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暗躍
「チッ!」
琉海がテムジンに勝利した会場では、ローブにフードを深く被った男が観客席で舌打ちをした。
イライラを隠そうともせず、貧乏ゆすりをしていた。
「誰かに頼るべきじゃないな」
誰に言うでもなく、そう呟くと席から立ち上がった。
「確実にものにするためだ」
自分がこれから行うことを正徳化するためなのか、独り言を喋る。
そして、フードを被った男は会場の外へと出ていく。
会場の外では、ちょうど琉海たちが馬車に乗るところだった。
フードの男はその馬車をジッと見つめていた。
馬車が視界から消えるまでずっと。




