第二章 C
戦女神VERITAやりすぎて更新が遅れた。
さらに荒川アンダーザブリッジ面白いじゃないか。今までノーマークだったが、さすがシャフト。化物語に続いて神作品を投入してきますねw
前書きって何書けばいいか未だにわかんないけど、とりあえず楽しんで頂ければ幸いです。
「報告します! イシュタル殿下がエルイラ山の関所で発見されました!」
「それは真ですか!」
飛竜騎士の哨戒が功を奏した。イシュタルら一行をタイラント領南西の山で発見したとの報告が入ったのだ。
エリスが座席から思わず立ち上がり、ぱっと笑顔を見せる。
エルイラ山道は隣のベルグ伯爵領との間の道だ。
険しい山と深い森で有名な難所であり、そこをイシュタルが通ってくるとは予想外であった。
(てっきり南の大街道を通ってくると思って、守護していたのだけれど)
しかし、これは嬉しい誤算である。
(こことエルイラ山は目と鼻の先。もうすぐイシュタルに会えるんだわ!)
ここ数日南東から獣人の侵入が相次ぎ、騎士たちの疲労は限界を超えていた。もともと反乱軍との戦端も維持しながらの獣人撃退の作業。それはタイラント領の兵力の分散を招き、士気を低下させた。
兵も民も消耗し、槍も矢も折れ、補給も限られている限界状況。倭国からの援助は食糧に限られており、武器の取引は行ってはくれなかった。アナトリアとの援軍交渉は何一つ進まない。
タイラント騎士は勇猛で知られる精鋭だが、それでも人であることには違いない。
終わりの見えない篭城戦。
会議室に集まっていた皆は顔には出さないが、その心には絶望の翳り(かげり)が潜んでいた。
しかし、『イシュタル皇女のタイラント領到着』。
その情報は皆の気持ちに、確かに勇気を与えたのだ。
「ガハハハハ! これで反乱軍に降った諸侯らの何人かは味方してくれましょう」
クロムウェルが豪快に笑って、膝を叩いた。
現在ニアに反抗しているのはタイラント領ただ一つ。しかし進んで反乱軍に參加している貴族はそう多くない。大半がその武力に脅された形での降伏であった。
ニアにそれだけの人望があるなどととても思えないからだ。
フランベルジュ正統の皇女であるイシュタルを旗頭に据えれば、義勇兵も多く集まるだろう。次期皇帝であるイシュタルとならば交渉してもよいというアナトリアとの外交も期待できるし、商人からの武器防具の融通も皇族が責任者だと楽になる。
国家には強くなろうという膨張欲が必ず存在する。
獣人や魔人はその傾向が遥かに多種族より大きい。
フランベルジュを緩衝地帯として安穏としている純人族の国家が、このまま黙って放置しているとはとても思えなかった。
今までは一公爵であるに過ぎないタイラントでは責任者として不適格ではないかと疑われていた。
だが、イシュタルとならば、倭国とだって十分交渉できる。
会議室に集まる官僚たちからは喝采の声が上がった。
「では、速やかに殿下をお迎えせねば」
「魔界の竜の方々も一緒なのだろう? 失礼のないようにな」
「護衛は飛竜騎士団にお任せを。イシュタル殿下の騎竜も連れていきましょう。きっとお喜びになる」
「おお、それは良い考えだ」
にわかに会議室の空気が華やいできた。
エリスの気分も明るくなる。幼い頃からイシュタルは落ち着きが無く無鉄砲だったが、それでも愛嬌があり、民や兵に好かれる妙なカリスマを持っていた。
イシュタルならばなんとかしてくれる。
彼女ならこの地を拠点に一大勢力を築き上げ、ニアの首を討ち取ってくれる。
漠然としたものだが、皆明るい希望に胸を満たしていた。
だが、ここにきて、天界からの使者であるウィル・ケレースが釘をさす。
「失礼ですが、貴卿らはイシュタル様を買いかぶりすぎではないかな? あの女にそこまでの力はありますまい」
「ケレース殿……、イシュタル殿下に対してその仰られようはっ」
「おお。確かあなたは殿下の幼馴染でしたな、エリス様。あなたこそ、もっと冷静になっていただきたい。フランベルジュの血筋と言っても、宝剣が抜けぬのでは話になりません。法により神剣フランベルジュを鞘から抜ける者のみを王族として認めると記されております。例え皇族だとてこの法を破るわけには参りますまい」
