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白熱したボス戦闘 20階層

少ないです。

最近、マギクラフトマイスターを読むのに忙しいです。

こんな私をお許し下さい(笑)

俺達はダンジョンを順調に進み、遂に20階層のボス部屋の前にいた。


「次はどんなボスかな。」


感慨も感動も一切詰まっていない声で言う。


「これがボス部屋‥‥‥。中から強い気配を感じます。」


一方で零華は壁に背を預けて肩で息をしていた。


「零華?大丈夫か?うーむ、寄生レベル上げ(パワーレベリング)の方が良かったか?」

「‥‥‥???」


ボス以外は俺にとっては、雑魚でしかないので、零華に戦わせてレベル上げをさせていた。

彼女の身体能力は見事なもので、片足なのに、アクロバティックな動きで敵を翻弄し、身体を切り裂き、倒していた。


「よし、ボスも零華に任せてみようか。」

「ええ!?休まないんですか!?私はこのコンディションでダンジョンのボスか倒せるとは思えないのですが‥‥‥。

それどころか体力が有り余っていても倒せるか‥‥‥。」


零華が力無く反論する。

普通の魔物にも危ない部分があったから、自信が無いのかもしれない。


「え?じゃあ足があったら勝てるのか?」


フレーズの中に何となくだが足のことを気にしているフシがある。


「恐らくは‥‥‥。でも欠損を治すには神級の回復魔法か、エリクサーが必要です。

そんな物、普通は一個人が‥‥‥!!」


自分で言っている最中に気づいたみたいだ。

俺がそんな物を普通に持ってる一個人だった事を思い出したようだ。


「【ハイヒール】」


手を足に添えて呪文を唱える。

本来、ハイヒールは教会の司祭クラスや教皇クラスの人間でも使える魔法だ。

少し前に出会った聖女様でも使える。


しかし、俺の魔力量と技量は文字通り桁が違う。

効果を普通の何十倍にも高めることが出来るのである。


よって起こり得る事象は‥‥‥完全回復。

光り終えるとそこには細くてキレイな足があった。


「‥‥‥えっ?」

「よし治ったな。ついでに体力も全快にしておいた。これで心置き無く戦えるな?」


零華は暫く呆けていたあと、凄い勢いで立ち上がり、何故か俺に抱きついてきた。


「‥‥‥とう‥‥‥あり‥が‥‥とう‥‥‥ありがとう‥‥‥ごさいます。」

「ああ、これからは俺の為に頑張ってくれよ。」


若干泣き声で零華がお礼を言って来る。

俺は零華の頭をゆっくり撫でながら、暫くそのまま慰めていた。




「ハアッ!」


今彼女は20階層のボス、神眼で観たところ、ダークフレイムマスター(笑)と先程の羞恥を振り払うような進撃で、戦っている。


その名の通り、魔術師然としたローブのモンスターが黒い炎を放って攻撃していた。


その炎を危なげなく避け、壁を利用して跳躍し、地面を滑るように走り、籠手で抉る。

相手は完全な遠距離型、彼女は近距離が得意で魔法も使える。


本当ならばダークフレイムマスターは零華を近づけさせないように距離を取って戦うべきだが、縦横無尽に壁を駆け回る彼女には直ぐに距離を詰められてしまうので、あえて中心にいる。


こうなると着実にダメージを与え、体力を削ってギリギリ零華が勝てるだろう。

無論このままだったらの話だが。(フラグ)


するとダークフレイムマスターが、零華から距離を取り、持っていた杖を振り上げて何やら呪文を唱え始めた。


この世界での呪文は、厨二病の発言なので日本にいたクラスメイト達には、黒歴史を刺激されて悶えるやつもいるだろう。


それでも呪文は時間は掛かるがその文、強力な魔法を放つことが出来る。


それを警戒してか、零華が距離を詰めようと動こうとしたところ、周りからボスと同じようなローブと杖を持った、少し身体が小さいだけのモンスターが出現した。

分かりやすく言うと、ボスの劣化モンスター(取り巻き)が出現した。


「ヴェアアアァァァッッ!!」


奇怪な叫び声をあげながら、普通の赤い炎が俺に向かって打ち出された。


まさか、戦闘に一切参加していない俺を狙うとは思わなかったので多少面食らったが、魔力操作で魔力の壁を作り、防御した。


それは炎が俺の前でただただ停止しているようにも見える。

それをそのまま弾き返す。


特殊な魔法とかでもなく、支配件を乗っとるわけでもない、ただの力技。

それに驚愕していた劣化mob共は、成す統べなく、自分の魔法で自滅した。


そんなやり取りを此方でしている間にも零華は順調にmobをズバッズバッと爪で切り裂き、進んでいく。


しかしダークフレイムマスターに刃が届く一瞬前に魔法の詠唱が終わった。


「くらえ!我が大魔法!魂の黒焔(ソウルブラックフレイム)


詠唱と共に黒い炎が飛び出して来て、零華に覆いかぶさろうとした。


「ふははははははは!その炎は貴様の魂まで燃やし尽くす!

地獄の焔に抱かれて消えろ!」


何処かで聞いたことのある代詞を叫びながら、零華の負けを決め付けてか、俺に炎を放ってきた。


「こちらを無視しないでもらえますか?」

「何!!生きていただと!?」


零華が煙の中から突っ切って来て、ボスが驚愕し、近距離だった事もあり、直ぐに距離を取ろうとして少し体勢を崩した。

1秒足らずの短い隙だったが、それだけでも彼女には十分だった。


「はあああああああ!!!!」


綺麗な足捌きでボスの体勢を更に崩させ、そのまま連打で滅多打ちにする。

ボゴッボゴゴゴゴゴ!!!!

肉が裂け、骨が折れる音が薄っすらと聞こえてくるようだ。


「ぐおおおお!!何故だ!?何故だ!?何故だ〜〜!!??」


肉を抉られながらも必死に防御する。

ドンッ!と音を立ててボスが上、後ろ、横、と縦横無尽に動き回るが、零華はその動きにピッタリとついていき、篭手の刃になっているところで薄い肉を骨ごと貫いた。


「いぎゃああああ!!!???」


上がる悲鳴を無視してそのまま氷魔法を刃を通して流し込む。


ピキッピキピキっ!とミスリルの刃によって威力が上がった魔法でジワリジワリと身体全体が凍っていく。


腹から胸、胸から腕や頭ヘと機能を停止させる。


ドサッ、パキパキッ。

倒れた氷は地面に叩きつけられて、粉々になったと思ったらシュワッと蒸発して消えた。


少し呆気なさすぎたせいか、警戒の色を見せていたが、時間が経って、もう出てこないと分かると両手を振り上げて喜んだ。


「や、やりました!やりましたよユウ様!ユウ様が私の足を治してくれたお蔭です!」


零華は治った足でピョンピョン跳んで喜びを表現する。

優はそんな様子を見てどこかホッコリした気分になる。


「よし!この調子でどんどん進んでいくぞ!」


そう言って下の階層へと繰り出す優であった。

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