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第二章 B‐2

今回少し短め。

会話が多めです。

っていうか前書きって何を書いていいかわかんないw

後書きとかならよくラノベで見てるけど、前書きって何w?

この物語はフィクションです。ってやつかなぁ?



「はぁはぁ、やったわ。生きて辿りつけた」


「だー、やっとかよ……」


 サイファーは返り血と埃で汚れた服を手で払った。裾のあちこちに葉っぱがついている。

 自慢の一張羅がもうボロボロである。


「さすがに……疲れましたね」


 白い顔をさらに青白くして目がうつろなリリィ。

 綺麗好きなな彼女には、この粗末な旅が許せないのだろう。

 

 ―――タイラント領。

 イシュタルの親友であるエリス・タイラントが治める、フランベルジュ東端の土地である。

 古くから純人族の国である倭国やアナトリアとの貿易で栄えており、交通の要所となっている。

 しかしその一方で獣人の国ディレイニアから近く、また魔物が多く出没する無法地帯グルティア平原とも接しており、国防上かなり重要な役割を任されていた。

 これより千年ほど前、時の皇帝カルマの弟、リノスが公爵家として受け継いだのがこの土地であった。

 地竜タイタンの名からフランベルジュ語に現代語訳してタイラント。

 エリス・タイラントは地竜に連なる系譜を誇る、ニア・ローベルと並ぶフランベルジュ帝国五代貴族のうちの一人であった。

 その兵力は今落ち込んでいるが、領内には未だ士気の落ちない重甲竜騎兵が千はおり、各地から援軍が少しずつだが集まりつつあると言う。

 イシュタルにとって、この地は最後の砦なのだろう。

 まあ、人間界観光ついでの暇つぶしに付き合ってやってるサイファーには、あまり関心のない話だったが。


 山道を抜け、そのタイラント領についたのは、結局帝都脱出から六日後の朝になった。あれから数日間、ずっと追っ手の襲撃を受け続け、今では皆疲労困憊になっていた。

 サイファーたちは小さな農村の麦畑に囲まれた田舎道を歩いていく。人里離れた山村のようで、どうやらここまでは反乱軍の手が回っていないようだった。

 天は高く晴れ渡り、陽光が麦穂を金色に染めている。村のあちこちの小屋の横に水車小屋があって、ごとんごとんと川の流れに従って動いていた。

 村の中央には大きな吊橋があり、その渡る途中で北の方を見ると、タイラント家の屋敷が遥かかなたに見えた。

 

「やっとここまで来れたわね」


 イシュタルが感慨深げにしみじみと呟いた。

 これから関所に向かうのだが、恐らくもうタイラント家には、サイファーたち一向が到着したことを伝える早馬がついている頃だろう。

 来る途中、タイラント家の家紋のついた飛竜が、サイファーたちを発見したのか、大急ぎで飛び去っていったのだ。

 サイファーからすれば、そのワイバーンでさっさとタイラント公爵邸に連れて行って欲しかった。

 金が底をついて何も買えないし。

 腹減ったし。

 喉渇いたし。

 もうそろそろ我慢の限界にきている。

 なによりこんなフラストレーションのたまる事態だというのに、竜に変身できない自分に対して苛々していた。


「まさか変身できないことがこれほど不便だとは……」


「魔界では歩いて旅なんて考えられませんでしたからね。せめて馬車か竜車でも欲しいところですが……」


 リリィがきっとイシュタルを睨みつける。

 イシュタルはひるんだように、目をそらした。


「し、仕方ないじゃない。……お金持ってきてないんだもの」


「はぁ? それでも皇女ですか。金もない。力もない。あるのは乳だけですか?」


「そのセクハラ発言やめなさいよ、いい加減。乳、乳って。嫉妬してるってバレバレなのよ」


「し、し、し、嫉妬なんてしてません。私がしてるのは豊胸マッサージくらいなものです」


「めちゃくちゃ意識してるじゃない!」


「男は少しくらい嫉妬深い女の方が良いのです。今、サイファー様のハートはキュンとしてます」


「そうなの?」


 なぜここで話を振る?

 サイファーはこれまでの旅、嫌と言うほど女の戦いに巻き込まれている。

 このイシュタルの質問に対して間違った応答をすれば、また女二人にフルボッコにされることは予想できた。

 ここは雷竜王子の名にかけて、うまくこの修羅場を乗り越えなくては。


 そう!