このウィル・ケレースという純人族の太った男は、下級天使でありフランベルジュ皇国の枢機卿でもあった人物だ。
数カ月前からタイラント領に監視という役目で赴任してきた。
下級とは言っても天使というだけで、アトランティス大陸では一目置かれる。
なにせ天使とは誰でも成れるわけではなく、死ぬほど厳しい武芸の修行と勉学に励まねばならないのだ。さらに天界でも厳しい修練が待っており、神に絶対の忠誠を誓う戦士に鍛え上げられる。こうしてやっと下級天使に任じられ、地上監視の役目に就くのだ。しかし、このケレースという男は、地上に下りるや権力と金の亡者となり、暴飲暴食女遊びに日々夢中になった。若い頃の修行で溜め込んだ鬱憤を晴らすかのように極めて刹那的になったのだ。今では天使などと言っても、ただの太った中年のおっさんである。
「もう何万年も前の法でしょう。イシュタルは亡きギルフォード陛下の一人娘。皇位継承権は彼女にのみ存在します。今更イシュタルの力を疑ってどうなるというのです!」
「違いますな、エリス様。天界の法は古かろうが絶対なのです。神はイシュタル様のみを皇位の対象に選んでいるわけではありません。宝剣を抜ける者にこそフランベルジュの姓を与え、王権を与えたのです。そこらへんを皆誤解されている。試しにエリス様が試してみてはいかがですかな? 神に忠実なあなた様ならもしかしたら新しき皇帝として君臨できるかもしれませぬぞ」
「私に皇位を簒奪せよとおっしゃられるのか!」
国の名前であるフランベルジュの名を冠する剣が、ここタイラント領の宝物庫に存在していた。
エリスの父、トラファルガーが、ギルフォード陛下崩御の際、イシュタルが成人するまで隠し持つよう託されたのだ。
「言っていいことと悪いことがあるでしょう。いつから天使は人間界の皇位継承にまで口を出すようになったのです」
「ほほほほほ。冗談ですよ、冗談。ただわたしの今言ったことは全て真実です。我こそは、という者は試してみればよろしかろう」
どうやらケレースはイシュタルを相当嫌っているようだった。
というより、彼は竜人が嫌いなのか。蔑んでいるのか。
エリスに対してはその好色な視線を隠そうともせず、他の竜人の男性にはまるでゴミを見るかの目で接する。
「さらにイシュタル様は重大な罪を犯してらっしゃる」
「罪?」
「ええ。竜を召喚するという大罪です」
心底おぞましいというように、ケレースは身震いした。
「イシュタル様は竜を二匹も連れているそうですな。知っておいででしょうが、竜こそ悪の権化ですぞ。十万年前人間界を征服し焼き払った後、あまつさえ大神ウルにその牙を向けた劣等種。そう、竜は劣等種なのです! 奴らがいるせいで―――」
「……っもうよいでしょう。今はそのようなことを言っている時ではありません」
エリスの眉に皺ができる。普段穏やかに笑っている彼女だが、ここまで竜を馬鹿にされて平気な竜人はいない。
同じくクロムウェルら武人たちも目が怒りに染まっており、武器に手をかけている者までいた。
本当ならエリスもさっさとこの愚物をタイラント領から追放してしまいたかった。イシュタルは幼い頃から聖天教が大嫌いだった。その皇女がケレースのような男と会えば必ず衝突してしまうであろうから。
「では、あと一言だけ言わせてもらいましょう。戦女神リューネは竜共々イシュタル様を神前裁判にかけられるおつもりです。この戦争で竜の力を借りようなどと愚かな考えは早めに捨てることですな」
「な、なんですって!」
周囲にどよめきが走った。
神前裁判―――文字通り神の前で行う終審裁判のことである。
数百もの上級天使に囲まれた異空間で行われる裁判で、被告人は絶対に逃げられないよう結界を張られる。上級天使とは神より創造された生まれながらの神兵だ。その力は下級天使数百人分に相当する。
もしもその裁判で有罪が確定してしまえば、その異空間ごと真っ二つにされて二度と地上には戻れないという仕組みだ。
戦女神はイシュタルを裁くつもりなのか!
