第2章
第2章
「あの、あなたって、天使?」
美命は尋ねた。
「いや、クリスチャンじゃないから、天使じゃないのかな?君のこと見てたんだ」
「見てた?」
「夢で会ってて……美命は起きたら忘れるから」
幸人という、天使という人はたしかに美命のタイプの男性だった。今風の韓流カットにパーカーを着ていてなんだか、天使というよりは……
「天使というよりは?」
「私の思ってることがわかるの?」
「わかるよ。だから声に出さないで心に語り掛ければいい」
くる日もくる日も幸人は現れて、
2人はいろんな話をした。
「幸人さんは死神だよね?」
「ううん。ごめんごめん。そうなら怖いよね。俺はね、幽霊、なんだ」
「なんで死んだの?」
「自分で、死んじゃった」
「なんで?」
幸人は物心ついた時から老成した考え方をする子供だったらしい。
小学校で浮いてしまい不登校になった。
「俺おかしいんだなって思ってた。でも、世界を見渡せば俺みたいに、生きるとは、人生とは、宇宙とは、神とはって考えてる人はいっぱいいたよ。今となってはね」
そして彼は、罪の意識から寝食を忘れて猛勉強し、国立の大学へ行った。
「それでさ、俺モテたんだ。女の子たちが結束してね。snsで俺の悪口有る事無い事言われて、大学でも居場所なくなったんだ。それだけのことで、死んだ」と幸人は言った。
「そうなんだ」
美命はなんだか、そんな可哀想な幸人のことを好きになってしまい、その悲しい物語を曲にして発表した。
「ありがとう。曲」
「ううん。自己満だからいいよ」
消灯後の布団の中でパソコンを開いて2人で新曲を聴いていた。




