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第16話。一大事って大げさじゃないかな?






カイルさんは、私がバルコニーから落ちたことを

洗いざらい吐かされ、ぐったりとソファに沈んで

おられます。






カイルさんに散々お説教をしたジェイドさんに

抱き上げられて膝にのせられました。






もしかして、もしかしなくても、

今度は私がお説教されるのでしょうか・・・。






そう思うと子供の身体は素直なもので、

私の身体はぴしりとフリーズして、

視界も歪んできました。






「・・・はぁ。怒らない。だからそんな顔するな。」






「ふぇ・・・?」






ジェイドさんは、静かに目を閉じて、

ふぅと息を吐き出した後、私の瞳をじっと見ます。






「心配くらいは、させてくれないか?」






ああ・・・そっか。






ジェイドさんは、私がバルコニーから落ちたと

聞いたとき、すごく心配してくれたのですね。






どうしよう、嬉しい。






嬉しい気持ちでいっぱいになった私は、

本当の子供のようにジェイドさんの胸に

飛び込んで、擦り寄りました。






ジェイドさんは、ピクリと指先を震わせた後、

しっかりと私を抱きとめてくださりました。






カイルさんは少し復活したのか、

ソファから身体を起こして普通に座っています。






あ・・・

肝心なことを忘れていましたよっ。






これを言いたいがために、わざわざ

来ていただいたのに・・・

いけないいけないっ。






「あの・・・。すこし、いいでしゅか?」






カイルさんとジェイドさんは、顔を見合わせました。






「姫様・・・?どうされましたか?」






ジェイドさんの膝から必死の思いで(高すぎです)

滑り降りた私をお2人は不思議そうに見ています。






とてとてと、小さな身体で進んで

目の前にはあの忌まわしきお姫様ベッド。






「眠いのか?」






「ああ、おねむでしたか。」






と言っているお2人に、この状況を

気づいてくださいと言いたい気持ちです。






私は必死にベッドの上のお布団に手をかけて

上がろうとしますが、どれだけぴょんぴょんと

飛んでも、上がることが出来ません。






「・・・くっ。」






「ぷ・・・くすくす」






突然後ろから聞こえた声に振り向くと、

ジェイドさんは拳を口元にあてて、

横を向いて肩を震わせていました。






カイルさんは、子猫が何かに

じゃれついているのを微笑ましく

見守っているような笑顔です。






うう・・・なんたる屈辱・・・。





なんたる失態・・・・っっ!!






言葉で伝えるのが、この舌ったらずの

たどたどしい話し方だと難しいと

判断したのが間違いでしたっっ!!






「ぅ゛ー・・・。」






泣きそうになってお布団を掴んだまま、

ベッドの横部分にぽふんと顔を埋めて

唸った私に気づいたのか、ジェイドさんと

カイルさんは慌てて駆け寄ってきました。






潤んで滲んだ視界でお2人を見上げて、

すんと鼻をならしながら訴えました。






「・・・のぼれにゃい・・・。ぅ゛ー・・・。」






必死の訴えが通じたのか、ジェイドさんと

カイルさんは、私を見たまま固まっています。






しばらくの間、止まったかのように

しんとしていた部屋の空気が、

ジェイドさんの静かな声で動き出しました。






「カイル・・・。至急、姫用の台を作らせろ・・・。」






「は、はいっ。姫様の一大事ですねっ!

 大急ぎで作らせてきますっ!」






・・・・えー・・・。






何もそこまで・・・いや、

助かりますけどね・・・。はぁ・・・。






カイルさんは、慌てて扉から飛び出して

行ってしまわれました・・・。






既に過保護と化している気が・・・。

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