邪魔だから天に昇っとけ!
Aランク冒険者パーティーが苦戦していた魔獣達との戦いが終わると、然程気にする事も無く、サッサッと進んでいた。
「いやー、凄いっすね。旦那。」
「そうだよね!どうやったらあんなに速く素速く動けるのかなぁ!」
ロッツも直ぐに回復して、魔獣を倒すのに貢献し、他は仲良く談笑していた。ロッツだけほおっておいて。
ちょっと酷くないか?
「あれはいいのか?結構苦戦してるぞ?」
指を指したところには魔獣に乗り掛かられて必死に避けて、反らしてを繰り返している凄い形相をしたロッツの姿だった。
「そう思うなら!ハァハァ!助けろ‥‥‥っ!」
いや、それが人に物を頼む態度か?
命の危機を助けるんだ。
助けて下さいませ。ユウ様。されば貴方の下僕となりて、この命、好きに使ってくれて結構です!とでも言ってみろ‥‥‥って俺何考えてんだ?
頭を横に振り、ふと浮かんで来た思考を消す。
『ギィィィィッッ!!!!』
『グルァァァァ!!!』
『おい!おイイぃぃ!!!!おわああぁぁぁ!!!!??』
ああ、凄く変な声が聴こえるな〜〜。
その後、瀕死のロッツに気付いて直ぐな助けられたようだ。
いや、気付かれなかったらちゃんと助けたよ。
めんどくさかったとか無いから。
進む→魔物と遭遇→Aランクパーティーが窮地に陥る→サクッと殲滅→息も絶え絶えで休憩→進む‥‥‥
この後はこれの繰り返しであった。
‥‥‥うん。時間がかかり過ぎる。面倒くさい。もう時間的に言えば夜だ。ダンジョンの中は鉱石でピカピカと天井が光って分からないが夜だ。
「おい、お前ら帰れ。」
「‥‥‥?」
食事の支度をしながら俺がそう言うと全員が一斉に首をかしげた。
「いきなり何言ってんだこの人‥‥‥みたいな顔するな。」
「いや‥‥‥そんな事言われましても‥‥‥。」
確かにこいつ等がどれだけ(....)足手まといでも‥‥‥どれだけ(....)戦闘時邪魔だと思っていても、それを強制することはできない。
「何って単純にお前ら弱いから帰った方が良いぞって忠告しているだけだ。」
帰るのならば俺が魔法で手を貸してやらん事もない。
「それはそうですね。‥‥‥だが断る!」
「は?」
何故それを知っているんだ?あのジョ○ョの名言を‥‥‥と言うかなぜ断る?
「は〜い。私達は〜やっとこさこの階層に来たのです!こんな所で逃げ帰っては冒険者の名折れ!」
「で?本音は?」
「あなたに付いて行けば、確実にこのエリアは攻略出来そうなので!」
「それに僕達はここから帰るのにも命が何個あっても足りなさそうなのですよ。
結局結論は同じことになる訳です。」
何?何なの?この図々しいくらいの言い分。
うん。少しイラッとした。うん。強制的に御退場願おうか。
【昇龍水(消え去れ)】
俺がそう言うと、周りにある池や沼から水が大量に噴出してきて彼等を包み込む。
「おわ!?な、なんだこりゃ!」
「きゃああああああ!服がっ!!!!」
「な!?何なんですか~~~!!」
「・・・ゴボッ・・・!!」
一部死にかけていたり、気にするところがおかしい奴がいたが、無視だ無視。
そのまま上に向かって吹き上がっていく。
seeyouagain




