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小さな村のエリク2

引き続き、なんとなくの雰囲気でお読みください。ふわっとね、ふわっと。

  15歳になったエリクは迷っていた。

  『海がみたい』幼い頃に行商人から聞いた話は今でも心の真ん中にある。

  けれど、この村も好きだった。

  飢えて死にはしないけれど主要な産業は何もなく緩やかに衰退していく小さな村。幼なじみのシドは「こんな何もない村にいたら腐っちまう」って言って街道沿いの街へ出ていったのは2週間前だったっけ。見送るおばさんの複雑そうな悲しみを精一杯隠した泣きそうな笑顔が印象的だったな。僕が村を出るときも、きっと母もああいう顔をするんだろう。

  深い愛情を注いでくれた両親。幼い頃から何くれとついて回って慕ってくれた弟。村のみんなは顔馴染みで。読み書きを教え、最低限の知識を授けてくれた村長には感謝しかない。大した事は出来ないが、妻を娶り家庭を持ちここで暮らす事で、多少なりとも村の存続に寄与出来るのではないか。

 

  そんなことを考えて、ずるずると出発出来ないでいたのだった。

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