春日まりもの缶詰 定価420円(税込み)
人によってはどうでもいい話
人によっては大事な話
人の人生を左右する
そんな大層な話なんかじゃないけど
人の心が
少しでも暖かくなるような
少しでも明るくなるような
そんな話だったらいいと思うんだ・・・・・・
〜空とラララ〜
ふと見上げた青空
青い青い空の下で
私はうんと背伸びして
君を追いかけようとしていた
だけど、どんなに頑張っても
君は速すぎて追い付かないよ
息を切らしながら見た
一生懸命に走る君の背中は
あまりにも大きくて・・・・・・
足が追い付かないなら
歌うよ
ラララ
私の声で歌うよ
歌声は
青い空に同調していく 1・2・3・!
君の背中を見つめて
歌うよ
ラララ
爽やかな風にのせて歌うよ
歌声なら
君に追いつけるかもよ ぐんぐんと
君の目指すところには
きっと
ラララ
君の探していたものがあるはずだ
そんな君を
応援するよこの歌声で ラララ・♪
空は青から赤に変わり
赤い赤い空の下
私は声で君に追いついた
走る君の隣に私の歌声
だけど、実際の私はそこにいない
君は速すぎて追い付けなかったよ
一人、君のずっと後ろで
必至に歌い続けてる私は
決して一人なんかじゃない・・・・・・
足が追い付かないから
心で追うよ
ラララ
私の心と同調
心拍数は
君と一緒に跳ねあがっていく ドクドクと
君が躓いてしまったら
重力に逆らって
ラララ
君をこの風で助けるよ
私の歌声は
赤く染まった風に溶けてゆく スーと
君の目指すところには
きっと
ラララ
君の探していたものがあるはずだ
そんな君を
応援するよこの歌声で ラララ・♪
空は赤から黒に変わり
星が照らす漆黒の空の下
君はついにたどり着いた
私の歌声もたどり着いた
そこには何があったのかな
私には遠すぎて見えないけど
私は心で感じる
やっと、走り切ったそこには
とっても素敵なものがあって・・・・・・
君の目指していたところには
すごく
ラララ
温かいものがあった
私の心も
一緒に温かい気持ちになっていく ほわほわと
君はまた走り出したよ
大丈夫
ラララ
今度もきっと大丈夫
私の歌声も
君と一緒にまた走り出すよ さぁ、行こう
君の目指すところには
きっと
ラララ
君の探していたものがあるはずだ
そんな君を
応援するよこの歌声で ラララ・♪
〜静止した世界〜
落ちた砂
砂時計が静止する時
それはやってくる
足元から
冷たく浸食
あっという間に
街は静寂の中
人々は静止し
聞こえてくるのは
静寂の音
携帯電話のサイレントマナー
点滅する真っ黒な信号機
電池の切れた目覚まし時計が
鳴り響く
さぁ、
出かけましょ?
静止したこの街は
もう、
私とあなたのもの
立ち止まる人々をすり抜けて
高層ビルの屋上にタッチ
アルコールの匂いが漂う病院で
よーい、どん!
何をしたって怒られない
ねぇ、
素敵でしょ?
だけど、
あなたは嬉しくないみたい。
振り返ったら
もう、
あなたはいなかった
静止したこの街で
私は独りぼっち
見えてくるのは
作り笑いを浮かべた
忙しそうな
大人たちの
醜い顔
あぁ、
いずれ大人になるのなら
時を止めたい
子供のままの方が
こんなに楽しいのに
あなたにはそれが
わからなかったみたい
私はそっと
静止した街の中で
呟いた
〜静けさの中で〜
静かなこの空間に
うるさい大人たちは
いない
だけど
時を止めてまで
そこで
遊ぶ君には
ついていけない
無邪気な君の笑顔は
もちろん
可愛い
だけど、
僕たちは
逃げてはいけないんだ
そっと
勇気を振り絞って
一歩踏み出さなきゃ
いけないんだ
未来を無視して
過去を留め
ここに居座るのは
僕たちにとって
いいことじゃない
だから気づいて
きっと君も
遊び飽きるその日が
必ず来ることを
〜アリア〜
ラー
綺麗な声
ラララー
透き通るような
ラララ・ララー
優しいその声は
ララー
どこか寂しそうで
ラー
悲しかった
アリア
一人ぼっちのアリア
一言でもいい
誰かと歌いたくて
ずっと歌い続ける
アリア
でもそれは許されない
誰も許してくれない
独奏の
アリア
その声は余りにも美しすぎて
合唱になると
他の歌声が雑音になっちゃう
アリア
だから君はいつまでも一人
アリア
いつしか笑顔が消えてしまった
いつしか涙が枯れてしまった
無表情の
アリア
鉄の檻の中
そこだけ、花が咲いたように
可憐に歌い続ける
アリア
君は
余りにも
美し過ぎた
一人ぼっちの
アリア
〜アウトロー〜
一歩踏み出した
星空の光を遮断する
賑やか過ぎる都会の夜
僕は
一歩出てみた
アウトロー
その瞬間、
僕は
アウトロー
社会秩序から
はみ出した者。
何が良くて
人はそこにいようとするんだ?
社会秩序
そんな所にいて何が楽しい?
そんなものに囚われてたら
人生
足に重い鉛引きずって生きなきゃいけない
そんな苦しみ
僕はご免だ
アウトロー
外は静かで
アウトロー
星がきれいで
アウトロー
もう二度と
あんな汚い所へ戻りたくなくなった
どこか清々しい僕は
アウトロー
社会秩序から
はみ出した者。
〜遅刻の詩〜
ぴ・ぴ・ぴ・ぴ・ぴ〜〜〜〜〜!!
