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決意
「うぉえ……ッ」
琉海は膝を突いて吐いていた。
村の惨状を見て、腹に入っていたものをすべて吐き出した。
ドラマや映画で見る死体とは別物だった。
血臭が充満して辺り一面赤黒くなってしまっている。
数時間前までは皆会話をしていたのだ。
それが、無残な亡骸と化している。
ヤンばあの首も見てしまった。
琉海は嗚咽を漏らし、ヤンばあの最後の言葉を思い出す。
アンリのことを頼まれたが、琉海は何もできなかった。
この世界は、奪う側と奪われる側の二つが存在する。
それは元の世界の日本でもあった光景だろう。
部活のレギュラーや会社の役職、さまざまなものを奪い合っていた。
ただ、この世界で奪われるものは命だ。
そこまで思考が追いつくと、琉海は決心した。
「……エアリス」
琉海は地面を見つめたまま言う。
「なに?」
「魔法を教えてくれないか?」
奪われるぐらいなら、奪う側に立つ。
まずはアンリを助ける。
そのために必要なのは力だ。
「別に構わないけど、私が教えるのは、魔法じゃないわ。精霊術よ」
「それは使えるのか?」
「ええ、習得できれば、魔法なんかより十分強いわよ」
琉海は立ち上がった。
「なら、それを教えてくれ」
琉海がこの世界の住人となった瞬間だった。




