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再びの遭遇

 本選出場を決めた琉海は、ティニアたちがいるだろう個室に向かって歩いていた。

 すると、廊下の奥からティニアたちが向かってくるのが見えた。

 あちらも琉海に気づいたのか、足早で琉海の元にやってくる。


「本選出場おめでとうございます。今日一日戦ってばかりで疲れたでしょう」


「ありがとうございます。疲れはそこまでではありませんよ」


「そうですか。お母様がささやかですが、祝勝会を開く準備をしているので、私たちも戻ろうかと思っています。皆疲れているでしょうから」


「そうでしたか。でしたら、戻りましょうか」


 ティニアの提案に琉海は賛同した。

 ちょっと他の試合も見て、本選にどんな人たちが参加するのか気になったが、静華先輩やメイリ、アンジュが戦闘で疲れているのなら、屋敷に戻ることにした。


「アンジュさん、メイリさん、静華先輩も無事だったみたいですね」


「はい、おかげさまで。ルイ様もティニア様をお救いいただき、ありがとうございます」


 メイリが一礼すると、アンジュも深々と一礼した。

 それだけ琉海に感謝しているということだ。


「いえ、こちらこそお世話になっているので、できることはやりますよ。だから、頭を上げてください」


 琉海が頭をずっと下げているメイリとアンジュを見てどうするか困っていると、ティニアと視線が合った。


 すると――


「メイリもアンジュもこんな廊下でずっとそうしているつもり?」


 ティニアの言葉にはっとする二人。

 通路の邪魔になってしまってないかと、二人は廊下を見回す。

 二人が顔を上げたのを見計らってティニアが口を開く。


「それじゃ、行きましょうか」


 ティニアを先頭に一同が屋敷に戻るため、馬車が停車している入口に向かおうとした。

 そのとき、別方向からこちらにやってくる二人の男女がいた。


「あら、ティニアはもう帰るの?」


 やってきたのは、ティニアの幼馴染のリオナだった。


「ええ、色々あって疲れちゃったから帰らせてもらうわ」


「あらそう、まあいいわ。本選で会いましょう」


 そう言ってリオナはティニアたちの横を通り過ぎようとしたが、琉海の前で足を止めた。


「あなた強いのね」


「そうですか?」


 琉海が首を傾げると、いきなり腕を抱きしめてきた。


「なッ!?」


 突然のリオナの行動に驚く面々。

 リオナはさらに密着して小さい声で言ってくる。


「ティニアには勿体ないと思うの。私の側近にならない? 夫でもいいけど」


 甘い声で琉海を誘ってくるリオナ。


「な、なにやってるのよ!」


 そこにティニアが割り込み、琉海の腕から引き離す。


「なんの真似よ。リオナ!」


 顔を真っ赤にして怒るティニア。


「別に勧誘してただけじゃない。注目されてる人なら当然でしょ。なにそんなに怒ってるのよ」


「べ、別にそんなに怒ってないでしょ」


 さらに顔を赤くして言い淀んでしまうティニア。

 その反応にリオナは察した。


「あ、もしかして――」


 そう言って、ティニアの耳元に顔を近づける。


「彼を好きになっちゃってたりする?」


 その言葉にティニアの顔が限界まで赤くなった。


「そ、そんなんじゃないわよ!」


 キレ気味に叫ぶティニア。

 はじめて見る反応にリオナは目を見開いた。

 そして――


「ああ、怖い怖い」


 茶化すように言って、リオナは琉海たちから去っていった。

 イブラスは一礼してからリオナの後を追う。


「最後、何を言われたんですか?」


 琉海は気になって聞くと、


「な、何でもないです。い、行きましょう」


 ティニアも足早に行ってしまう。


「ま、待ってくださいティニア様」


 それを追っかけるアンジュとメイリ。

 残された静華とエアリスと琉海はお互いの顔を見合う。


「何を言われたんだか」


 琉海は首を傾げるも、ティニアの後を追った。

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