第4話。幼女になってたっ!
ジェイドさん→騎士隊長
カイルさん→隊長補佐
っていう感じだと思ってもらえれば^^
私の前には紅葉のような小さな手があります。
不思議と私の意志で動かせちゃうのですよ・・・。
すぐにでもこの状況を確認したいのですが
生憎移動中のため、ここには鏡がありません。
「じぇぃ・・・?まぁか、なんさい、みえましゅか?」
一番近くにいるジェイドさんに話しかけて見ましたが
ジェイドさんは静かに私の顔を見下ろして無言です。
怖いのですが・・・何か話してくれないでしょうか?
「・・・4・5歳くらいだろうか?」
「・・・ひゃい?」
まさかの幼児を指す発言に私は言葉も出てきませんでした。
カイルさんも私を上から下まで見てうんうんと頷いています。
でもここで私がそれを否定して15なのですよって言って
信じてもらえるでしょうか?
もし信じてもらえたとしたら、人違いでしたーとか言われて
森に置き去りにされちゃったりしそうです・・・。
とりあえず黙っていることにしようと思います・・・。
それにしても・・・。
ジェイドさん、どうしてこんなに睨んでくるのですか?
そんなに子供は嫌いですか?
ここは日本じゃないって、地球でもないって言ってました。
ということは、私が地球に帰れる方法はあるのでしょうか・・・?
あ、いけないいけないっ。
自分が子供だと認識した途端に、涙脆くなっているみたいです。
ぽん・・・ぽんぽん。
「っ!」
ジェイドさんが、私が泣いてると思ったようで
だっこしていた背中をぽんぽんと叩いてくれたのですけど
突然のことでびくっと肩が跳ねてしまいました。
隣りで馬を並走していたカイルさんが、驚いた顔をして
口を開けているのが見えました。
「どうして、まぁか。しきのひめ・・・?」
どうしてこんなに森の奥まで来てくれたのか、
どうしてさっき会ったばかりの私に優しくしてくれるのか
全然分かりません・・・。
「四季の姫が降り立つ場所、そして外見は、
神官が教えてくれたのだが、15.6の少女と聞いていた。
外見で判断は出来なかったが、間違いなく四季の姫だ。」
「どうして・・・?」
「その美しい黒髪と瞳が何よりの証拠だ。」
私は自分の髪をひと房手にとって首を傾げてしまいました。
だって日本人なら色素の違いはあっても黒髪黒目は当たり前です。
「この世界に生きるもの、すべてを集めたとしても、
四季の姫のような髪と瞳の色の人間は存在しない。
黒に近い髪色はあっても深い藍色だったりするのだ。
だがそれは、前の四季の姫の子孫である王族にしか
存在しない。」
ええ・・・っ!?
黒が珍しいのですかっ!?
しかも子孫って・・・え・・・?
私が混乱している中、ジェイドさんは説明を続けます。
「前の四季の姫が、お歳を取られ、数日前亡くなられた。
その日から世界全体が異常気象で混乱しているんだ。
そして昨日、神官が次期四季の姫の降臨を予言されたのだ。
前の姫は、秋の国オトンヌの王と婚姻を結ばれオトンヌは
他の国よりも特に繁栄したのだ。」
ジェイドさんの言うことが本当なら、その四季の姫が
どこの国で生きるかによって、その国が豊かになると
そういうことでしょうか・・・。
って・・・ちょっと聞き捨てなりませんよ。
なんだか死ぬまで帰れないって言われている気がします・・・。
「・・・姫の婿候補も国の一族ごとに選出されている。」
「え・・・?」
・・・いよいよ15歳なんて言えなくなってきました。
この先私は一体どうなってしまうのでしょうか・・・。
戻れるのでしょうか・・・。