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村の存在
琉海たちが部屋を出たあと、残された村長と男はまだ退出しようとしなかった。
話は終わっていなかったからだ。
「この家に泊めてよかったんですか」
「別に問題なかろう。ルイは、選ばれた少年じゃろうて」
「ですが、本当とは限りません。たまたま、祠の結界が破れているのを見かけて、この村にやってきた浮浪者の可能性もあります」
「それは、ないじゃろう。あの少年の服は、清潔感のあるものじゃった。貴族の着る服と遜色がないほどにじゃ。そんな少年が、わざわざこんな何もない村に来るわけがないじゃろ」
村長に言われ、何も言い返すことのできない男。
「まあ、ここで一緒に生活すれば、何かわかるじゃろ。儂たちの役目は終わったのじゃ。あとはルイを送り出すのみじゃな」
村長は憑き物が落ちたかのような表情でふうとため息を零した。