 

 ここで、女の子二人の機嫌を直し、なおかつ高感度が上がる答え。


 それは!


「嫉妬するリリィも可愛いけど、おっぱいが大きなイシュタルも俺は好きだぜ」


「セクハラ禁止だって言ったでしょ! っていうか、あなたがわたしの褒めるところって乳だけなの!?」


「ぐふぅ」


 頬を拳で殴られた。

 どうやら失敗したらしい。女心は難しいな。


「そうやってトゲトゲしいお前も嫌いじゃないけど、俺が一番好きなのはお前の笑った顔なんだけどな」


「~~~っ。な、何言ってるのよ、馬鹿」


 イシュタルの顔が緩んで、赤くなる。

 なぜか率直に思ったことを伝えたら、高感度がアップしたようだった。

 これでイシュタルの機嫌は良くなっただろう。

 サイファーは一安心と、安堵した。

 だが。


「相変わらずの天然ジゴロですか。私が魔界にいる間、サイファー様がそうやって堕としてくる女を、どうやって排除してきたか。……逐一お聞かせしましょうか?」


「い、いや。いい。聞きたくない聞きたくない。聞いたら後戻りできなくなりそうだ。あー、そんなことより麦畑って綺麗なものだなー。魔界でも栽培できないかなぁ?」


 慌てて話題を変更するサイファー。

 敵と戦うよりもよっぽどこっちのほうが神経と体力を消費する。


「む。逃げましたね、サイファー様」


 早足で歩き出したサイファーの後をリリィが駆け足で追ってくる。

 イシュタルは「わたしの笑顔が一番好き……えへへ」と、なんだかニヤケながらゆっくり歩いてきていた。

 関所までの道は木造の住宅が多かった。山の天辺に物見台と、煉瓦の塔があるくらいで、後は全て木の建築物だ。

 両側に水路を挟んだ道の端に露店があり、栽培した野菜やら卵などが売られていた。鍬を手に持った老婆が販売しており、田舎らしい実にのどかな光景だった。

 関所が近くなると道路が舗装されていく。田舎から一変、町になったみたいな印象を受けた。

 狭い石畳の通りにそって、様々な店屋が姿を現す。

 刃物店、防具店、精肉店、洋品店、食堂などだ。

 中には加工品も売られていて、蜂蜜漬けの林檎や、砂糖菓子、ジャムが塗られたパンなどがおいしそうな匂いを放っている。


「おい、イシュタル。関所へ行く前に腹ごしらえしないか?」


「でもお金ないし……」

 

 イシュタルもお腹は減っているらしく、ひもじそうに売り物を眺めている。

 逃亡中そうたくさん資金を持てるはずがなく、必然的に旅先で路銀が尽きることになってしまった。


「ああっ、こんなことならもっと城からお金持ってくればよかったわ。でも税金だし……反乱中だし……」


「仕方ないな。ほら、これでなんか買ってこい」


 サイファーは胸ポケットから、魔界産の綺麗に光る小石を取り出した。実はこれ魔界の通貨代わりのもので、値段は1ギザ(魔界で貴重な水が一リットル手に入る)くらいのものだ。人間界で役に立つかどうかわからないけど、珍しいものなら売れるだろう。

 魔界は人間界と違って、食糧が全く取れないが、良質の鉱物がよく取れるのだ。そりゃもうざっくざくに。

 なにせ地面を少し掘っただけで鉄やら銅やら鉛やらがわんさか出てくる。知恵ある魔物はその金属を使って城塞を補強したり、武器を作ったりして自衛しているわけだが、人間界にはどうやらあまり金属がないらしい。

 露店にある武器を少し見ればそれくらいわかる。

 一般的な剣は粗雑な鉄剣が使われており、酸化したままの錆びたものまで武器屋で売られている。

 鉄を合金したり、煮溶かしたりする技術は発見されているようだが、魔界の技術に比べれば実に幼稚で杜撰ずさんだった。 


「え? なにこれ……、まさか!」


 イシュタルがその鉱石を眺めてすぐ、サイファーが驚くくらいの勢いで大声をあげた。


「こ、こ、こ、これって! ダイヤモンドじゃない!」

  

「ダイヤモンド? ほう。人間界ではそう呼ぶのか。魔界ではガッドティアラと言って、ガッドという丸い岩のようなモンスターの腹の中にたくさん詰まっているものだ。別にそこまで言うほど稀少価値は高くないんだが―――」


