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聖女の味は○○風味

 奴隷商人から預かった女の子のスキルはすごかった。

 アリアと話をするうえで見せてみたけど、アリアが絶句する程の高スペックだった。戦闘に関するスキルはないものの、普通の8歳の女の子は持たないだろうスキルまであった。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

名前:サラ

年齢:10歳

称号:債務奴隷・元商人見習い・努力家

特殊スキル:鑑定眼(自動発動型)

スキル:鑑定Ⅳ・識別Ⅱ・探索Ⅰ(視覚情報のみ)・夜目Ⅰ(弱)・目利きⅤ・会話術Ⅰ・算術Ⅰ・暗記Ⅰ・商業知識Ⅱ・料理Ⅱ・家事Ⅰ・魔道具作成(適性あり)・錬金(適性あり)・他国言語(適性あり)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 なんかこのスキルを見ていると、この子商業チートができるんじゃね? って思うくらいすごかった。

 でも、商業チートだからといって、勇者と一緒のパーティに加えるには少し根拠が弱い。それにアリアが足手まといを増やすなと反対しているっていうのも大きかった。まぁ、顔を真っ赤にしている時点で嫉妬っていうのもわかっているんだけどね♪

 戦いを覚えさせるにも、まだ8歳だしな。これだけ高スペックで料理も家事もできて、確実に美少女になるだろうし、将来的には嫁にしたい人物ナンバーワンになるんじゃねぇの!?

 うん、アリアに反対されているけど、やっぱりこの子は買いだ! 

 どこぞのロリコン親父に先を越されるくらいなら、俺が保護してやらねばいけないだろう! それで、俺が育てた美少女に『助けてくださってありがとうございます勇者様♥』とか言われちゃうのは憧れる!



 次の日、アリアに内緒で奴隷商館に行った。

 昨日の今日でやってきた俺に対して、奴隷商人は物凄く驚いた顔をしていたけど、あの子を引き取りたいと伝えると、そうですかと苦虫を噛んだような顔になった。



「勇者様がお求めにならなければ、あの子は私の養女にして後継として育てようと思っていたので、残念です」


「いや、こちらも優秀な人材は喉から手が出る程欲しいので……」



 確かにあのスキルを持っていたら、商人は誰だって後継者とか嫁に欲しいと思うよな。って言うか、あの子の親は良く手放したもんだと思う。だって、あの子が居れば少し時間はかかるかもしれないけど事業は上向きになるんじゃないの?



「さて、気持ちも切り替えましたので商談といたしましょう。先日お渡しした書類にもある通り、あの子は規格外と言ってもいい程優秀なのはお分かりになるでしょう。通常の奴隷の相場は成人男性で金貨10枚、女性なら金貨12枚、子供はそこから少しだけ値が下がります。そこにこの商館に居た日数を金額になおし、且つ奴隷本人を買い取った金額が本人の債務として上乗せされます。ここまではお分かりですかな?」


「はい」


「あの子は貴重な魔眼の持ち主で貴重なスキルを持っています。そのため奴隷としてこちらに買い取られた金額が大変高額になっております。私どもは奴隷市場に出品することはございませんが、もし出した場合はあの子はとてつもない金額が付く上に、それでも構わずに即買いする者はかなりの数に上るでしょうなぁ」



 奴隷商人から買い取りにかかわる金額の説明を受ける。

 そうか、奴隷商人っていうのは借金の引受会社みたいなものなんだろうな。身請け料金に関しては、奴隷の売買にかかわった金額と基本料金、それと売られるまでにかかった諸経費が上乗せされるのか……。

 そんなことに納得しつつ、奴隷商人の説明をひとつひとつ聞いて、あの子の買い取り金額を見た時には驚いたね!

 女の子一人におよそ金貨100枚とかありえない!

 基本料金は女の子供だから金貨9枚、奴隷商人に引き取られたばかりだから諸経費はあまり掛かっていない。でも、あの子を買い取った金額が金貨90枚もしている。

 しかも市場にこの子を出せば確実に値段は吊り上るし、それでも言い値で買う人が居るって!? なんてこったい!即断即決するしかないってことだよな。

 うーん、俺の今の資金がいくらだったっけなぁ? パーティのお金に手を付けるわけにもいかないし、どうするか……。



「奴隷本人の債務の肩代わりをする名目で奴隷の主人になるのですから、奴隷を買うというのは相応の財産を持っていることが条件になります。分割払いは基本的に受け付けておりませんのでご了承ください」



 う、やっぱりそうなるよなぁ……。

 奴隷ハーレムとか結構憧れるよなぁ、ご主人様呼びとかさぁ!

