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遺物ナンバー2 河童伝説に隠された幻の調味料を追え 5

お待たせしました。

今回やっと河童探しに出発します。ただ出発前のくだりが長いです。

アリッサとヤスの心の交流的なものとアリッサのおっぱいに惹かれるヤスにジェラシーを感じるミコト・・・・・・

という内容をあまり説明的にならないように描写することに挑戦してみました。


あとクリフハンガーと言う方法らしいのですが、このあとどうなるんだろう? と興味を持ってもらえるような終わり方にしてみました。そして。また、次話をかなりお待たせしてしまうという予定です・・・・・・

ま、お楽しみにしてる方がいらっしゃったらそれはそれは申し訳ないことをしでかしてしまうのですが、すいません。

それではお楽しみください

夢うつつの中、ヤスが最初に意識したのは甘い香りだった。次にかけている毛布に、思いの外、熱がこもっていること。思わず胸元に手をやる。ブラウスのボタンがいくつか開かれていることにきがついた。


『ああ、そうか。俺、ナントネ兵たちを森の方に捨ててきてから、花子さんの格好のまま寝ちゃったんだっけ・・・・・・』


 そして股から足が毛布からでていて部屋の空気を感じていることにきがつく。スカートがまくれているのであろう。瞼を閉じたまま昨晩のことが思い返す。


 偽りの宴の姿のままに眠りこける兵士たちを馬車で運んだ。森の草むらで三人掛かりで兵士たちを降ろした。そこまで思い出して顔をしかめた。兵士たちの傍らにしゃがみ込み、懐や持ち物を物色しているアリッサに手渡されたものにオイル式ライターの灯火をかざしたときのことを思い出した。


 橙の熱く小さな炎の中に浮かび上がったのは手のひらほどの木片に掘られた赤子の顔。ただ線が刻まれただけの平面的なものだった。素朴な造りであったがよく観察して掘られたと察せられた。


「作るの大変そう。写真ぐらいなかったのかな?」


「あるわけないでしょ? 古代人ならいざしらず」


兵士たちの服をまさぐりながらアリッサが答えた。ミコトはその言葉に思わずつぶやく。


「そっか。時代が違うんだっけ?」


アリッサがミコトを振り向き尋ねた。


「どゆこと?」


「あ、あたし、実は古代人なんですよ。みなさんが言うところの」


ヤスは戦慄した。内心ではこう思う。


『なに言っちゃってんの? アリッサは眠らせた兵士から物を漁ってるし、助けてくれたけど、信用しちゃだめだって! あ、そうだ!』


顔をこわばらせながらう震える声でミコトに言った。


「お、お姉ちゃん?」


「なに、花子?」


「おしっこしたい、ちょっとついてきて」


「行ってきなよ。あ、そのまえにその板、返して」


 アリッサは明るく言うとヤスに手を伸ばした。手に持っていた赤ん坊の顔が掘られた板を渡すとアリッサは兵士の懐に戻した。ヤスは尋ねた。


「あの・・・・・・ もういんですか?」


アリッサは虚を突かれたような惚けた湖をした。


「え? なにが?」


「あ、この人たち漁るのかなって」


 納得したように大きく何度かうなずくとアリッサは言った。


 「しない、しない。ま、こいつら散々気持ちよくさせてあげたしさ。代金をもらってもいいかもしれないけど」



「幻草で夢を見てたって思わせるしね。なにか物がなくなってたら怪しまれちゃうもんね」


自然と口をついて出た。


「そうだね」

思いの外、その声は低く聞こえた。思わず上目遣いにアリッサの様子を伺う。目が合うとアリッサは穏やかに笑いながらヤスを両手で抱きしめた。ぎゅうっと強く抱きしめた。


『え? 何ちょっと。おっぱいが目の前にっていうか、もしかして、俺、おっぱいの向こう側に来てしまった? どうしよ? なんか暑いし、窮屈。でも、柔らかくって、もっにゅ、もっにゅ。ああ、もう、つかんでみたい、このおっきな、おっぱいをつかんでみたいよぅ!』