耳の鼓膜を揺らすよ
そんな大声を出さないで
チクタク・チクタク
忙しない時計の吠える声
んん゛〜
夢の中から脱出っ!
目の前に広がるのは現実
あーあ
やっちゃった☆
時間はとうに過ぎちゃった
だけど、あわてない・あわてない
だってもう
遅刻だもん(・o・)
急いだってしょうがない
もう学校の口は閉まってる
先生のお喋りはスタートしてる
だったらもういいや
急いだってしょうがない
朝ごはんはしっかり食べなきゃ
今日の体育はマラソン
バタンキューした方が問題だ
だからもういいや
私は遅刻ぅ〜♪
何か問題でも?
チャラ・チャラ・チャ〜〜〜〜!!
携帯電話が歌ってる
はい・はい、なんですか?
「今日、どうしたの?」
あー、友達からね
先生の目からのがれて
命がけで送って来た、電子レター
「目の開眼時間が遅れちゃって(T_T)」
頭がなかなか起きてくれないけど
どうにか文章に
おーい、私の頭さん。
もうそろそろお仕事の時間ダヨ〜
今日の小テストはあきらめた
どーせ、点はとれない英語だったし
それはもういいや
だけど
学校行くのに
この鳥の巣みたいなボサボサ頭はダメだわ
ほら、起きて!!
間違えて顔を二回洗っちゃった
まー、それぐらいいいや
私は遅刻ぅ〜♪
歯磨き粉がパジャマに着いたぐらい気にしない
着なれたいつもの制服着て
鏡の前で一回転
ピラッとスカートがお花のように回る
よしっ、完璧!
沈黙した時計
短い矢印は10と11の間
だけど私は急がない
ドアを開ければ青い空
おひさまは機嫌良く燃えている
こんな日にはちょっと寄り道
そっちの方が楽しそうだから
だって、遅刻は遅刻。
今から走ったって疲れるだけ
んー!!
今日もいい天気だ。
〜ハロー、ハロー〜
ハロー、ハロー
もしもし、
聞こえますか?
私のこの声
聞こえますか?
ハロー、ハロー
聞こえているのなら返事をちょうだい
あの白い雲にのせてちょうだい
あなたと私を隔てるのは
越えられない海じゃない
越えられない山じゃない
お互いの
素直じゃない気持ち
ハロー、ハロー
私の気持ち
あなたに聞こえますか?
ハロー、ハロー
もしもし、
聞こえますか?
私のこの声
切ないこの声
聞こえますか?
聞こえているのなら一緒に泣いて
あの青い小鳥のように泣いて
あなたと私を隔てるのは
世間体なんかじゃない
周りの大人たちの声なんかじゃない
お互いの
素直じゃない気持ち
ハロー、ハロー
私の気持ち
あなたにも伝わってますか?
ハロー、ハロー
ごめんね。
あの日は私が悪かったね。
あなたに
酷いこと言っちゃったね。
ごめんね。
ハロー、ハロー
もしもし、
私の心は素直になりました
自分の気持ちに気づきました
あなたはどうですか?
ハロー、ハロー
もしもし、
聞こえますか?
私のこの音
息を切らしながら
地面をかける音
聞こえますか?
聞こえているのなら待っていて
あの真っ赤な夕日でも眺めて待っていて
あなたと私を隔てているのは
もうあなたの心だけ
私の心はあなたの元へとかけている
お互いの
未熟な心と心
ハロー、ハロー
私の心
受け止める準備はいい?
ハロー、ハロー
もしもし、
聞こえますか?
私のこの心臓の音
ドクドク生きてる音
聞こえますか?
私も聞こえてきました
あなたのかけてくる足音
ドクドクと高鳴る鼓動
あなたと私を隔てているものは
もう何もない
お互いの
不器用な心と心
二人でつなぎ合わせて
それでも一人前には足りないけど
「ごめん」という一言
その素直な心を手に入れたから
ハロー、ハロー
もしもし、
聞こえます。
あなたと私の
ビギナーな
心の歌声が
響きわたってる。
ハロー、ハロー
〜雨の詩〜
1
2
3
ハイっ!
朝起きた
いつもと変わらぬ
回る世界にうんざりした
朝に飲むカフェオレ
黒と白がトゥギャザー
外は水が降っている
傘を大きく広げて
今日はどこに出かけよう
お気に入りのワンピース
それを隠すように
雨色のレインコートを羽織って
右足には黄色の長靴
左足には赤色の長い靴
やっぱり傘はいらないや
ボサボサの
マロンクリームみたいな頭を
どんよりお空にさらけ出す
シャワーを浴びてるみたい
ステップ踏みましょ
アン・ドゥー・トロー
水溜りにジャブジャブ
跳ねたって大丈夫
今はシャワーを浴びているから
さぁ、踊りましょ
水玉がアスファルトを蹴るように
クルッと回って
ランランラン〜♪
そのままスキップでジャンプして
ツルッとこけちゃった
イタタタ
泥だらけになったって構わない
だって
私の心は軽いから
この雨が洗ってくれるから
家に帰る時は憂鬱
最後にサヨナラ
ありがとネ。
長靴脱ぎ棄てて
そのままベッドにダイブ
雨の匂いのレインコート
グルグル丸めて
そのままギュッとね
これで今日も安眠・安眠
スヤスヤ寝息は
雨の音と
そのまま合唱
夜がふけるのと
私の夢の中の色は
黒と白でトゥギャザー
おやすみ
そしてサヨナラ。
明日には
今日の雨はどこかに行っちゃう
明日の雨は
今日とは違う雨
だって地球は
グルグル回っているから
雨の一滴
そっと
私の瞳から
流れ落ちていった
オヤスミ。