第19話。切ると聞こえて。
人質?状態のまぁかちゃんは
一体どうなってしまうのでしょうか(汗
うう・・・。
私は現在進行形で、知らない男性に・・・
いえ、名前はアクスさんというらしいですが・・・。
何故か無言で腕の中に閉じ込められています。
そして・・・
身動きも出来ないくらい苦しくて痛いです・・・。
何度か脱出は試みたのですが、
力の差がありすぎて駄目でした。
もうぐったりですよ。はい。
アクスさんという人の腕の中でぐったりと
していると、バタバタバタという
騒がしい音がして、すごい勢いで扉が開きました。
飛び込んできたのはジェイドさん、
カイルさんのお2人でした。
あああ・・・天の助けですっ。
・・・っ。
ぐえぇ・・・。
ですが突然アクスさんの腕の力が強まりました。
顔を青くしたり赤くしたりしている私を見て、
ジェイドさんとカイルさんは、肩で息をしながら
慌てています。
「アクスっ!?あなた、どういうつもりですかっ!?
姫様を今すぐ解放してください。」
「・・・アクス。何のつもりだ?事と次第によっては
俺はお前を切らねばならん。答えろ。」
え・・・?
切らねば・・・って、ジェイドさんっ!?
ちょちょちょちょ・・・ちょっと待ってください。
今、何か、とてつもなく物騒な台詞が
聞こえましたけど・・・冗談ですよね?
泣きそうになって涙目で、
ジェイドさんのお顔をちらりと見ると・・・。
ぴ・・・・っ!!?
ほほほほほ本気ですよこの人っ!!
えっ!?
ジェイドさんって騎士団の隊長さんですよねっ!?
それに・・・。
ちらり・・・。
わああ・・・・
カイルさんも、ジェイドさんの後ろで
ものすごぉぉぉぉく怒っておられる様子。
「あ・・・。」
小さく出た私の声に、
その場にいた3人は私の方を見ました。
「あ・・・あきゅす・・・。はにゃしてぇぇっ!」
涙声で必死にアクスさんに言った言葉でした。
パッ・・・・。
ぽふんっ。
「ぴっ。」
突然アクスさんは私への拘束を解いて、
手を離しました。
私はソファの上に
ぽふりと落とされてしまいます。
その瞬間、ジェイドさんとカイルさんは、
手にかけていた剣の柄を外して、私のところへ
駆けつけてくださりました。
カイルさんは私をふわりと抱き上げて片腕に乗せ、
もう片方の手でよしよしとしてくれます。
「姫様、怖かったですよね?大丈夫ですか?」
こくんと頷いた私の顔を覗き込んだ後、
ほっとしたような顔でふわりと笑ってくださいました。
うん、王子様スマイルは最強です。
思わずふにゃりと笑い返した私に、
カイルさんは嬉しそうに破顔して笑います。
「アクス。答えろ。何故こんなことをした?」
隣りから聞こえた言葉に
私はハッと顔を上げました。
ジェイドさんの声に怒気が含まれていて、
とても恐ろしいです。
顔は・・・見ません。
自分が可愛いですから・・・。
私まで身を縮めていると、カイルさんは
無言で私の背中をさすってくださいました。
そして、ジェイドさんに問いかけられている
アクスさんをちらりと見ると・・・。
っっっ!?
こっち見ーてーるーぅぅぅーーっ!?
まっすぐ私の方を見ておられました。
「四季の姫。名前、違う。
姫、苦しい。名前、知りたかった。」
単語でゆっくりと言ったアクスさんの言葉に、
私は驚きました。
そして、胸の奥の方からゆるゆると、
嬉しさがこみ上げてきたのでした。
アクスさんって何者っ!?




