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比重
生まれいずる命に
無から有への変貌に
暗闇から光を目指す心に
悪はない
命は平等に尊厳を持って
命は並列に流れに沿って
命は重く命は重く
悪などない
生きてるもの全てに
存在を得るもの全てに
その意味があり
生きてる事が場所になる
そこには悪などない
命の存在に悪はない
生きてる意味を探すなかれ
生きてる価値を探すなかれ
生きてる証拠を探すなかれ
生きてる根拠を探すなかれ
生きてる理由を探すなかれ
生きてる摂理を探すなかれ
生きてる有無を探すなかれ
命は等しく平等に重く
命は等しく平等に尊厳があり
命の比重は神でも知らぬ
命の比重は仏も知らぬ
生まれる命に悪はない
ただ懸命に生きようとするだけ
そこに悪はない
等しく善で
比較も出来ず
重みの善で
尊厳のみが存在す
闇夜に溶け込む星の光
夜空に覆われし月光
視界をさえぎる闇さえも
命の鼓動は消せはしない
命の脈動は消え失せたりしない
善の息づく悪なき世には
命を量る天秤などない
見えざる命は軽くない
見えざる心は軽くない
見えざる己は軽くない
そんな個に悪などない