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カッパ伝説に隠された幻の調味料を追え 12

お待たせしました。俺はプロットとか考えるのが苦手で、時系列で作品内で起こった出来後を書いていってしまう癖があります。だから、物語の盛り上がりの起伏がコントロールできません。


そこを何とかしようと想いながら、なんとなく苦手としている地の文で説明文を入れてみたり、だらだらと描写が続かないようにしてみました。


それではどうぞ、およみください。

「見つめ合ってどうしたんです? カッパー様のところにいかなくていいんですか?」


 男の声がした。ヤスたち三人は声のした方に顔を向けた。開けはなられた窓から若い男がその上体を覗かせていた。体育館から少女を運び出した男たちのうちの若い方だった。


 するりと軽やかに窓枠を越えて室内に入り込む。


「おっと、見慣れない男だからって警戒しないでくださいよ。俺は新入りなんで。その制服は親衛隊の方ですよね。噂通り目のやり場に困っちゃいますね」


 男はその真剣な面もちを笑顔に変えた。野性的な顔が弛められ明るい物に変わった。


「あ、この人、急に倒れちゃって。でも、病気って感じじゃないし、ピストルで撃たれたっぽいんですけど誰がどこから撃ったかわからなくて。動いたらやばいって感じで・・・・・・」


 答えるミコトの笑顔にヤスは舌打ちをしたくなった。


『なに言ってんだよ? こいつもカッパーの手下なんだぞ? そんな笑顔を見せやがって。第一、そんなのはそこの女の子が撃ったに決まってるだろ? あんな子供が撃ったからびっくりしてたんじゃないのかよ?」


 怒鳴りつけたい気持ちを抑えヤスはアリッサを見た。後ろに隠した手、親指と人差し指で丸を作っていた。


『よかった、アリッサはわかってる』


 片手で目元を覆い、ミコトのとアリッサの間に立つ。何かあったときは透明スーツを着た自分が不意をついて逃げる機会を作るつもりだ。そして、交渉はアリッサに任せた。アリッサは胸を張り堂々とした様子で言った。


「貴様、所属と名前は?」


「32番です。新入りなので所属が決まるまで名前はまだいただいてません」


「よし、ここは貴様に任せた。我々は持ち場に戻る」


 アリッサはそう言うときびすを返し出口に向かった。ミコトもあわてた様子で後をついていく。ヤスもその後に続いた。アリッサが保健室の扉を開け放った。

 

そのときだった。


「いたぞ、撃てっ」


「伏せろ」


 そう言ってヤスはミコトを後ろから押し倒す。


 乾いた音が連続して続く。


「ちょっと花子、痛いって、急に何? それに背中に何か当たってるし、ねえ、なんなの?それ」


「おなかに隠した秘密兵器。粉を詰めたホース。そんなこと言ってる場合じゃないって」


「二人とも静かにここを早く出るわよ」


三人が腰を屈め前に進み出したときだった


「おい、そこの親衛隊! 加勢しろ! その男も侵入者だっ!」


 三人は思わず立ち上がり振り返る。窓越しに銃をもった男たちが顔を出し室内に向けて発砲していた。その狙いの先を見てみると先ほどの男、ケンがベッドの陰に潜みながら反撃の隙を伺っていた。


 ケンは窓に視線を向けながら言った。その言葉の響きには落ち着きと真摯さがあった


「信じて下さい。奴らが侵入者です。ここは俺に任せてどうぞカッパー様のところへ」


 そしてケンは窓に向けて弾を撃った。微かな発砲音とヒステリックな音が響いた。窓ガラスが砕け散った。


『消音銃?』

  

アリッサは瞬時に決断した。窓の向こうに身を潜めた男たちに凛として言った。


「ここは私たちに任せて貴様等は持ち場に戻れ」


 男の怒鳴り声が窓の向こうから響く。


「おう、女ぁ。まさかお前もそいつらの仲間じゃないだろうな」


「なにを言う。疑うのかっ?」


「それなら合い言葉を言って見ろっ!」


 即答できなかった。男が仲間に命じる声が響いた。


「女も敵だっ!見た目にだまされるな。男は殺せっ! 女は生け捕りだっ!」


窓枠からいくつもの銃口が覗いた。その瞬間だった。


「お前ら走って廊下へ逃げろっ!」


「でも、その子、助けてあげなきゃっ」


 そう言うミコトにケンは懐から出した瓶を見せた。明るいオレンジ色の液体が入っている。それを窓に向けてなげすぐさま引き金を引いた。


「うわぁー」


「早く消せ、消してくれー」


 男たちの悲鳴が聞こえてきた。窓の向こうは炎の海ができあがっておりそこで男たちが体を転がしながら必死で火を消そうとしていた。その火が保健室のカーテンを舐めた。あっという間に火は燃え広がり始めた。


