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転移して奴隷にされたけど、見えない塊を拾ったので逃げる事が出来ました  作者: 斉藤一


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精霊魔法2

「これで俺は正式にシルフィの魔法も使えるようになったってことなんだけど、ルビー、精霊の魔法の増やし方ってあるのか?」


俺が使える魔法は、シルフィが使えるツリーバインド、ピアシングルート、リーフカッターとユラが使える世界樹の雫となるわけだ。シルフィが樹を操ったりするのは魔法になるのかどうか分からないな。先の精霊魔法の3つみたいに、魔法名だけで指示するのは無理だから、詠唱みたいなものは無さそうだし。


「それは拙者の方が聞きたい。精霊魔法は精霊に魔法を使って貰うのだから、基本的に精霊魔法使いは精霊の使える魔法に依存する。普通の者には精霊の姿も声も聞こえないのだから、質問のしようもない。それに、普通の精霊魔法使いは自身の能力を秘密にするから、記録がほとんど残らないのだ」


「俺はその辺気にしないから、シルフィに聞くか。シルフィ、精霊って新しい魔法をどうやって覚えるんだ?」


「さあ? 僕も知らないですねー。自分が使える魔法は感覚で分かるんですがー、他の精霊も同じなのかどうかは分かりかねますねー」


「じゃあ、ユラはどうだ?」


「あたしですか? あたしも自分が使える魔法は何となく分かりまちゅ。でちゅけど、自分が実際に使える魔法と、使えるはずなんでちゅけど使えない魔法がありまちゅね」


「使えるはずなんだけど使えない魔法? それってどういう事だ?」


「うーん、説明しにくいんでちゅけど、ゲームのステータス画面で魔法欄がグレーになっている魔法と言えばいいでちゅかね」


「いきなりメタい発言だな!」


ユラの知識は、俺の知識を参照にしているため、ユラには地球でのゲームも知識にあるようだ。だが、当然ルビーには伝わっていないな。


「ゲーム・・・? 魔法欄がグレー・・・? 一体、何のことだ?」


「あー、分かりやすく言うと、将来覚えられる魔法って事かな」


「そうなりまちゅかね。今は使えないけれど、何かきっかけがあれば使えるようになる気がしまちゅ」


ゲームで言えば、ユラには何かしらのレベルかイベントで開放される魔法があるという事でいいだろうな。


「あー、それなら僕にもありますねー。使えるはずなのに、今は使えないって感覚のある魔法がいくつか。でも、アキラと契約したからか、新しく使えるようになった魔法がありますねー」


「へー、どんな魔法だ?」


「ユグドラシルって言う魔法みたいですねー。恐らく、ユラとも関係が繋がったから使えるようになった魔法ですかねー」


「・・・ちなみに、どんな効果だ?」


「周囲一帯に居る生物の全ての魔力を吸って成長するユグドラシルを産み出す感じですかねー」


「それ、絶対に俺の許可なく使うなよ! とりあえず封印しとけ、封印」


「まあ、使わないですよー。これ使うと、たぶんルビーが死んじゃいますし。敵味方の判断がつかないやつですからねー」


「そんな危険な魔法があるのか! うぅ、見てみたいが、さすがに拙者も死にたくないぞ。それにしても、貴重な情報を得ることが出来たな。あとは、ユラ殿が新しく魔法を使えるようになる条件が分かれば、拙者も精霊魔法使いになった時に役立ちそうだ」


その後も、興奮したルビーがシルフィやユラに質問する時間となり、結局その日は何の修行もせずに終わったのであった。

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