遺物ナンバー2 河童伝説に隠された幻の調味料を追え 9
まずは、前回の誤字脱字の多さをお詫びします。申し訳ありません。
早く公開してみなさんの反応が知りたいという気持ちが抑えきれずに投稿を続けてきてしまいましたが冷静になって読み返してみると読者様への誠意が足りなかったなと反省しました。
時間がかかってしまうかとは思いますが出来るだけ直していきたいと思います。
それでは今回の意図です。ネタバレあります。まあ、変えちゃうかもしれませんけど。
まずはプロット的な何かをお知らせします。手書きしたものなので再現しきれないのですがこんなものを書いてから執筆を始めました
一部だけ再現を試みてみます。
1,エロネタを入れる 全身タイツ あえて見せる 先っちょを入れる 前振り
2,侵入して見て回る。
体育館で自転車を漕ぐ少女たち
一階、二階、三階、カッパーに気づかれる カッパーは古代で昭和と呼ばれた時代に描かれた丸と四角で構成されたデザイン
3,4も書いたのですが次話に持ち越しになりました。
前半がギャグ、後半が状況説明という感じです。少女たちの奴隷状態はできるだけ読者様の予想を裏切りつつ、前振りもしてあるという奴隷状態を目指して書きました。
また、オチはミコトの善意がピンチを招いてしまうというギャグとカッパー陣営もそれなりに考えを持っていることを伝えようとしました。
それではどうぞお楽しみくださいね。
ミコトに渡された透明人間スーツ。持ってみると軽く柔らかい。広げてみると春の午後の柔らかい日差しを受けてところどころきらめいていた。だがやがて、その表面にはスーツの後ろにあるであろう民家の外壁が現れた。
『ふーん。カメレオンみたいな感じなんだ。すごいな古代の科学』
ヤスは感心していたが、ある事実に気がついた。
『こ、これって全身タイツじゃないかっ! パンツ大作戦が使えないっ!』
目を見開いて透明人間スーツを見ているヤスにミコトは言葉をかけた。
「ほら、女の子たち助ける勇者になるんでしょ? はやく着替えないと」
「う、うん」
「女の子同士なんだから見られたって平気でしょ。説明書に書いてあったけどなんか裸に直接着たほうがいいらしいから。チャックは前にあるから自分でやれるし。まあ、挟んだりしないように気を付けてね」
思わずアリッサの顔色をうかがうとアリッサは微笑んだ。
「やっぱり、救出はあきらめて帰る気になった?」
「あ、え、うん・・・・・・」
しどろもどろになりながらヤスは考える。
アリッサの前で裸になれば男の子なのに女の子の振りをして裸のアリッサと同じ布団で眠ったことがバレてしまう。アソコをハサミで切り落としちゃうというのはアリッサの冗談にしても怒られ嫌われてしまう。何よりも騙していたことでアリッサからの信頼を失うのが怖かった。
それならば当初の約束通り父が残した古代の遺物の中からアリッサが選んだものを三つ渡して帰ってもらい、また出会うことがあれば女の子の花子は旅に出たことにでもして、男の子のヤスとして出会いをやり直したかった。
「何、言ってんの? あれだけ偉そうなこと言ってたくせに」
ミコトの言葉に我に返る。ヤスは少しうつむき人差し指の中ほどを唇にあて、その指先を鼻の穴の間に押しあて考え込んだ。
「プっ。豚っ鼻になってるし」
ミコトの言葉も届かないほどヤスは集中していた。
『そうだよ、囚われの女の子たち助けなきゃっ。だって、お父さんみたいに弱かったら女の人に捨てられちゃう! ちゃんと女の子を助けられる男にならなきゃっ!』
ヤスの脳がこの状況を打破すべき情報を求めて記憶を探り出す。父が出て行ってから半年の間、誰に咎められることもなく見て、聞いて、親しんできた古代のあらゆる物語が頭の中を駆けめぐる。
そして、浮かんだ。
象さん・・・・・・と。
賭けに出た。
ランドセルから取り出した。
それは1メートルほどのホース。その中には白い粉が詰められその両端は和紙で覆われていた。
「なに? それ」
ミコトの問いにヤスはニヤリと笑ってこう答えた。
「秘密兵器。この中に小麦粉っぽい粉が詰めてあるんだけどさ。これを振り回せば武器にもなるし、和紙を破って振り回せば煙幕代わりにもなるから」
「ふーん。でも別に透明になるんだから要らなくない?」
「でも目とかは隠せないんだからさ。万が一の武器はあったほうがいいって」
「え? どうして?」
「口とか鼻くらいまでは隠せても、目まで隠したらこっちが見えなくなっちゃうし。それに靴は透明じゃないんだし、足跡とか足音とかでバレちゃうかもしれないでしょ?」
「透明シューズも持ってきたけどね。ピョンピョン跳ねられるタイプの。あたしならこの校舎の二階くらいまでなら跳んでいけそうだし。あたしならね」
「そんなの聞いてないから。で? 透明メガネはないの?」
「別にそんなのまで探さなかったけど? こんな風になるとは思わなかったし、これだってあんたのドッキリに使えるかもって思っただけだし。っていうかさ、さっき超焦ってたよね。あたしが服脱ぎだしたら」
ミコトはちょっぴり根に持つ女の子。やられたらやり返すまで気が済まないのだ!
