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女神の祈り  作者: 水瀬はるか
ルワーネ王国 王都にて
19/54

親衛隊もお供します!(2)

「女神の雫はこの世界にバラバラに飛び散ったらしい。一つ目は海上都市テノスシラン、二つ目はジャングルの辺境にあるフラマルテ、三つ目は桃源郷と名高いジンパング、四つ目はこの国の地下深くで厳重に管理されている。」


「はーい、質問!どこから集めにいくんですかー?」


「それを今からみんなで決めるんだ」


じろりと王子が睨むとカサンはあちゃー、まだ根に持ってるよーと言いながらエルバルドに目配せするが、彼はそれを無視して、続きを頼みますと王子を促した。


「俺は最初にフラマルテに行った方がいいと思う。」


王子は真剣な顔をして俺たちを見回してそう告げる。


「どうしてですか?」


王子がそんな顔をするからには何かあるのだろう。


「聞きたいか?」

「聞きたいです。」


俺たちは王子の言葉を固唾を飲んで待った。そして王子はふっと笑い口を開いた。


「何となくだ。」

「何でそんなに溜めたんですか?!!!」


思わず俺が大声をだすとカサンたちはまたか、といった様子でルアンを見ていた。


「お前らの視線が集まったのが気持ちよくてつい…な?」


「バカじゃないんですか!!?このナルシスト野郎!!」


「いや、俺の美しさはナルシッソスにも勝るぜ?」


「本当にバカだな!!」


「てめぇ、さっきから人のことをバカバカバカバカ言いやがって!バカって言った方がバカなんだぞ!」


「バーーーーカ」


これ以上やると本当に殴りあいになりそうだったので、カサンとエルバルドが止めに入り、一旦その場は落ち着いた。


「今僕たち話し合いしてるんだから、下らないことで喧嘩しないでくれる?」


王子も俺も不服そうな顔でカサンを見る。エルバルドがその場を取り繕うように話を戻した。


「要するに最初の行き先はフラマルテでいいんですね?」


「ああ」


こうして俺たちは結局話し合いという話し合いもせず、王子の勘で最初の行き先を決めたのであった。

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