「竜召喚は非常時でのこと。情状酌量の余地があって良いはずです!」
「さようじゃ。もしも姫に剣を向けるようならば、貴様とてただではすまぬぞ」
エリスの言葉にクロムウェルが頷いた。
竜人最強の称号『ドラグーン』は伊達じゃない。
「ひっ」
双剣が一瞬で鞘から抜き放たれ、ケレースの首に二本の刃があてられた。
無様にも悲鳴をあげる下級天使。
「わ、わたしにこのような無礼を働いて、い、いいとでも思っているのか。リューネ様に告げ口するぞ、告げ口」
「ふんっ、小物じゃなぁ。戦女神に頼らなければ何もできないクズが」
「わ、わたしを馬鹿にするか! この天使であるわたしを!」
「天使がなんぼのもんじゃい。神の力を借りんと何もできないのであろう」
クロムウェルがにやりと、不敵に笑ってみせた。
周りの武官たちも己の剣を抜き放ち、容赦なくケレースに対してその刃を向けている。
竜人は信仰心が薄い。
逆に魔界の竜に対する信仰の方が強いくらいだ。
自然、ケレースのような愚劣な天使に対して、ひどく好戦的になってしまっていた。
「惜しいのう。若い頃のわしであったならば、今の戦女神だとて討ちとってやれたはずなのにのぅ」
「な、何を言っておるのだ。リューネ様を討ち取る? ふ、ふはははは! 不敬にもほどがあるぞ、竜人。貴様のようなゴミがリューネ様に勝てるなどと思い上がりを!」
「では、試してみるかのぅ」
老人の瞳が酷薄にきらめいた。
クロムウェルの刃がケレースの喉笛を切り裂こうとする。エリスが止める間もない。
その一瞬前に、「ちょっと待ってください」とアベルが声をかけた。
「アベル?」
「お嬢様。この場は俺におまかせを……」
今まで黙って皆の問答を聞いていたエルフの学者が、ここへきて初めて口を出したのだ。
「なんじゃい? わしは今猛烈に腹がたっておる。こいつを八つ裂きにせんかぎりおさまらんわい」
「そうです。イシュタル様を侮辱されたのです。このまま黙って天界に返してたまるものか!」
「そうだ!」
「この豚を殺せ!」
クロムウェルの怒声に続き、一般の将兵からもそれに賛同の意見があがる。
よほどケレースへの殺意が高まっているようだった。
アベルはこれまた大きなため息をはいて、クロムウェルに剣を引くよう指示する。
「やれやれ。これだから竜人は他国から傲慢だとか短気だとか言われるんですよ。それなりに長命な種なんですからもっと落ち着きましょうよ」
「ガハハハハ! エルフに長命だ、などと言われても説得力がないわい。二千年ちかくも生きる怪物種族であろうに」
「一万年生きる竜には負けますよ」
「じゃがのう。わしらがこのまま見逃しても、きっとこやつは姫様を殺すため動くに決まっておるわ。ここで始末しておく方がいいと思うんじゃがなぁ」
「馬鹿言わないでください。天界とのいざこざなんて避けられるなら避けましょう」
「避けられるのかいな?」
クロムウェルが不思議そうな顔で尋ねた。
エリスも同じ気持ちだ。きっとこの下級天使は戦女神にここで起きた仔細な出来事を大げさに吹聴し、イシュタルを裁くよう進言するであろう。
それならば、殺すにやむなしという決断を下そうというところであったのだ。
天使を殺した罪はエリス一人が償えば済む話なのだから。
「下級天使殿。神は愛の心を大切になさると聞きますが、本当でしょうか?」
アベルの質問は唐突であり、あまりに漠然としていて意味がわからなかった。
愛?
