えーっと……(パワープレー)
あははと苦笑いしつつ頭を悩ませる。
「えーっとぉ……」
大分面倒くさかったので、浮月に丸投げ。
『はっ……?わっちがいうんでありんすか?』
素っ頓狂な声を上げ続けかくかくしかじか上から下まで話してくれた。そして、少年セージが初めに行ったこと、それは土下座。
そう、DO•GE•ZAである。額を森の柔らかい土に擦り付けるように土下座すると、ずぶずぶ埋まって行っている気がする。それ、やめなさい。
「あぁあぁ、きれいな顔が台無しじゃない。」
転移してきた時にきていたブレザーのポッケからハンカチを取り出す。ぐしぐしとやや乱暴にこすると、美しい顔が出てきた。
青と白が入り交じった髪の毛。泥で汚れているものの、真珠のような白い肌は輝きを失うどころか汚れの合間から光が漏れ出るような神々しさがある。
瞳には月と同じ琥珀色が宿り、妙な色っぽさがある。
なおも頭をたれ続けようとするセージを止めつつ、いくつかの質問を投げかけた。
「年は?」
「私が16,リドル……このこが8です。」
セージはやはり、やよいと同年齢だったらしい。勝手に親近感を覚えるやよいの傍ら、浮月が身を乗り出した。
『おまはんらは、何で色付きと呼ばれんしたえ?』
何を言っているかわかっていない様子のセージに、通訳してやる。
「何で君たちは色付きって呼ばれていたの?だってさ」
合点がいったというように大きく頷くと衝撃の事実を口にした。
「魅魂持ちは髪の毛黒以外だと迫害されるぅ!?!?」
『しかも一般的には髪ん色が薄いほど美人なんでありんすか!?!?』
じゃあ私すんごい不細工に見えてるってこと?と恐る恐る聞いたが、そうではないらしい。
何でも、始まりの女神?がすべての色を司るため、黒髪黒目だったという伝承があるらしく、白ければ白であるほど、神に対する敬虔な信者。色付きと呼ばれる髪に黒以外の色が混じった人は、女神から色を奪った盗人として迫害されるんだとか。
一部では黒髪信仰もあり、歴代の神と呼ばれる少年少女たちは皆黒髪黒目だったらしい。
『胸糞悪うなりんすえ、そん話。』
つり目がちなやよいと同じ黒髪黒目のかんばせをきゅっとゆがめた浮月。
そんな浮月に呼応するようにぼんやりと現れたのは先ほどのシスター。
『ホントですよねぇ可愛い可愛いセージもあんの白髪主義者どもに打ちのめされて……』
『作用で御座いますなぁ。お嬢様もおいたわしい限りで御座いました。』
イケオジが出てきた。
「『……誰よぉ……!!』」
胸が痛い!心臓に悪い!と飛び跳ねた浮月とやよいにダンディイケオジ(執事服)は恭しく美しい一礼をした。
『お初お目にかかります。リドルお嬢様付きの魅魂、セドリックでございます。』
今日は異様に筆が乗りました。
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