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転移して奴隷にされたけど、見えない塊を拾ったので逃げる事が出来ました  作者: 斉藤一


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森の調査5

オーク達の死体をルゥナのストレージにすべて仕舞う。


「途中でオークソードファイターの動きが悪くなり、拙者の動きはいつものユラ殿のエールを受けた状態に戻ったおかげで、最後は楽に倒せた」


「恐らく、オークダンサーが味方のオークにはバフを、敵である私達にはデバフをかけていたんだと思うわ。実際、オークダンサーの魔力が切れたとたんに変化があったもの。オークダンサーは、ゴブリンクイーンの様な支援タイプだったのでしょうね」


俺達はオークの個体名を統一した。剣を持ったオークはオークソードファイター、盾を持ったオークはオークディフェンダー、弓を持ったオークはオークレンジャー、杖を持ったオークはオークセージ、派手な衣装のオークはオークダンサーだ。オーク達が互いに呼んでいた名前をそのまま採用する形になる。本当は、剣オークとか盾オークの方が呼びやすいのだが、ギルドへ報告する時にバラバラな呼名を使うと混乱するかもしれないからな。


「これで後はギルドへ戻って報告するだけだよな? 帰りもシルフィ、頼むぞ」


「分かってますよー。森は僕の領分ですからねー」


森に関する時のシルフィは素直に従ってくれる。シルフィのおかげで俺達はカーナビの様に迷わず、さらに植物を操る事によって最短距離で帰る事が出来る。他の冒険者には絶対に真似できない方法だな。


「それにしても、特殊なオーク達だったわね。オークダンサーのバフとデバフのせいで、オークジェネラル並の強さになっていたわね。それに、普通のオークと違って体格もスリムだし」


オークディフェンダー以外のオークは、鍛えた人間の様な体だった。オークディフェンダーだけは相撲取りの様な体型だったが、それは普通のオークも同じだ。


「言葉を話すのも意外だったな。翻訳機って魔物でも使えるのか?」


「そうね。ただ、基本的な名称を知らないと翻訳されないから、私の予想ではオーク達の裏には人間が関わっていると思うわ。それに、装備も低ランク冒険者から奪ったような安物じゃ無く、マジックウェポンだったし。あれだけの物を揃えるとしたら、結構裕福な人間ね。今はこのままギルドに見せるから装備は取らないけれど、装備だけでも金貨数百枚になるかもしれないわ」


「そんなにか。あっ、俺の持ってる盾も渡すわ」


俺はマジックボックスに奪っていた盾をルゥナに渡す。これですべての装備がルゥナに渡ったことになると思う。


「ご主人様、体は大丈夫でちゅか?」


「ああ、ユラのおかげでバッチリだ。あの時は、本当に助かったよ」


「世界樹の雫を使ったの? アキラは本当に危なかったのね。そのおかげで、あいつらの連携を崩すことが出来たのだから、お手柄なのだけど」


「拙者は、アキラ殿を守らなければならない立場・・・。それなのに、アキラ殿を守り切れず申し訳なかった」


ルビーが頭を下げるが、俺は別にルビーにボディーガードとして一緒に居てもらうわけじゃ無いので、手を振って断る。


「俺は自分で自分の身を守れるって思ってたから、ルビーのせいじゃないよ。ちょっと自分の力を過信してしまってたようだ。正直、ゴブリンキングを倒したから、今更オークぐらいってなめてかかってたのもあるし」


「確かに、罠を張るオークなんて今まで見た事も無いわ。言葉が通じることによって知能も上がるのかしら? その代わり、オーク達が何を言っているのか分かるから動きは読みやすくなるかもしれないけれど、逆もありえるなら怖いわね。冒険者があいつらに掴まって、人間側の情報を抜かれる恐れもあるわね」


「それと、あいつらは去勢されているらしい。普通のオークの様に女性が襲われる心配が無いが、脅威度が高いから気休めにしかならんが」


「そうなの? 普通のオークとの違いは、ギルドでしっかりと調べてもらわないといけないわね」


俺はオークをじっくりと調べたく無いので、ギルドの職員に任せることに賛成である。


「疲れた・・・。少し休んでから戻るか?」


「そうね。アキラは休んでいるといいわ。私とルビーはもう少しこのあたりを調べてくるから、あとはよろしくね、シルフィ、ユラ」


「面倒ですけど、近づいてくる魔物や動物は僕が追い払いますよー」


「あたしも、ご主人様が怪我をしたら世界樹の雫で治しまちゅ!」


俺を置いてルビーとルゥナは森の奥へと進んでいく。俺は、どさりと腰を下ろした。今回は、本当に苦戦した様に感じる。キラーディアやキラーマンティスの時は、こんなに命の危機を感じなかったのに。


「俺のイメージ不足かな」


見えないエーテル。だから、今まではどこか漠然と使っていた様な気がする。それが今回、オークディフェンダーの盾を掴むときには万力の様に使用する事が出来た。俺は見えないエーテルを、集中して操ってみる。今までは針や糸のように簡単な形ばかりだった。パワードスーツにしても、全身を鎧で包んだ操り人形の様なものだった。ハンマーや剣は簡単に作れるが、銃の様に複雑な形は今は作れない。エーテルの変化自体は出来ると思うが、俺のイメージが足りないのだ。


「つっても、高校生の知識じゃ無理だよなぁ」


これが何かのオタクだとかだったら、その分野については詳しくて出来ることがあったかもしれないが、俺は普通の高校生だったからな。多少異世界物の小説は読むが、そこには機械知識とかなんて無いし。


「せいぜいが、ドリルみたいに回す事だけど・・・。街に戻ったら、何か参考になるようなものを探さないとな」


この世界に機械は無いが、魔道具はある。そして、魔道具にもいくつか種類があり、魔法の様によく分からない効果を発揮する魔道具と、日常生活に使うような魔道具がる。そこには、機械のような魔道具もあるのだ。今まで、効果が微妙だから劣化版の機械だと思っていたけど、機構については役に立つものもあるかもしれない。


「あとは、シルフィの事かなー」


「僕が何ですかー?」


「いやー、何でもない」


シルフィは、俺と契約していないから結構自由に動く。今回、そのおかげでオークダンサーを倒すきっかけになったみたいだけど、本当なら俺が色々と指示しなければならないはずだった。ユラにも、もっと細かく指示すべきだったかもしれない。世界樹の雫を使うタイミングが、今回はユラの意思で使ったようなものだからな。最終的な使用に関しては、ユラは俺に聞いてくるから、もし俺があそこで気絶していたらと思うと、背筋が寒くなる。


「俺は特に冒険者になるつもりはなかったけど、生きていくには強くならないといけないな」


「そうですよー。僕が一緒に居る間は、街で隠居何てしたらダメですからねー?」


「俺も、この世界は見て回りたいし、ルビーが探してるユグドラシルも見たいと思っているから、しばらくは隠居何てしないよ」


「本当ですかー? まあ、僕が邪魔するので隠居は諦めて下さいねー」


うろちょろと俺の周りを飛び回るシルフィを、手でハエを追い払う様に邪険にする。俺にとっては、シルフィは常にそばにいた存在だから、何となくこれからも一緒に居るんだろうなという思いになる。契約はしていないが、協力はしてくれるし。


「よし、体力も戻ったぞ。ルビーとルゥナはいつ戻ってくるかな?」


「それなら、僕が探してきますよー。場所は分かるのでー」


「じゃあ、頼む」


「はいはーい」


俺は、何となくユラの頭を撫でながら、シルフィがルビーとルゥナを連れてくるのを待つのだった。

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