メンドくせ、ヤスは心の中でそう言うと行動を開始した。スカートをはいたままパンツを脱ぐ。足首までおろすと蹴り上げるようにパンツを飛ばした。それから指を一舐めするとその指でホースの片方の端の和紙を突き破った。そして自分のホースをフェイド・イン。
象さんは完成した。鼻の長い立派な象である。
象さん大作戦、コンプリート。あとは、太ももでホースを挟めば、ホースの中のホースを二人の目に触れさせることなく全身タイツ型透明スーツに足を通せるのだ。これならば、たとえ着替え中にミコトにスカートを捲られたとしても隠しきれる。
己の危機管理能力にご満悦のヤスの耳にミコトの嘆きが届く。
「もう、やだぁ」
見てみるとしゃがみ込でいるミコトの後ろ姿。その頭の上には脱ぎ捨てたパンツが載っていた。アリッサは両手で口を押さえ肩を振るわせ笑っていた。
『このチャンスを逃すなっ』
勝利の余韻にひたることなく自分に言い聞かせると急いで着替えを進めた。腹と胸を蛇行しながら這いあがり、首もとまで届いているホースが気にはなったが、達成感に包まれたヤスにとってはささいな問題であった。
その後、透明手袋を身につけた三人の姿は目元だけ残してすっかり見えなくなってしまった。お互いにそのことを確認すると万全を期し、学校の周囲をぐるりとまわり屋上の警備兵から死角になりそうな場所から校庭に侵入した。
草木に覆われたフェンスが周囲を巡らされていたが透明ジャンピングシューズの効果でひとっ飛びだった。透明ジャンピングシューズは三段跳び選手が跳ねているような動きを可能にしていた。しかも世界を代表するような選手たちよりも、より高く、より遠くへ。
目元は他人からも見えているとはいえ人間離れした動きをする三人が、校庭で代わる代わるに案山子に竹槍を突き立てている戦闘訓練中の男たちに気がつかれることはなかった。
三人は誰に咎められることなく最初の目的地である体育館に着いた。そして開け放たれた体育館側面の扉から中をのぞき込んだ。そこには予想外の景色が広がっていた。
所狭しと整然と並べられた数百台はあるであろう無数の自転車。それに跨がり猛烈な勢いでペダルを漕ぐ女たち。十歳前後から二十代前半とも言える年齢の幅があった。誰も彼もが耳にイヤホンを差し入れゴーグルを掛けていた。
頬には汗の滴が流れ、髪は湿っているこいとが見て取れ、その背中からは湯気が立ち上り、足下にはたらいが置かれている。よく見てみると女たちの体にはチューブが付けられており、流した汗がたらいにしたたるようになっていた。
そんな姿の少女たち、全員が全員とも口元から笑みをこぼしていた。だが喋る者は誰もいない。ただペダルを濃ぐ音と数百名の女たちの息づかいが体育館の中にこもっていた。
「なに? あれ。なんかキモイ。汗塗れでニヤニヤしてて」
ミコトのささやき声にアリッサもささやき声で答える。
「汗から塩を作ってるんだと思う。ちょっとキモいけどここら辺は塩が取れないし。ホクトネは塩が貴重だし」
「え? マジで?。よく、そんな塩を食べられるね。って、ん? どうしたの? 花子」
「な、なんでもない。ただ、電気も作ってるよね。ケーブルが床に下に繋がってるもん」
ヤスが付け加えた。自転車にはケーブルが付けられており、それは床に開けられた穴から床下に延びていた。
「じゃあ、次のところ行く? とりあえず全部のところ見てまわんないとね」
アリッサがヤスに尋ねた。ヤスの反応が遅れた。
「どうしたの?」
「あ、いや、あの人たち、あのゴーグルなんだろう? って、思って」
「たぶん、すごく楽しい物が見えてるんじゃない? 現実を忘れちゃうような。古代ではそうやって人を支配する奴がいたらしいの」
「もしかして洗脳って奴?」
「うん。鞭とか振り回して働け働けとか怒鳴り散らす奴がいるならまだよかったんだけど・・・・・・」
