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いたずら  作者: あるとII
5/24

【05】実行(1/4)

「いたずら」に入ります。

「行ってくるよ」

 中原進は何も知らずにいつものように会社へと向かった。今日はフレックスと言うことで一時間ほど遅い出勤になった。

 美香はすでに家を出ている。授業を受けている時間だが、英美から学校に体調不良として連絡清みだ。

 進が乗る電車や車両は決まっている。乗り換えにちょうどいいからだ。ラッシュは終わっているため、列車は朝ほどの混雑はないものの、人混みができるくらいはある。

 駅の長いホームの人混みに紛れて美香が進を見張っている。制服は着替えて、普段はストレートの髪をわざわざ結んでポニーテール、服装もロングスカートにして傍目には自分とはわからないように気を配った。化粧も普段と違い、おとなしめにした。

 十両編成の前から四両目に乗ったことを確認して同じ車両に乗り込む。車内はラッシュ時と違ってあまり混んではいないものの、車両全体が見渡せないくらいの混雑はある。 

 少しずつ進んでドア付近にいる進の右前方付近に位置をとる。誰かが近づいたことには特に関心は持たず、左手はつり革、右手はカバンを握っている。

 かばんの端がすこし当たるくらいの位置にいる。男性が痴漢冤罪対策で両手を塞いでいるという話は聞いたことがあった。これはまずいかもしれないと思った瞬間、列車がポイント通過で大きく揺れた。

 進はうっかりカバンを離し、手の甲が美香の後方に当たってしまった。

 美香はこれが最後のチャンスと思い、大声をあげる。

「きゃあああーっ!! この人ちかん! ちかんです!」

 あらんかぎりの力で叫び、後ろ姿の中年を指差す。

 なんだなんだと車内が騒がしくなるところで列車が停車しドアが開いた。ちょうど進が降りる駅だった。

「ちょっとあんただよ、この中年痴漢!」

 そういうと、進が向き直り美香と顔を合わせる。

「……美香? え、なんでこんなところに?」

 さすがに気づいたらしい。学校のことまで切り出される前に、とにかく早口で声を張り上げる。

「え、あ、お、おと、おとうさん? おとうさんが痴漢? まさか、そんなそんな! いやあああ!」

 声に気づいた駅員が驚きながら車内に入ってくる。収拾がつけられず焦っている。

「と、とにかく列車から出てください。話を伺いますのでお二人とも事務所に」

 慣れたように駅員が口頭で車両からの退出を促す。

主人公の名前がやっとでできました。(をい)

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