一体何を言っているのだろうか。
「ほ、本当だが。それがどうしたというのだ?」
エリスと同じくケレースは戸惑ながら答えた。
さらにアベルは質問を続ける。
「愛しあう男女は引き裂かれてはならない。それは大神ウルの教えです。三万年前。他種族同士の結婚が許されない時代のこと。純人族の男と獣人族の女との恋が戦女神によって裁かれたと聞きます。二人はリューネの剣によって消滅し、魂ごと処分されたとか。後にこの悲しい恋物語を聞いたウルは涙し、二人の恋人を再生した。そしてウルは二度と戦女神に他人の恋愛に勝手な手出しをすることを禁じたという。この説話、間違っておりますかな?」
「い、いや。その通りだとも……」
天使であるケレースがぽかーんとその話を聞いていた。
長年溜め込んだアベルの知識はかなりのもので、色々な伝説や説話を知っている。
知らずエリス他、クロムウェルらもアベルの話に引き込まれていた。
「他人の恋愛に口出しするな。これ当たり前のことですが、いいこと言いますよね、ウルも」
「……そこのエルフ。貴様、何が言いたいのだ?」
「いえ。つまりね―――」
ここでいったん、アベルは話を区切った。
そしてその美しい女と見紛うような顔を曇らせて、ケレースを悲しそうな瞳で見る。
大した千両役者だった。
「―――イシュタル殿下と竜が恋仲なのに、それをあなた方はまた勝手に切り離すのかな、っと思いまして」
「ナ……馬鹿なっ」
「なんですって!」
「なんじゃと! 姫様がっ」
その言葉はケレース以外にも、エリスにまで驚愕を与えた。さらにクロムウェルまでもが仰天して知らず剣の一本を地面に落としてしまっていた。
確かに竜が好色であり、イシュタルに迫っているようなことを聞いた覚えがあった。
だが報告ではイシュタルにその気はなく、竜とは子供のおふざけのような関係だと続きに書かれていた。
なのに、これはどういうことだろう。
(え? え? イシュタルが竜の男性と恋? では、この旅の間に、あの娘はもう、大人の階段を……!? でも竜は男と女の二人が召還されたはず。まさか、三角関係!)
エリスの目が白黒し、愕然とする。
イシュタルとは幼馴染であり、自分としては彼女の姉のような存在だと思っている。
妹が姉より先に彼氏を作っていて、だがその彼氏は魔界の王子様だったって感じ。それはなんという御伽話であろう?
エリスも公爵家の令嬢であり、社交界で男性がよく妾を作っているのを知っているので、別に竜が二股をかけていることにはつっこまない。
だが、イシュタルの幸せを考えた結果、本当に相手が竜でいいのか。
極度の混乱に陥ってしまうエリスだった。
「イシュ、イシュタルが、……そんな。まさかねぇ。あの娘はまだ十七で、男性の話よりも私の作ったハンバーグが大好きなお子様だったはず……」
「お嬢様、落ち着いてください。ああっ、気絶しないでっ。誰か! 薬師を! 薬師を呼べ!」
「だ、大丈夫よ、アベル。全部わかってるから……」
エリスは倒れそうになるのをこらえて、こめかみをおさえた。
もう竜に対して怒っていいのか、嫉妬していいのか、喜んでいいのかわからない。
ひょっとしたらこの知恵者のアベルのことだ。天使を騙すためにブラフ(うそ)を言っただけなのかも知れない。
どうせもうすぐイシュタルはこちらへ到着するのだ。
その時に真実をはっきりさせればすむ話である。
「おおぅ! わしが手塩にかけて育てた(剣技を)姫様がっ! なんということじゃぁ! おのれぇ、竜め! 今一度わしは竜殺しの汚名を着ようぞ!」
「こら、クソ爺。少し黙りなさい」
アベルひどい。
エリスへの接し方とまるで違う。
「クソ爺とはなんじゃい! 歳はお前さんの方が上じゃろうが!」
「ふっ。エルフは老化しないんです。俺は永遠にこの若さと美貌を保つことができるんですよ」
「このナルシストのロリコンが……」