 「あの子たすけなきゃっ」


ミコトの声に反射的に従った。ケンとともに男を少女から引っ剥がした。ケンが少女を背負った。五人は駆けだした。ケンが言った。


「俺はケン、後ろの子供はイクミ。少し落ち着いて話さないか」


「うん。ケンさんのこといろいろ知りたい」


ミコトが答えた。それを聞いたヤスは思わず足を止めた。


「うをっ!急に重くなったっ。イクミしっかりしがみつけって」

 

 ケンが言った。


 イクミが答える。


「ちゃんとしがみついてるもん。さっきとかわらないよ」


 やりとりを聞いて我に返ったヤス。さきほどまでと同様にイクミの尻を押し始めた。やらしい気持ちはなかった。ケンに存在を知られぬままに逃げるのを手伝おうとしたらそれしかなかった。


 ヤスの存在はミコトとアリッサにとって切り札だ。ケンが信用出来るか見極めるまでは正体を明かせない。何せ、相手は銃も持っているし、数人の男を一瞬にして倒す武器も能力も、そして意志を持つ。その攻撃の意志がいつこちらに向けられるかわからない。二人もそれがわかっているからこそヤスの存在を黙っている。


 ヤスは視線を感じてイクミの尻の横から顔を出す。ちらちらと振り向きながら軽蔑のまなざしを送ってくるミコトがいた。わざわざ顔の布を引っ張り舌を出した。


「イクミちゃん、気をつけて」


「何だ? どうした?」


ケンの言葉にミコトは答えた。


「妖怪尻舐めがいたから」


あわてて顔を隠すヤス。ニヤリと笑うミコト。


「なんだそりゃ」


 尋ねるケンにミコトは答えた。


「子供をさらってお尻を舐めたり指で突っつく変態妖怪。最近この辺に出現してるんだって」


「ああ。カッパー教の奴らのことか。噂ってのは後付けでおもしろおかしくされてくもんだしな。よし、ここなら大丈夫そうだ。ここで一休みといくべ。あいつらが火を消してる間にずらかるぞ。トイレにいくなら行っておけ」


ケンはトイレの正面にある教室の扉をそっとあけた。問題ないことを告げて教室に入っていく。三人も後に続いた。教室には布団が敷き詰められており汗や排泄物などの入り交じった臭いが充満している。五人は車座になって座るとケンが言った。


「もう、正体を明かしちまうが俺は運び屋のケン。この子は依頼者のイクミ。この子ので潜入してここの油とマシンをいただくのが目的だ。なあ、お前らも潜り込んでた口だろ? 女の子二人で大したもんだな」


「まあ・・・・・。ね? アリッサちゃん」


「まあ、元々そんなつもりはなかったんだけど。っていうか、油とマシンをいただくのって運び屋って言うの?」


「ああ、俺はな。誰かのお宝をある場所からある場所へ運ぶってのが仕事なんだよ。だから運び屋。だろ? 誰の物かはカンケーない」


「クスっ。じゃあ、ここで働かされてる女の子たちのこと全員運ぶの手伝って。みんな誰かのお宝なんだし」


「なに? アリッサ。お前、全員助けるつもりか? 見たんだろ? 体育館にいた女たち。やめとけ。」


「どうして」


「あいつらがそれを望まない。VRセット、ああ、わかるかVRセット、あの目とか耳とか覆う奴」


「うん。なにか映像と音で楽しい物を見せてるんでしょ?」


「あそこにしか、あいつらの幸せはないんだよ。イクミには兄貴が待ってるが、ここにいる女たちは親、兄弟が死んじまって取り返しに来てくれる奴もいない。もう帰る場所がないんだよ。例え生まれ育った村に帰れたとしてもあることないこと言われて村八分にされるのがオチだ。第一ここならメシは食えるし安全に眠ることも出来る」