「何言ってるのよ! これ人間界で売ったら家が買えるわよ! 庭付きのね!」


「はぁ? からかってるだろ、お前」


「あー、もう! 魔界と人間界のカルチャーショックでわたしは頭の中がぐちゃぐちゃになりそうよ」

 

 イシュタルはせっかく綺麗に整えている真っ赤な髪を、ワシャワシャと掻きむしっている。

 実に下品でお姫様らしくないが、それだけショックだったらしい。


「じゃあ、これはいくらになるんですか? 魔界でもかなり高級な鉱石ですよ」


 と、横からリリィが紫金石の欠片を取り出した。


「おっ、よくそんなもん人間界に持ってきたな」

 

「サイファー様の金庫からちょっとくすねてきました」


「それは泥棒と言うんだよ、リリィ」


「知ってます」


 リリアナは難なく言い放った。

 紫金石。

 それは淡く紫色の魔力を纏い、日に当てずとも黄金に光る魔界でも珍しい石だ。

 紫金石とは魔界でいうところの最上通貨単位の石である。

 この欠片一つで十年間分の生活費だ。

 しかし、イシュタルの反応は芳しくなかった。まるで壊れたかのように乾いた笑いを浮かべている。


「それって……オリハルコン? まさかねぇ、アハハハハ。ありえないわよ。五千万ノーブルくらいするわよそれ」

 

「ふむ。価値が低いのですか」


「国家予算並の金額よ!」


「では、これは?」 


 今度は黒っぽい一見炭のようだが、先程のダイヤのような輝きを放っている。

 魔界ではゴクエンと呼ばれる、よく山を掘ると出てくる石だ。

 鉄に織り込んだり、武器として重宝される固い鉱石である。結構高額な通貨としても用いられていられ、価値は紫金石のほぼ三分の一。


「それはダマスカス……、伝説上の鉱物のオンパレードじゃない。……ふ、ふふふふ、魔界ってどこにあるんだっけ? 掘れば簡単に出てくるんでしょ。わたしを魔界に連れていきなさいよ! これでフランベルジュの国債はゼロよ! アハハハハハハ!」 


「い、イシュタルが壊れたぞ。なんとかしろ、リリィ」


「い、いえ。私もなんだか怖いです。近寄りたくありません」


「そうよ。サイファー。あなた魔界の王子なのよね。貿易しましょう、貿易っ! 魔界で採れた鉱物は全部フランベルジュで買い取るわ。ついでに友好条約なんかも結んで、竜と同盟を組むのよ。ムフフフフ、これで一挙に大儲け。フランベルジュも安泰。わたしって天才! 今、あなたたちを召喚して心から良かったって思ってるわ!」


「馬鹿。天界が許さんっての。いいから落ち着け」


「天界がなんぼのもんよ! あなたたちを召喚した時点でもうわたしは脱法者よ! そんなことよりフレンベルジュの発展の方が大事なのよ!」


「実に竜らしい傲慢な意見だな。ますますお前のことが気に入った。だが―――」


 天界は竜と人間界との交流を一切禁じているはず。

 それが十万年前できた法律であったとしても、神の決めたことはこの世界では絶対である。逆らえば戦女神による粛清が待っている。


「―――イシュタルは神が怖くないのか?」


 思い切って聞いてみた。

 ここらへんで人間界と天界についての関係について聞いてみたかったのだ。

 そしてフランベルジュの次期女帝であるイシュタルがどういう風な思想を持っているのかを。


「わたしは神になんて祈らないわ。だって、ウルの教えによれば竜は悪であり、竜から生まれた混血であるわたしたちだって悪になってるもの。数億年前からアトランティス大陸を守護してるかなんだか知らないけど、人間界のことは人間界で決めるわ。神だか何だかわけの分からない奴がしゃしゃり出てこないで欲しいのよ」


「ほう、言うなぁ。その思想は実に魔界学的だな。気に入ったぞ」


 サイファーは本気で関心した。

 

 ―――人間界を征服し、神を滅ぼす。そして竜が三界統一を成し遂げるのだ。

 