「ああ? 何か言ったか爺ぃ!!」
「ガハハハハ! おぬし、いつも枕元にエリス殿がまだ幼かった頃の魔法映像を並べて……」
「ガー、それ以上言うな! どうして俺の趣味を知っている! まさか、俺の部屋に入ったな!?」
「たまたま扉が開いておったのでちらっと覗いたまでよ。いい趣味をしておるなぁ、アベル殿ぉ」
いい笑顔で親指を上げるクロムウェル。
老獪なエルフの弱みを握れたことがそんなに嬉しいのか。
まるで小躍りしそうな勢いだった。
「アベル……、私の子供の頃の映像ってところは、後で詳しく聞かせてもらいます。ですが、今は話の続きをお願い」
「ぐはっ、お嬢様。わ、わかりました……」
アベルはORZの格好で、目には見えない涙を流す。
反対にクロムウェルは「やーいやーい(^Д^) 9m 」と馬鹿笑い。
もう嫌、この老人たち。
「えー、ごほん。例え魔界の竜族と人間界の竜人との異世界カップルの仲だとしても、そこに恋愛という感情があることには変わりありません。その二人を戦女神の型通りの裁判で裁いてしまって、本当によいのでしょうか? もう一度きっちり上級天使の方々とも話しあって決めたほうがいいと思いますよ」
「そ、そこのエルフ、アベルとか言ったな。イシュタルが竜を召還してまだ一月も経っておらぬではないか。そんなもの愛ばかりか、恋とも呼ばぬわ!」
「恋愛を時間で考えているのが間違いなんですよ。一瞬で恋に堕ちる場合だってあるじゃないですか」
ケレースは顔を真っ赤にして怒る。
どうにかしてイシュタルら竜を裁きたいように見える。
思えば竜人が生まれたきっかけが竜と人間との交わりからだった。聖天教の教えでは竜人は神の意図せぬ突然変異種のようなもの。竜と竜人が交わって、また新たな種が誕生でもすれば、今度こそ神の箱庭が壊れてしまう。ケレースが反対するのも無理はなかった。
「許さん許さん許さん、許さんぞ! このケレース、さっそくリューネ様に報告させていただく」
「どうぞ、お好きに。大神ウルの力が衰えた今、その眷属である戦女神がどれほど戦えるのか。学者として興味がありますからね」
「ま、まさか。貴様は竜が神に勝てるとでも思っておるのか?」
「さぁ? 興味本位で言ったまでですよ。俺みたいなエルフは皆平和主義者なんで、できれば戦わずにすめばいいなって思ってますが」
「っ!? どこまでも神威を馬鹿にしおって。タイラント卿、後で後悔しても知りませぬからな!」
そうエリスに吐き捨てて、ケレースは光の球体になると、あっという間に天高く飛び立っていった。
恐らく戦女神をこの地へ誘うつもりなのだろう。
もしもの時はイシュタルを守って神に戦を挑む時が来るかも知れない。
リューネは竜百体でやっと互角くらいの力を持つらしい。しかも断争の剣を抜けば向かうところ敵なしの最強神である。
絶望的な戦いになりそうだった。
だが、余裕そうな人間が二人いた。
「そこまで心配することありませんよ、エリスお嬢様」
「そうじゃよ、エリス殿。なんとかなるわい、ガハハハハ!」
「アベル、クルムウェル卿。どうしてあなた達は平気なの?」
「ここだけの話、俺は長い一生の中、戦女神とは何回も会ってるんですよ」
「え? じゃあ、リューネ様と友達なの」
エリスは希望を込めてアベルを見た。
友人のような関係なら、色々と便宜を図ってもらえるかもしれない。
「まさか。向こうは俺のことなんか覚えてもいないでしょう。ただこっちとしてはその性格も含めて、あの女の馬鹿さ加減は忘れようがないほど強烈なものでしたがね」
「あの女……馬鹿、って! め、女神様に対して、そんな言い方は……」
「事実なんだからしょうがないでしょう。戦女神リューネ、その戦闘力は存在最強と言ってもいいですけど、頭の方は最弱です。あの人を疑うことを知らない純真さを逆手にとれば、いくらでも勝つ方法はあります。まあ、そこらへんは竜に頑張ってもらいましょうか」
