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第12話。カイルさんの優しさ。

カイルさん。優しい方なのです(あ






花園といった雰囲気の中庭の噴水前のベンチ。

カイルさんはそのベンチの上に、ふわりと布を敷いて

その上に私を座らせてくださいました。






ふぉぉ・・・。

なんという紳士・・・王子様みたいです・・・。

照れましたよ、すごく恥ずかしいですっ。






私のとなりに腰をおろしたカイルさんは、

少し眉を下げてじっと私の顔を見ておられます。






「姫様。本当に心臓が止まるかと思いましたよ。

 もうあんな危ないことなさらないでくださいね?」






「ごめんなしゃい・・・。」






素直にぴょこんと頭を下げて、ごめんなさいをすると

カイルさんは、ふわりと笑って私の頭を優しく撫でて

言いました。






「はは、分かってくださればいいのですよ。

 ですが、心配させたお詫びに私の話を聞いてくださいね。」






「おはなし・・・?」






カイルさんは、「はい」と頷いて、私の頭を撫でながら

視線を落として目を伏せました。






「・・・ジェイド隊長からサーディと会ったのだと聞きました。

 隊長や僕も婿候補に入っていることに驚かれたでしょう?」






「あい・・・。」






「言わなかったのは、姫様を混乱させたくなかったのです。

 僕も隊長も、姫様を騙していたわけではありません・・・。」






カイルさんは、私を撫でていない方の手で、

きゅっと自分の胸の上で拳を握り締めました。






「かいる・・・?しきのひめ、ずっと・・・?

 もう、かえれにゃい、ですか・・・?」






「・・・姫様。申し訳ありません。僕には分かりません。

 ですが・・・。もし元の世界に帰る方法があるのなら、

 姫様が帰りたいと望むのなら、僕は帰してあげたいと思います。」






カイルさんは、とても苦しそうな顔で言います。

私を帰してあげたいと言うカイルさんの目は真剣です。






「でも・・・せかい、たいへんなこと、なるです。」






私はまだ、この世界のことを全然知らないけれど

私が帰ってしまったら、この世界は混乱するということは

分かっていました。






カイルさんは、ゆるゆると首を横に振って言いました。






「もちろん、姫様がこの世界に留まってくださるのなら

 とても嬉しいことですが・・・。ですが、この世界で

 姫様が幸せに過ごせないのなら、僕は・・・。」






カイルさんは途中で言葉を止めてしまいます。

顔を上げてカイルさんを見上げると、その柔らかな

亜麻色の瞳は、ゆらゆらと揺れていました。






「初めて姫様を見た時は、本当に驚いたのですよ。

 とても幼く、そして細くて小さい女の子でしたから。

 それに・・・突然この世界に落とされたというのに、

 涙ひとつ見せずに、私たちに連れられて・・・。

 ・・・本当に僕は、姫様を護りたいと思ったんです。」






「かいる・・・。ありぁと・・・。」






私がお礼を言うと、カイルさんは首を振って笑いました。






「いいえ。本当にそう思っていますから。

 ジェイド隊長も生真面目な方ですが、姫様のことを

 本当に大切に思われていますよ。サーディのことも

 姫様がお辛い思いをしておられると、とても心配されて、

 それに・・・とても落ち込んでおられたのですよ。」






「じぇいが・・・?しんぱい・・・?」






「はい。とても・・・。」と

カイルさんは、苦笑いしました。






「じぇいに・・・あやまりたい、です。」






唇を噛んで俯いて言った言葉に、カイルさんは頷いて

私を抱き上げました。






「隊長喜びますよ。今は騎士団の演習場にいると思います。

 僕も今から行くつもりでしたから、一緒に行きましょうか。」






こくりと頷いた私に、カイルさんは「本当に可愛らしいですね」と

頬を寄せて笑ってから、少しだけ強い目で私を見ました。






「ですが・・・。サーディは危険ですっ。色々と!!

 あまり近づかないようにしてくださいねっ!?

 姫様はこんなに可愛らしいのですから食べられちゃいますよっ。」






えええ・・・・っ!?

そこで念押しですかっっ!?






サーディさんって一体何者・・・?

もしかして王様と同じ危ない感じでしょうか?






うん・・・。

ここは、カイルさんの言う通りにします。






カイルさんはコクコクと必死に頷いた私の頭を片手で

撫でながら「そんなに振ったら頭が取れてしまいますよ」と

笑いながら歩き出しました。






いや・・・こんなことで取れないですよ。

どんだけ私はひ弱なんですか・・・。






ぽろり・・・(あ

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