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王族

 王宮のとある一室でも予選を話題にしていた。


「今日の試合は見所があったぞ。特にスタントのところから出てきた少年はインパクトがあった」


 男はソファに座りそう言う。

 どこか偉そうに言うその姿はこのスティルド王国の王の姿であった。

 王――バルダスの向かい側に座っているのは、王の息子と娘だった。


「お父様がそう言うでしたら、本選は行きたいと思います」


「ああ、そうするといい。お前たちも強い者を見極める目は養った方がいいからな」


 娘のクレイシアに言われ頷く、バルダス。


「特に人材を見極める力が強いスタントの娘を見習わないとな。あそこには良い人材が集まっている」


「見つけるだけなら誰にでもできますよ」


 息子のエリックが不機嫌そうに言う。

 エリックの思想は典型的な男尊女卑。

 スタント公爵家は女性が領主となり領地を治め、その娘も現在は有望な人材を集めることに定評があり、力を強めてきている。

 エリックにとっては面白くない存在であった。


「見つけるなら、誰でもできるか。誰にでもできるとは言わんが、できないこともないかもしれない。しかし、その者の潜在能力を把握し、適材適所にその者たちを配置できる者は限られているだろうな。ましてや、お前にはできまい」


「あの女にはできると言うんですか?」


「できる以前に何人もの成果が存在するではないか」


 バルダスの言う成果とは、アンジュやメイリのことだろう。


「お父様、でしたらティニアお姉さまを我が王家に迎えてはいかがですか?」


「ふっ、もうそれは済んだ。今日、丁重に断られたところだ。あの少年が本選に出たことで、スタントの威光は強まったからな。王家の力を必要としないほどに」


「そうでしたか……」


 クレイシアはシュンと落ち込んだような素振りを見せる。

 それとは反対にエリックは拳を強く握っていた。


(女の分際で俺を断るのか)


「まあ、良い。スタント家も我が国の者だ。謀反を起こすわけでもない。王に成り代わるほどの力を持たないのならば、静観してて構わん。それよりも明日はちゃんと来るのだぞ」


「「はい」」


 父親の言葉に二人は頷いた。


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