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琉海の評価
王宮に向かう通路を歩く男女――リオナとイブラスだ。
「彼はどうだった?」
「見た感じ、そこまでの手練れのようには見えませんでした。線は細く、力があるわけでもなさそうですし、剣を振ってきた腕にも見えませんでした。魔力もそこまで高いようには感じませんでしたね」
「じゃあ、強力な能力を持ったトランサーなのかしら」
「その可能性の方が高いかと思われます」
「でも、それじゃあ勝つのは難しいんじゃない」
「はい。おそらくあの少年が本選に上がるのは難しいでしょう」
「そう。ティニアはどうするのかしら」
「リオナ様。不躾ですが、もし、ティニア様が没落することがあったとしても、手を貸すようなことはないようにお願いしますよ。エスカレッド家が巻き込まれる可能性があるのですから」
「わ、わかっているわよ」
リオナはしどろもどろになって答える。
イブラスは目を細くする。
「本当にですか?」
「そ、そんなに心配しなくても大丈夫よ。それより、イブラスは大会のほうは大丈夫なの?」
「私は心配ありません。まあ、予選の決勝は苦戦するかもしれませんが、そこまでは問題なく勝てるでしょう」
「そう。ならいいのよ。頑張ってね」
「はい。ご期待に応えられるよう努めさせていただきます」
イブラスとリオナはその後も大会の話をしながら、王宮へと向かった。




