表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マグロ拾い  作者: いずの
1/2

僕のバイト

 どうやら、特急に飛び込んだらしい。原型をとどめている部位はなく、これが人だった判断するのは難しい。しかし、残念ながら人だ。

 制服と思しき物が線路に挟まっている。

「狩野さん、これ遺品になりますかね」

「……んん、どうだろう。ちょっと破損が多いけど制服とわかるからなあ。一応とっておいて」

「了解です」

 これ以上に制服が壊れてしまわぬように慎重に取り出す。

 胸ポケットから学生証らしきものが見えた。

「あ、学生証が入ってました。……伊藤咲、17歳、僕と同級生か」

 慣れてはいても、同年代ましてや同級生の死は心が揺れる。

「加藤くん、あとはわたしがやっておくから血の掃除をお願い」

「……ありがとうございます」


 僕はマグロ拾いというバイトをしています。

 まぐろと聞いて魚のマグロを連想すると思いますが、僕が拾っているのは人です。正確には人だったもの。

 線路内に飛び込んだ人の遺体を掃除するのが僕の仕事です。

 仕事、というよりもバイトです。

 まだ、高校生なので。

 僕には両親おろか身内がいません。経済的援助がないのでこうして自分で稼いでいます。

 このバイトは普通の仕事よりも給料が高く、時間も短くて済みますので僕にはぴったりです。

 ですが、あまり精神衛生上よろしくない仕事なので人手がいつでも足りません。ですので、本来は雇うことのない高校生も僕も雇っていただいています。

 この仕事は普通の人では心が壊れてしまうからです。

主人公 加藤 雄介 かとう ゆうすけ 高校生

    狩野 岬  かの  みさき  バイトの先輩

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