 それは今から三万年前のこと。雷竜がまだ弱く、魔界を黒竜が支配していた時に流行った思想だ。

 しかし、結果は無残なものであった。

 馬鹿な急進派の竜が血気に駆られて天界に突撃し、皆殺しにされたのだ。

 それ以来魔界でも神に反逆しようなどと言う竜は滅多に現れなくなった。いても変人呼ばわりされて袋叩きにあった。

 しかし、サイファーは実は天界不要論派であり、人間界と魔界を再び交わらせ、より自由な世界にすればいいと思っていた。

 このあたりまだ恐れ知らずの若輩竜であるのだが、サイファーには成長すればそれを実現できるほどの力を手に入れられるという自信があった。

 

「わたしは神の支配は不要だと思っているわ。人間は操り人形じゃない。いつまでも箱庭で生活したいなんて思わないわ。……こんなこと言ったら、教会の連中に総スカンくらいそうだけどね」


 イシュタルが嫌な顔をして呟いた。

 教会にいやな思い出あるそうだ。

 

「人間界では神の下僕たる天使たちが組織する聖堂天上教会―――えっと、略して聖天教が事実上トップよ。この超国家機関がいつも大事なことを勝手に決めて、人間界の国々はその法に従っているわ」 


「ふんっ、箱庭の中の楽園である人間界か。自由の約束された地獄である魔界とどっちが幸せなのやら」


「わたしは魔界が羨ましいわね」


「なぜだ? 太陽が出ないくせに昼は灼熱、夜は極寒。日々一族を率いての殺し合いの毎日だぞ」


「だって神にいちいち指図されずに、好きなことを自分の力で成し遂げられるじゃない? この世界はずっとこのまま。……わたしたちは成長を止められているもの」


 サイファ―は冷笑しながら、イシュタルの説明を聞いていた。

 リリアナは無関心。こういった政治や宗教などの思想論は興味ないのだ。

 竜は武力で何事も解決する。

 善か悪かは強者が決めるもの。

 こういったことに興味が持てるサイファ―が竜の中では異質なのだ。


「ふむふむ。成長か……。長く生きる竜があまり考えない概念だな。魔界にはない人間界だけの優れた思想や文化が息づいている」


「ふふふ。少しは人間ってものがわかった?」


「ああ。まだ勉強途中だが。ただ無知蒙昧な弱小種族ってわけではないらしいな」


「って、あなた人間のこと、そんなふうに思ってたの!?」


「仕方ないだろう。魔界の蔵書には全て、『人間とは竜の家畜のようなものだ』と書いてあったからな」


「なにそれ。信じられない!」


「ああ。今思えば非道いものだったぞ。人間なんて好きなように犯していいし、殺していいって感じで載ってたしな」


 イシュタルがあんぐり口を開ける。

 どうやら自分がどれほど恐ろしい種族を召喚したのか思い知ったらしい。

 なぜならサイファーがもっと野心的で凶暴だったら、召喚されてすぐにフランベルジュの国など焼き払って、世界征服を目指したかもしれないのだ。

    

「じゃ、じゃあ、今はわたしのことも、ちゃんと認めてくれているのよね?」


「うーん、最初は家畜かペットのように思っていたが、今では奴隷かメイドくらいにレベルアップしているぞ」 


「レベルアップしてそれ!? 屈辱だわ!」


「わかった。じゃあ、メイドで」


「一国の姫としての扱いを要求するわ!」


 イシュタルが胸を張って、鼻を高くする。

 「む、胸を強調するな。揉みたくなるだろう」とサイファ―が目を逸らしながら赤くなると、「変態竜!」と、なぜかまた殴られた。

 

「~っ、殴りすぎなんだよ、この暴力女。こ、ここは、ちょっと教育してやらねばならないな。得にそのワガママおっぱいを念入りに!」


「ちょっと、何その手は! ワキワキしないで! やらしいのよ、あなた! きゃっ、本当に揉むとか信じられないっ!」


「ははははは! 俺は口で聞かないのなら手を出すタイプなのだ!」


「いやぁぁぁぁ! 強姦されるっ」


 あれ? おかしい。

 イシュタルの胸を揉みながら、ふと異変に気づいた。

 こんなエロいシチュエーションに、あのリリィが絡んでこないのはおかしい。

 そう思って、あたりを見回すと。

 リリィが蜂蜜林檎を串で刺して、それをうまそうにほうばりながら、武具商店へ入っていこうとしていた。


(あいつ、主人の俺を放っておいて、食い物に走るか普通……)