思わず握り拳を作った。手のひらがあいていたら手を伸ばしてしまいそうだった。そんなヤスの頭にアリッサの言葉が一滴。


「ヤス」


体がこわばった。


『え? なんで俺の名前を? どうしよう? おっぱいに顔をつけたままでいいのかな?』


動けずにいるヤスの頭に耳に、アリッサの穏やかで、それでいて強さを感じさせる声が届く。


「さっき、兵士の人が言ってたんだけどさ、ウェコスってところでは、嬉しくてよしって思ったときとかそれでいいってときヤスって言うんだって」


そういうとアリッサはヤスを抱きしめる腕を解いた。問いを含めたまなざしを向けるヤスの手を取り手のひらを上に向けさせた。そして自らの人差し指をヤスの手のひらに滑らせ始めた


「いい? あっちの文字でこう書くんだって。わかる?」


ヤスの手のひらに書かれたのはこのような文字だった。


「知ってます。古代では英語って言われてた奴。ワイとイーとエスだ」


「すごいね。英語も分かるんだ」


「え、ええまあ」


ヤスはうつむく。どうやって学んだか思い出す。顔が赤らむ。なぜなら情報ソースはお父さんのエッチな本。


アリッサは言った。


「なんか、こっちが恥ずかしく成っちゃった。早くもどろ」


 そういいきるとアリッサは帰り支度を始めた。ヤスとミコトもそれにならい、三人はほとんど話すことなくヤスの隠れ家がある大学跡地に戻ってきた。その間、アリッサがなにを言おうとしたのか考え続けた。尋ねてみても恥ずかしいからもう忘れるように言われるだけだった。ミコトの意見を聞こうとしたところ、こんなやりとりがあった。


「パフパフはきもちよかったですか?」


「YES!」


「よかったですね」


 それ以降話しかけても無視された。そして、隠れ家にしている大学跡地に到着すると何かあったときにすぐに察知ができそれでいて逃げやすい場所に移動しよう、と話がまとまり、布団を運び込みそのまま倒れるように眠ってしまったはずだった。


  そこまで思い出すとヤスは今自分がいる場所を頭に描いた。非常に広い部屋、かつて大学であった頃に講義が行われていた部屋、夜明けの柔らかい日差しがカーテンの隙間から差し込み壁を照らしていた。薄暗い間接照明の役割を果たしているはずだ。


 それから一定のリズムで顔を覆う生暖かくもかすかな風が他人の寝息であることに想い至った。目の前で寝息をたてているのはアリッサだった。そして、視線を下げるとアリッサの胸の谷間が見えた。発見があった。


『すごいなあ、おっぱいって! 目が離せないよ!』


「不思議だなあ」


声に出ていた。


「おはよ。昨日は遅かったからゆっくりしようよ」


アリッサの声だった。薄く開けられた瞳は笑っていた。


見とれてしまった。金糸のような髪がいくつか顔にかかっている。柔らかな風が流れているように、揺れた。

幸せ、という言葉が頭に浮かんだ。


ヤスは顔を赤らめながら何か言わなきゃ、そう思った。そのときだった。


「ハピネスチャージっ!」


ミコトの声が耳に轟き、低く重たい衝撃が肛門から口を駆け抜けた。瞼をぎゅっと閉じ、尋ねる。


「な、なにすんだよっ。いったいなあっ」


「ハピネスチャージですけど? っていうか、今の人は知らないか。自分のことは覚えてないに教室でこれが流行ってたってことは覚えてるんだよね。隙ありっとかいって、バカな男子がよくやってた」


「え? だからって今やることないでしょ?」


 両手で尻を押さえ身を丸める。痛みが引くとそばでアリッサが立ち上がる気配がした。思わずそちらを見上げる。金色の毛糸玉が見えた。


「起こしてあげたんだから怒んないでよ。 は・な・こ・ちゃん。グッドモーニング」


視線を遮るように顔をのぞき込んでくるミコトの問いに上の空で答えた。


「ゴ、ゴールデンモーニング」


「は? グッドモーニングでしょ? 間違えてやんの。あたしのほうが英語わかるみたい」


そしてミコトはアリッサの格好に気がつく。


『ゴ、ゴールデン』


「って、アリッサちゃん、裸で寝てたの?」


 アリッサは一糸まとわぬ姿で片手でもう片方の手首をつかみ背中を伸ばしている。思い切りよく伸ばした腕を降ろすとミコトに尋ねた。


「うん。ここにいるの全員女子だしさ。暑かったし、ま、いいかって」


「も、もし、もしもですよ? どこかでバカですけべな男子が覗いてたらヤバくないですか? 子供だって男はみんな狼っていうじゃなですか?」


 二人のすぐそばでヤスはアリッサの朝日に照らされた黄金に魅入られている! 