 奴隷ってご主人様に逆らえない訳だろ? ちょこっとアブノーマルなことしちゃっても『お、おやめくださいご主人様!』とか言われちゃったりするんだろ!? 萌えるよな? 



「ちなみに、この子は債務奴隷です。こちらで買い取った際に性奴隷として登録はしなかったので、そういったことはできませんよ?」



 ぐっ、この奴隷商人のおっさん俺の心を読んでるんじゃあるまいな!?

 なんか、ちょいちょい良いタイミングで俺の考えていることをピンポイントで釘を刺してくるんだけど!?



「ゴホン! すみません、お金はありますがパーティの資金に手を付けるわけにはいきません。なので、しばらく身請けを待っていただくことはできませんか?」


「なるほど……。でしたら、前金としてあの子の身請け金の一割、つまり金貨10枚を置いて行ってくだされば、保留という形で売りには出さないようにしておきましょう。あの子も体調が悪いのでそれを整える時間も必要になりますからね。ただし、こちらも商売ですので時間を区切ります。ひと月以内にお金をお持ちいただけないのであれば、キャンセルという扱いにいたします。その際はお預かりした前金はこちらの手数料としていただきます。もし、それ以前にキャンセルをなさるのでしたら、前金はそのままお返ししましょう」


「それでお願いします」



 妥協できる範囲はこのくらいかな? 仕方ないから手付金として金貨10枚をどんと置いた。



「では、こちらの契約書にサインをお願いいたします。この契約書は奴隷売買でも使われる魔道具になっております。契約者本人が分かるような仕組みになっているので、お手数ですが最後に血判をお願いいたします」



 へえ、魔道具ってこういう使い方もするんだ? 魔法がかかっているもの全部魔道具っていうみたいだけど、それってざっくりとしすぎてないか? と思ったりする。

 契約内容をよく読んで、甲とか乙とか書いてあるけど、多分内容は問題ないとおもった。ナイフで親指を傷つけて血判を押した。契約を結ぶだけで血を流すのって面倒だなぁ、痛いしさ!






 それから、しばらく俺は俺の嫁(予定)の為に金策に奔った!

 冒険者ギルドに登録しておいたおかげで、魔物の討伐のポイントと金をがっぽり稼ぎ、目標金額まであと少しというところでアリアにバレた(汗)



「どうして私に相談をしてくださらないのです? それほど私は頼りになりませんか?」


「いや、そういうことじゃなくて! そう、これはアリアの為でもあるんだよ!」


「私の為?」


「そ、そう! 俺らそれほど城下町に詳しいわけじゃないだろ? 身なりはかなりいいから勇者だって知られなければ結構ぼったくられてるんだと思うんだ」


「そこは、恵まれた者こそお金を民に還元すべきなので私はあまり気にしていませんが……」



 なんかアリアの思考が支配者向きっぽいな。いや、聖女は民を導く存在だから間違ってはいないけど、俺が言いたいのはそうじゃなくてだな!



「いや、そうじゃない! 今は俺とアリアの二人だけだけど、魔王の討伐ではきっと二人だけでは駄目なんだ。そのうち戦力になる人がパーティに加わると思うけど、そうなったときに金銭管理ができる専門家が居るととっても心強いと思うんだ」


「それが、あの奴隷だと?」


「そうだ。アリアも見ただろう? あのスキルは商業神の加護でも持っているんじゃないかと思うくらい充実していた。戦闘には役に立たないかも知れないが、俺らのパーティに必要な人材だと俺は確信しているんだ!」


「……勇者様がそこまでおっしゃるなら、私が反対するのもおかしな話ですわね。ですが、これだけは覚えていただきたいのです、私が好いているのは貴方様だけなのです。勇者と聖女は一心同体と申します、パーティにあの子を加えるのであれば私を本当の意味で……してくださいませ!」


「!?」



 ちょ!? なに言っちゃってんのアリア!?

 え、マジでいいの? 聖女なのにそんなことしちゃっても、あとには引けないよ!?

 俺ってば、いろんな意味で喰っちゃうよ?



「……いいんです。勇者様、私をもらってくださいませ」



 耳まで赤くなっているアリアを目の前に据え膳食わねばなんとやらだったので、この後滅茶苦茶○ックスした。


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