 サイファ―は呆れながら苦笑いを浮かべた。


「いつまで揉んでるのよ、馬鹿サイファ―!!」


「ぐベらっ!」

 

 少し調子に乗りすぎたようだ。

 イシュタルは涙を浮かべて、自分の体を隠すようにして睨んでいる。


「変態変態変態変態変態!」


「悪かったよ。だから殴るなって!」


 一方リリィの方は。


「そこの人間、この鉱石とあの武器と交換しなさい。もちろんお釣りも払いなさい、今すぐに」


「は、はい? こ、この鉱石は!?」


「何をぐずぐずしているのです。できるのですか、できないのですか?」


「しょ、少々お待ち下さいまし!」


 彼女が得意な双剣を品定めした後、店主になにやら掛け合っている。

 どうやら魔界の鉱石と物々交換しているらしい。

 

「おい、リリィ、あんまり脅してやるなよ」


「ああ、これはこれはサイファー様。イシュタルとイチャイチャできて良かったですね」


 バレてる!?

 ああ、顔が怖いよ、リリィ。

 擬人化が解けて、翼と角が出てるし、かなり怒っていらっしゃる。

 実にわかりやすく怒ってらっしゃるよ。


「おっ、俺も武器買い揃えようかな。しばらく変身できなさそうだし。それともまずは食事かな。リリィ、俺のおごりだ。何でも好きなものを頼め」


「じゃあ、サイファー様と私の赤ちゃんが欲しいです」


「無茶いうな」


「できないことはありませんよ。×××を××××に挿入して×××××すればいいだけですから」


「聞こえない。俺は何も聞こえないよ! っていうか、まだ明るいうちにそんな卑語をべらべらと!」

 

 店員さんがびっくりしてお金を落としてしまっていた。 

 なにせクールな美女風のリリアナが、真面目な顔で卑猥な言葉を男に向かって連呼してるんだぜ。

 そりゃ驚く。


「―――ちょっと、聞きなさいよ人の話!」


 これはイシュタル。


「おっ、この肉はうまい。田舎のくせに中々いい仕事するではないか」


 しかし、サイファーはイシュタルを放ったらかしにして、焼肉店で肉汁滴る牛串を三本ほど購入したところだった。

 久々にいい食事がとれそうで、実に機嫌がいい。

 今夜は関所で泊まり、もう野宿はしないですみそうだし。


 と、後ろを振り向けば、イシュタルが泣きそうな顔をしてこちらを見ていた。 


「………………。私もなんか買う! お金かして~」


 イシュタルの腹の虫が大きく鳴った。




人生とは何をなすか決定している人間ほど充実した生涯を過ごせる、らしい。

しかし私の場合、資格試験の勉強したり、図書館で書物に読みふけったり、ラノベやエロゲ(戦女神VERITA)やったりと、色々とやることが多すぎると最近思ったりした。

アニメも面白いものだけ見て、あとは切るようにしてるし。

時間は有限である。

何か物事を一つに絞ってそれだけに生きてみたいって願望はあったりする。

しかし、今のこのグータラ生活も捨てがたいw

これで将来大物になろうと思ってる自分が嫌だw

でも、若いうちから小さく纏まっててもいけないし、今はこのままでもいいかな。



人物紹介

ニア・ローベル

竜人族と魔人族のハーフ。

年齢 198歳(人間でいう45歳くらい)

身長 186cm

体重 64kg

レベル 43 魔術師


魔人の血が強く出ており、耳が少しとんがっており、顔は青白い。

竜人のくせに魔法が得意な中年のナイスガイ。結構渋めのおっさんです。

性格は幼い頃より迫害されてきたので、ひねくれ曲がっています。

友達少なそうw

炎竜の血を誇るだけあって、炎の魔法が得意。


ゴルド・ファレス

種族 竜人

年齢 210歳(人間で50歳くらい)

身長 199cm

体重 110kg

レベル 63 傭兵


重戦士。南海の魔人の海軍を一晩で沈めたすごく強いハゲのおっさん。

筋肉もりもりガチムチw だけどホモじゃない。ボンキュッボンの熟女が大好物。

血も涙もない獣のような性格。

金が世の中で一番好き。次が女。

ニアが頭脳担当で、働くのはゴルド。

ごつい鎧を着て、でかいハンマーを振り回すその姿はまるで鬼のようである。

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