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②なろうの洗礼とかいう通過儀礼

 2019年8月15日。

 自分にとって記念すべき、初めての作品の連載がスタートした。


「小説家になろう」においてはもちろん、ネット小説家としてもズブの素人な当時の自分は、大勢と同じような幻想を抱いていたものだ。

 初めての作品だし、書籍化なんて夢は最初から見ていない。でも数人くらいは固定の読者様がついてくれて、ご感想もいただけるのではないかと。


 読まれねぇ。

 笑えるくらい、読まれねぇ。(五七五)


 ご感想、ポイントはもちろん、ブクマの一つだって付きはしない。

 どれくらい読まれなかったかと言うと、初めてのブクマがついたのは、連載開始から二か月ほどが経過してからだった。

 もちろん連載開始からほぼ毎日投稿だったので、その二ヶ月の間、0件からまったく変化しないブックマーク件数欄を毎日のように確認し続けていた。なんとも虚しい日々だった。


 初めて「アクセス解析」の存在を知り、実際に拙作のPVを確認した時は頭を抱えた。

「きっと他の作品も苦労しているのだろうなぁ」と思い、「更新中の連載小説」から、たまたま目が入った異世界転生作品のアクセス解析を見てみたら、一時間だけで9000PVとか稼いでいたのを見て泣きたくなった。


 ある程度の覚悟はしていたはずだった。

 百万近い作品数(当時)の中の、一作品なのだ。

 そんな中から拙作を拾い上げられるというのは、単純に考えると、確率で言えば百万分の一なのだから、読まれなくて当たり前なのだと。


 覚悟はしていたのだが、やはり丹精込めて書いた作品なのだから、きっと結果は(ともな)うだろうと、甘い夢を見ていた。誰か叩き起こしてくれ当時の自分を。


 この世界は、非テンプレや作者知名度ゼロで戦うには、あまりにも厳しい場所なのだと思い知らされた。住民権は(もら)えたが、紹介された物件が段ボールハウスだった。


 ひとまず、この初連載はダメだった。

 この連載を完結させたら、次はちょっと流行を取り入れた作品を書いて、地道に知名度を上げていこう。次の作品は一つくらいご感想がほしいなぁ。


 ……などといったことを、当時の自分は思ったのだが。


 冒頭でも述べた通り、当時の自分は「小説家になろう」においてはもちろん、ネット小説家としてもズブの素人だ。

 つまるところ、自分が組み立てた物語に対して、完結までにどれくらいの話数が必要なのか、まったく計算ができていなかった。


 当初の予定だと、前半パートで百話、後半パートで百話、合計二百話くらいで終わるかなーとか思っていた。


 二百話ということは、つまり毎日投稿で二百日かかるということ。

 実際には四年と半年も続くことになるとは、このころの自分は想像さえしなかった。

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