『ま、まるで刈り入れ前の稲穂みたいだ・・・・・・』

 

「ふふ、そんな奴がいたら捕まえて眠らせておちんちん切り落としちゃう。それよりお風呂使わせてもらっていい? 汗かいちゃった。あー、古代にあったっていうキンキンに冷えた麦酒でも飲みたいくらい」


 そう言うとアリッサはヤスに微笑みかけた。


 ヤスはまるでのろいが溶けたかのように体が動いた。ヤスは部屋から飛び出した。ドアから声だけ部屋の中にたたき込む。


「あたし、倉庫で河童探しに使えそうな遺物用意するきゃらっ! 二人ともお風呂から出たら呼びに来てっ!」


 自分をあたしと呼ぶのに抵抗など感じるわけがなかった。ヤスはアリッサの前では女子として振る舞うことに決めた。


 誇りよりも守るべきものはある。黄金よりも価値があるものは存在する。


「おちんちん切られるくらいなら女の服きたほうがマシだもん」


そういうことである。



 それから準備を整えた三人は河童の目撃例が多数あるメガミン沼へ馬車で出発した。沼を目指してかつての大きな街道を通っていた。


 道中、数回に渡り、ナントネ兵による検問を受けた。だが兵士たちはアリッサの自分たちはウェスコスから視察に着た調査員であるという話を信じスムーズに通り抜けることができた。アリッサが金髪碧眼であるということとヤスが隠れ家で用意した上等出落ち着いたスーツのこうかでナントネ兵たちはすぐに納得した。


 ミコトはパンツスーツ、ヤスは古代で裕福な子女が通った小学校の制服姿である。もちろん女子用を着用し、今日はリュックではなく、落ち着いた赤色のランドセルを背負っている。


 そして、周囲に見えてくる物が崩壊した文明を思い起こさせる物が乱立する景色から、自然の多い田園風景の中をしばらく行くと沼が見えてきた。向こう岸が霞んでしまうような広大な沼だった。


「これからどうするの?」


「まずは情報収集」


 そう言うと近くで農作業をしている中年の男を指さした。ミコトとヤスは馬車を降りて近づいてみることにした。ナントネ兵とは違い金髪へ祈願を見慣れぬ農民たちに姿を見せると混乱させるかもしれないという配慮から馬車で待つことにした。


「あのー、このあたりで河童の伝説ありますよね。たしか沼のほとりの神社に河童が祀られてるとか」


助手役として尋ねたミコトに男は言った。


「あんたたち、どっからきたの? 珍しいカッコしてるけど」


「ええっと、ウェスコスって知ってますか?ナントネを支援してる海の向こうのクニなんですけど・・・・・・」


「ああ、ナントネね。鈴木組よりもいいクニにしてくれると助かるね。上納金、安くしてくんないかねぇ。あと道路とか橋とか造って欲しいの一杯あるんだけどねぇ」


「あ、それはうちらではなんとも。でも帰ったらえらい人に言っておきます」


「そうかい。ありがと。で? なんの用なの?」


「あ、河童の調査なんですよ。あたしたち、ウェスコスにはいない生き物について調べてるんです」


「あ、そう。俺もここに住んで長いけど見たことないんだ。ただ、見たことある奴なら知ってるから、ほら、あっちのあいつがそう」


ミコトは農夫の指さす方を見た。


ミコトの背後で農夫が鎌を振り上げた。


 





読むでくださってありがとうございます。

今回は直接的ではない心理描写に挑戦したいと思いました。

読者様が楽しく三人の心の動きを想像できるような話になっていたら嬉しいのですがいかがでしたでしょうか。

次回以降はアクションがメインに成るような気がする今日この頃、という程度にしか次話のこと考えてませんが、っていうか、クリフハンガーをやっておいてこんな感じですいませんっっっ!

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