最初の村
緑はなくとも、木はある。
ただ、どの木にも葉は付いておらず、生命力を感じない枯れ木と化していた。
おそらく昔は、木が両端を囲んだ一本道になっていたであろうこの道も、悲壮感を与える風景になっている。
ただ、一本道のため、道に迷うことはなさそうだ。
「なあ、ここってどこまで続いているんだ?」
「さあ、私もわからないけど、道になっているんだから、どこかに繋がっているんじゃない」
「大丈夫かよ?」
「大丈夫よ。別に人間がこの世界からいなくなったわけでもなさそうだし」
「どうしてそんなことがわかるんだよ」
「あれよ」
「な――ッ!?」
琉海の問いにエアリスは前方を指さす。
そこには、出入り口を示すかのように門が存在した。
その門は何年も前のからそこに存在しているのか、不思議なものを感じさせる。
石造りのようで、殺風景な景色の中では、存在感を与えてくる。
そして、その門の前にはお供え物のように食べものが置かれていた。
ただ、琉海はそんなことより、その門の形に驚きを覚えていた。
「これって……鳥居なのか……?」
琉海の眼前にあるのは、日本にある神社や寺などにある石造りの鳥居。
「なに、見とれているの。行くわよ」
「あ、ああ……」
二人は鳥居を潜り、お供え物の横を横切る。
横を通る瞬間、琉海はそのお供え物に視線を向けた。
(ここに食べ物を置くってことは、何かを祀っているってことか?)
先を進むエアリスは足を止めることなく進んで行ってしまう。
まるで、目指す場所を知っているかのように。
琉海は、置いて行かれないようにして早足で追う。
鳥居を通り抜けてから五分ほど歩くと、一本道の終着点に着いた。
そこには、木造の家屋があり、人もいた。
「人間がいるわね。これで、ここがこんなになっている理由がわかるかもしれないわ。それじゃ、ルイ、よろしくね」
「え? なんで俺が? ここの世界のこと俺は何も知らないぞ。任されても情報を処理しきれないぞ」
「そうかもしれないわね。それでもいいわ。こんな世界になった理由がわかればいいから。それに、私がやりたくてもできないし」
「それはどういうことだよ」
「私の姿が他の人間には見えないからよ」
「他の人間に見えない? 俺には見えているけど……」
「それは契約者だからよ。もっとここにも自然があって、精霊が住みやすい環境だったら、ルイの魔力を使って他の人間にも見えるようにできたかもしれないけれど、こんな状態だと無理なのよ。だから、お願いね」
エアリスはそう言って村のほうへ行ってしまう。
「はあ、情報収集なんてやったことないぞ」
琉海はそう呟いても他に方法を思いつかず、見知らぬ村に向かった。