「想像はしてたけど・・・・・・どうする? ミコト」


「え? 別に家に連れてくればよくない? あそこならここより広いしさ」


「え? いいの? あんないい場所そうそうないと想うけど。それに花子ちゃんはどういうかな?」


アリッサは目線を中に泳がせた。ヤスを探した。ヤスはアリッサの背後にまわり背中にOKと指で綴った。


ヤスは想った。


『奴隷救出からのハーレムってホントにわおう系小説みたいだ。まいったなあ。俺チートなんて持っていないよぉ』


ニヤケた。ただニヤケけていた


「いいって。花子もどうせ笑顔でオッケーっていうもん。ただね」


「なんだ?」


「妖怪尻舐めとか西洋妖怪ルーティーンとかが出るって噂だけどね。で、それで捕まえたってどうせ、『俺、なんかやっちゃいました?』とか言ってとぼけるんだよきっと」


『なぬっ! っていうか自分だって目覚ましカンチョーかましてくるくせになに言ってんだよ。ククク。目覚ましカンチョーって。俺がハーレムで王様になったら法律つくって義務づけよう。ミコトだけは毎日目覚ましカンチョーで起こされるって』


ヤスの憤慨からのエキサイティング妄想に気がつかずにケンは続けた。


「そっか。まあ、お前らが受け入れられるっていうならいいが。簡単じゃねえそ?」


「そうかな。部屋はいっぱいあるしご飯も花子に用意させるし」


ミコトの疑問にケンは答えた。


「あいつらメシや寝るのも忘れてVRにハマらされてんだ。それを越えるもんを用意してやらないといつか不満が出始める。それで、ここに残ってた方がよかったって逆恨みだ。下手すりゃお前等がつるし上げ食らっちまう。大抵の人間なんてそんなもんだよ。第一、あいつらどうやってあの機械から引っ剥がす。メシだってあいつらの口に握り飯放り込むんだぞ」


「でもいつかは寝るでしょ?」


「ああの機械なリクライニングって言って人が寝れるように変形するんだわ。それで寝ながら夢の中でも仕事してんのさ」


「そんな。そんなことしたらいつか死んじゃう」


「ああ、死んだらまたさらってくるだけだ。あちこちで戦争が続いてんだ。大人だって生きてくのに必死なんだ。守ってもらえないガキなんて腐るほどいるし、無事に大人になった奴らは子供沢山こさえていく。そうやって、カッパー教は周りの人間から奪い続けてきたんだよ」


「ヒドいね」


ミコトの憤慨にケンは笑った。


「ああ、強い奴が弱い奴を食い物にするってのは、どこでも一緒さ。お前だってそんなの沢山目にしてきただろ?もう、15,6だろ? お前ら」


「そうだけど、覚えてないし。わたしだって最近目が覚めたんだし」


ミコトの言葉に何気なくケンは言った


「そうか、じゃあ、お前もあの体育館の女たちと同じなんだな。その割には楽しそうだしお前なら大丈夫かもな」


「違っ・・・・・・」


 ミコトはなにが違うか言葉にしたかったがただうつむき軽く指を噛むことしかできなかった。アリッサはミコトの肩を抱き、ヤスはハーレム王国の法律作りに頭を悩ませていた。


『よし、食べ物はみんなで畑仕事することにして、古代のコンテンツは自分で電気を作れば自由に見て良いことにしよう。カッパー倒して機械はここの持ってちゃえばいいし。あとはなにが必要かな・・・・・・』


 ヤスがミコトの表情の変化に気がつくことはなかった。







読んで下さりありがとうございました。


ちょっと近況報告というか、今回の放しを作るにあたって影響を受けたことがあったのでお知らせします。よかったら長いですけど読んで下さい。


ここ最近、いろいろインプットしようとしていろんなコンテンツを見たり、クリエイター関係のイベントに足を運んだりしています。


その成果かわかりませんが、何かの創作物ってアウトプットした時点で他の人に伝える、わかってもらう工夫をするっていうことが大事だと感じました。


ゴールデンウィークに都心にでる機会があり、アニメ監督やアニメ作品、マンガ家の個展に行ってきたのですけど、そこでそれぞれのクリエイターが他のスタッフに当てたメモを見たんですね。で、印象に残ったのがそれぞれのクリエイターがその制作過程においてほかのスタッフへ出す作業の指示がどれも相手の気持ちを乗せようとしていたり言葉遣いが丁寧で感謝を表亜していたりしていて『あ、仲間内でもわかってもらうためにこんなに気を使ってるんだ』と思って、今回は自分尾好きなことば遊び的な表現とかよりも伝わりやすい表現を意識したのですがいあkがでしたでしょうか。


個展を見にいったことは時間が合れば活動報告で細かく書きたいと想います。


ではまた。

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