性格の悪そうな顔をさらにどす黒い笑顔で染めながら、アベルは呟いた。
「じゃが、まずは……。姫様を誑かした竜めをなんとかせねばなぁ! ガハハハハ! 血沸き肉踊るわ!」
「私、クロムウェル卿はただ強い人と戦いたいだけのような気がしてきました」
「う、むぅ。ばれちゃぁしょうがない。……わしは竜とも戦女神とも一度真剣に戦ってみたかったんじゃ!」
豪快に言い放つ上半身裸の老人。
剣を構えて、本気で戦いたがっているようだった。
「開き直らないでください! もう……竜の方々にいきなり無礼な行動はしないでくださいね」
エリスの心配をよそに、アベルがまた挑発するようなことを言う。
「この脳筋爺には無理な話ですよ、お嬢様」
「なんじゃとっ」
「なんですか」
取っ組み合いになる二人。
「もう、喧嘩しないでっ」
放置すれば殴り合いにまで発展しそうな男達の口喧嘩。
仲裁に入るエリスの苦労は生半可なものではない。
将十人に兵が二千人。新たに到着する義勇兵や、補充の兵卒を合わせたらもっと多くなる。
さらにこれから竜がここに来る。
これ以上はエリスの身がもちそうになかった。
(お願い、イシュタル。なんとかして)
この問題ばかりの軍勢の指揮官。
ちょっとイシュタルでは頼りなく、心配だが、皇女であるそのカリスマに賭けてみるしか、もう道はなかった。
ニアの送り出すタイラント討伐隊が近づいてきているとの情報もある。
戦の時が近づいていた。
風邪ひいた。
鼻水じゅるじゅる気持ち悪いよぉ。
今俺クレしんのぼーちゃんみたいになってるw
この小説家になろうというサイトを知って、もう早二ヶ月が経ちます。
文学部の友達は、「小説とは点と点をつなぐ面であり、さらにその面を繋げるための点を白紙に刻みつける行為である」なんて格好つけて言ってます。
なんとなくわかるが、もっと噛み砕いた言い方をなぜできんのか。
俺としては文章というものは難しいものを難しく書くだけなら大して偉いとは思いません。難しいことを易しく単純に言えてこそ、その人は本当に物事を理解し、自分のものにしていると言えるのではないでしょうか。
まあ、こんな話はおいといて……。
人物紹介
リューネ・ガルメシェディ(戦女神)
種族 神
年齢 知らない。数えたことない。十万年前にはもう存在していた。
身長 160cm
体重 48kg
BWH 84 57 87
レベル 498 竜になったサイファーよりも現時点ではかなり強いです。サイファーの親父で互角くらい。
ま、断争の剣抜かれたら一撃で終了ですがね。
本当どうしようw このチートキャラw
いや、可愛い女神様なんですけどね。
勧善懲悪大好き、正義の味方。悪は滅びろ、ぶっ殺せ! なリューネちゃん。
頭が弱く、人を疑うということをしりません。
逆に思い込んだら一直線、敵は手にもつ剣で真っ二つです。断争の剣持っている限り無敵に近い。勝とうとするならまずは罠にはめるか、騙すかするかしかないです。
まじチートキャラ。
エリス・タイラント
種族 竜人
年齢 十八
身長 158cm
体重 47kg
BWH 79 56 82
レベル 30 弓の天才 騎竜に乗っての射撃は恐るべき威力。
金髪ポニーテイルキター 三ミ( ゜∀゜)彡三彡三⊃
実は俺、ポニーテイル萌だったんだw
エリスお嬢様は俺も大好きなキャラです。ああ、早く主人公であるサイファーと絡ませたい。あ、もちろん健全な意味での絡みだよw
タイラント領の若き領主。
亡き父トラファルガーさんの思いを胸に、親友であるイシュタルを助けます。忠義の女騎士ですね。かっくいぃー。
気弱な性格で本来なら戦争なんて怖くてたまらない彼女ですが、そこは頑張ってイシュタルのため健気に弓を引いてます。
おっぱいが小さいことが少しコンプレックスらしいです。