アリッサの言葉の意味を考えながら体育館の内部を見渡した。するとバタン、と大きな音が響いた。音のした方に目を向ける。少女の一人が自転車から落ちて倒れていた。自転車にとりすがり立ち上がろうとしたが、ふらつき数歩自転車から離れたとことろでまた倒れる。それから四つん這いで歩みながらも自転車に近づこうとしていた。
「助けなきゃっ」
駆け出すミコトをアリッサが制した。
「待って。落ち着いて。あれを見て」
男二人がだらだらとした様子で担架を運んでいた。少女の元ににたどり着くとトランシーバーに向けて言った。
「えー、193番倒れました。堆肥置き場に捨てちゃえばいんでしたっけ? 息してないみたいなんですけど」
「ダメだ。保健室で確認する。丁寧に扱えよ。補給が絶たれた現在は奴隷も大事な資産なんだぞ? ウェスコスが出張ってきたせいで調達もままならん」
「へーい」
通信を終えると男たちは口々に不満を洩らしながら、取り立てて急ぐこともなく担架に載せた少女を体育館から運び出した。
ミコトは憤慨した。だが静かに言った。大きな音を出してはいけないことは理解している。
「ひどくない? 倒れちゃった人のこと何だと思ってるんだろ! あの子だって一生懸命頑張ってたんだよ?」
三人は頷き合う。気持ちがまとまったのを感じ合った。
そこで様子を伺っていると少女が体育館に入ってきた。痩せこけてみすぼらしい服に身を包んだヤスと同じくらいの背格好の少女だった。うれしいのか笑顔で顔を崩しながら大きな足音をたてて全力で走っている。そして、先ほどの倒れた少女が載っていた自転車に跨がるとすぐさまゴーグルとイヤホンを身につけペダルを漕ぎだした。
しばらく、その様子を見入っていたヤスとミコトであったがアリッサに声をかけられるとその場所をあとにした。そして、外から校舎の中を覗いていき始めた。ミコトは持ち前の運動神経の良さとジャンピングシューズのおかげで屋上まで見渡すことができた。ヤスはかろうじて三階、アリッサは二階までだった。
誰からともなく、単独行動することにした。出来るだけ早く少女たちを助けたい、という願いから焦りが生じていた。それぞれが自分のジャンプが届く限界の階数の廊下、教室などをばらばらに見て回り、後ほど体育館入り口前に集合することにした。それからしばらくして集合場所で顔を合わせるとミコトが興奮さめやらぬ顔で口を開いた。
「あたし、カッパーって奴見つけたかも。屋上に丸とか四角組み合わせたレトロなポンコツロボットみたいなのがいた。さっきのおっさん言ってたよね? 大昔から生きてるって。きっとロボットだから長生きしてるんだよ」
ヤスとアリッサはその話に強く関心を示した。その様子を見てミコトは得意げに続けた。
「なんか、ビーチとかにある椅子に寝そべって女の子にジュース飲ませてもらって、ニヤニヤしてるの。キショかった、屋上よりも高く跳べるからね。超よく見えたよ」
「うん、うん、それで?」
「うん、それでムカついたからバーカって怒鳴ってやってアカンべーしてきた」
ミコトは胸を這ってそう答えた。
直後、校内放送が流れた。
「カッパー様より緊急連絡、緊急連絡。侵入者が現れました。各員訓練通りに配置についてください。なお、古代の科学力で透明になって姿を隠しています。消防班は直ちに校庭に散水してください。繰り返します・・・・・・」
目を見開きヤスとアリッサは見つめ合った。
ミコトは胸を這り鼻の下あたりを人差し指でこすっていた。
もちろんドヤ顔である。
そして少しだけ豚っ鼻になっていた・・・・・・
お読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。前半で笑ってもらえたり。ミコトもなんだかんだでいい子なんだということが伝わればうれしいです。
それでは、また次回で。
では、また。




