華麗な精霊
静華を狙って走ってきた敵には、エアリスが割り込む。
エアリスもマナさえあれば、精霊術を使うことができる。
エアリスは右手に剣を《創造》し、静華の前に踊りでた。
湯水の如く琉海から送られてくるマナを大量に消費し、身体強化を施す。
「エアリス!?」
飛び出してきたエアリスに驚く、静華。
「シズカは下がっていいわ。後は私に任せて」
エアリスは華麗な剣捌きで相手の持つ武器をいなし、カウンターで敵を斬りつける。
深めに脇腹を斬ったのだが、血を流しながらも、襲い掛かってくる。
「息の根を止めないとダメね」
エアリスはそう呟くと、動きの速さを一段上げた。
振り回す武器を躱し、わずかな隙を逃さず、一閃。
相手が気づいたときには首が落ちていた。
返り血は一切浴びず一人を倒した。
だが、休む暇を与えることなく、他三人が襲い掛かってくる。
剣三人が振り下ろすも空を切るだけだった。
エアリスは動きづらそうな黒のドレスを翻し舞う。
その動きはまるで演舞。
エアリスは幾多の斬撃を躱し三人を倒す。
華麗で凄惨な剣捌きに他の敵たちは近づくのをためらう。
その光景を琉海は視界の端で捉えていた。
人間の思考が残っているせいか、直情的に動いて来ないようだ。
魔物なら多少の恐怖でも、見境なく突進してきているだろう。
男たちは唸り声をあげているが、慎重に隙を狙っているように見える。
このまま硬直状態が続くのかと思った瞬間――
「きゃッ!?」
馬車の中から悲鳴が聞こえた。




