?」


「これは、こっちの方法で~~~して~~ってやると、ほら。」


「おおーすげー。」


って、なんか顔近くないか?


やけに寄ってきてるような。


あ!ちょっ…息が首にかかってる…


「…っ」


「椎奈ちゃん?」


「ごっ…ごめん、ちょっとお手洗い借りるね。」


「え?うんいいけど…右の奥だから。」


「わかった。」


麗奈に言うとどしたの?って顔で場所を教えられた。


大和が不審な顔でこちらを見ているが無視して部屋を出る。


とにかく一刻も早く落ち着かなければ。


さっきから心臓がヤバいぐらい鳴ってる。


くっそ。なんでだ。


トイレに入ると手洗い場の脇に手をついて鏡を見る。


僅かだが、顔が赤くなっていた。


熱か?


額に手を当ててみる。が、そうではないらしい。


じゃ、なんなんだ?


胸に手を当て、深呼吸を三回する。


どくん、どくん、とやがておさまってきた。


だが顔の赤みはいまだにとれていない。


調子が悪いって言って先に帰ろうかな…


はぁ、とため息をついてトイレを出た。


が、そこで固まってしまった。


トイレの前で隆平が待っていたのだ。


治まったはずの心臓が再び激しく動き出す。


「大丈夫?」


その言葉に、胸が熱くなる。


なんだこれなんだこれなんだこれなんだこれ


息苦しい。


「あ、うん。大丈夫だよ」


なぜか目を合わせられなくて、下を向いて答える。


「…本当に大丈夫?」


「うん。平気だよ。早く戻ろう?」


この空間から逃げ出したい衝動に駆られ、部屋の方へ戻ろうとする。


が、その手首を掴まれた。


どくん。


心臓が跳ねる。


「ねぇ、椎奈ちゃん。なんでそんなに顔赤いの。」


どくん。


「別に赤くなんてないよ?」


振り向かずに答える。


「嘘。」


直後、腕を引かれ後ろへと引き戻される。


そのまま壁に押し付けられた。


そして無理やり顔を上げさせられる。


「こんなに赤いのに。」


どくん。再び心臓が高鳴り、体温が上がったのが分かった。


何もしていないのに恥ずかしさがこみあげてくる。


「は、放して…」


やけに弱弱しい声が出る。


隆平の手をどかそうとした時だった。


隆平から発せられた言葉にフリーズする。


「好きだ。」


それは今まで聞いてきたどの言葉よりも重みがある言葉だった。


ぶわっと全身から熱が込みあがる。


何も聞こえないほど心臓の音が五月蠅かった。


「冗談は程々に…」


「冗談じゃないよ。」


芯の通った強い口調。今までにない真剣な顔。


それだけで、本気なのだと分かった。


「俺は、六条 椎奈が好きです。」


隆平の目が近くなり、俺の唇に生暖かい感触があった。


混乱する俺をよそに、それは徐々に深くなってゆく。


「ふっ…ん……」


どれぐらい経っただろうか。


俺にはすごく長い時間に感じた。


やがて唇が離され、俺はそこに座り込んだ。


「…返事、待ってるから。」


頭上で声がし、足音が消えていった。


俺は自分の唇に触れて、誰にも聞こえないぐらいの声で呟いた。


「くそ…」




その日、その後どうしたのか、よく覚えていない。





その後の隆平


(うあわああああああああ!!やっちゃったよ!どーしよー?!椎奈ちゃんなんて返事するかなーー?!…でも)


唇を触り。


「柔らかかったな…」



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