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生死の境

とある空に数多の流星が流れ、世界を震撼させた。

 そして、その一本の光が森林の中へと落下した。

 静かな森に轟音が響き渡り、野生の動物たちが逃げ惑う。

 人が住んでいる気配のない森に、一人の少女が轟音の発生源へ近づく。


「珍しいわね。こんなところに人間が落ちてくるなんて」


 少女は落ちてきたのが、人間であることを確認すると、近くに寄り、首に手を添えて脈を計る。


「これだけの傷で生きているとは、生命力の高い人間ね」


 服はボロボロで腹部に重傷を負っている少年。

 だが、微かに息はある。

 とはいえ、このままでは、すぐに死ぬだろうと少女は推測する。


「これは、運命というものなのかしら。ただ、チャンスではあるかもしれないわね」


 少女はそう呟くと意識を失っている少年の顔に少女は顔を近づける。

 そして、額と額をくっつけた。

 長く綺麗な黒髪が肩から流れ落ち、土で汚れてしまうが、少女はそんなことを気にしない。


「答えなさい。このまま死を受けいれるか、生にしがみつくか。あなたはどちらを選ぶかしら」


 意識のない少年に答えることはできない。はずなのだが、少年の口が開く。


「い……き……たい……」


 声になっているかわからない掠れた声だが、少女にはしっかりと聞こえたようで、口角を上げる。


「なら、受けいれなさい。そうすれば、あなたは生きながらえる」


少女はそう言って、少年の口に唇を重ねた。

清涼な光が瞬き、少年と少女を包み込んだ。


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