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【閑話というか、これまでを振り返ってとこれからのこと】

第三章終了を目前に、話が込み入って来ましたので、一度整理致しました。

 これまでの主な登場人物と能力のまとめと今後の展望について。


 ~魔王と仲魔たち~


 〖魔王〗


 干渉者ラグズが半身を分けて生み出した存在で、ラグズと共に星の創造に関わっていた。


 ラグズが本来干渉者にはないはずの心を与えたことで、星の惨状を嘆き、悲しみに満ちた心をもってセイタンは地上へと降りた。セイタンの中では無意識の行為であったが、これが干渉者(テンパラー)から干渉者(インターフィアラー)へと自ら変貌した瞬間であった。


 地上に降りてすぐに、彼は偶然そこに居合わせた転生者の悪意に直に触れた。これにより彼の心は転生者に対する憎悪に染まり、彼は転生者殺し(リバースキリング)を名乗り、転生者を殲滅して、星を魔力汚染から救おうと決意した。


 その行動原理は転生者をいかに殺すかにほとんど特化しているため、その他のことに気を回せない。しかし、かつてシャイナとスレイプニル、ルドルフという存在と心を通わせたことで、行動を共にするものを守ろうと考えるようにはなった。


 もとが神のごとき存在であったため、仲間に対しても尊大な口のきき方をする。転生者のことは害獣としか思っていないため言わずもがなである。目的のためには手段を択ばないが、単体で戦闘を行う以外の細かな作戦はレミアやレンが立案し、ほぼそれに任せている。


 また彼自身、転生者を殲滅して星を救った後はどうなるのだろうと考えていたところに、絶対観測者だの干渉者だのが現れて、すごく混乱している。


 〖魔王の能力〗


 〇光弾/黒弾


 元は干渉者がもつ白い波動のエネルギーを使い、遠隔攻撃用に開発された。質量、密度、体積を自在に調節することで様々な用途に仕様できる。レミアと『血の盟約』を交わして以降は、星の気―魔族の力と混ざり合い、より強力となった。現在は、高熱(最大で10,000度程度)を放つ光弾と、物理的に敵を破壊する、あるいは弾けて目くらましに使うものを黒弾として使い分けている。もっとも安定した威力と生産性から、バレーボール大の黒弾を汎用としている。これは一度に500個程度、時間をかければ3000個ほどは生み出せる。追尾や軌道の操作が可能なのは可視範囲にあるものだけで、その数は500が限度。


 また小さくとも貫通性だけを考慮して、高密度の弾丸のように使用することもできる。今後、ある者の提案でガトリング砲化する予定。しかしどのように進化しようとも、巨大熱光弾に敵う者はないと、作者は信じている。


 〇光刃/黒刃


 力を球体から薄く成形し、刃の形をとらせたもの。針のように細くすることもできる。また、手刀の延長のように出現させ、短剣、剣のように使うことも可能。まさにカプリコーンのシュ〇。光弾の派生であるため、飛ばして使うことも可能だが、生成には光弾より時間がかかり、力の消費も1.5倍となる。必然的に一度に生み出せる数は光弾の2/3ほどとなる。ある転生者との出会いののち、黒刃は超振動ブレードと化す予定。


 〇黒穿槍こくせんそう


 光弾の千倍の密度でもって生成される投擲用の槍。こくせんそうという名称から察せられるように、一発一発が核弾頭ミサイルくらいと言おうと思ったが、それでは原住民が全滅してしまうため、一発で最強の結界に穴が開くくらい。獣王レオンでも受け止めれば腕が吹っ飛ぶくらいとご理解いただきたい。と、いうことは火口に突き刺されば、再び終わる世界となってしまうわけだが…


 黒穿槍は、その先端に魔剣『足黒蛭』を装着することで、反則的性能の槍として使用することが可能。しかし、遠隔操作のみ。直接握ってしまうと、力を際限なく吸収されてしまうのだ。詳細は、作中にて語られているのでそちらを参照頂きたい。


 〇黒鎖


 ユージ・ハリマの能力にヒントを得て、敵の緊縛に特化した魔王の鎖。鎖の輪の強度は最大硬度の黒刃に匹敵し、一つの輪の大きさは5cm程度。黒鎖全体の長さは、力さえ続けば無限大だが、黒弾や黒刃と比べて生成に異常に時間がかかる。現段階では10メートルの黒鎖を作るのに丸一日かかってしまうが、光弾と同程度の速さで迫り、あっという間に敵を絡めとり、さらに輪の三つごとに鋭い鉤爪が付いているため、それらが敵の外殻に食い込んで締め上げるという優れものである。魔王も作者もお気に入りの作品なのだが、レンにはウケが悪いことを、魔王は密かに気にしている。


 〇?????


 とある転生者と白竜の少年との出会いが…おっとこれはまた、別のお話。




 〖シャイナ〗


 イスキリス崩壊前、ベルの町に住んでいた残虐転生者一家『ヒイラギ家』の性奴隷であった原住民の母と、ヒイラギ家の誰かの間に生まれた女の子。産まれてから死ぬまでひたすらに不遇であったが、セイタンとの出会いでわずかな時間、人間らしい生活を送ることができた。しかし、振る舞った料理によってセイタンの身体が一時変質し、人間のようになってしまったことから、彼と共にヒイラギ家に囚われ、拷問を受ける。最期は自らの死をもって、セイタンの心に愛を芽生えさせた。


 〖スレイプニル〗


 転生したら馬だったという残念な運命を背負った喋る馬。生徒の自殺に巻き込まれて死亡し、同じく転生したユカリという女教師の恋人に会いたい一心で転生した。転生者殺し(リバースキリング)にユカリを殺されないようにと、行動を共にするが、それによってベルの町を守護する転生者に殺されてしまう。しかし、死の間際にのみ発動可能な魔力を解放し、ベルの町に張られた防衛線を突破、町の中央にセイタンを運んで力尽きた。その後のユカリとの一幕で、魔王は報われない愛の存在を知った。


 〖ルドルフ・アテライ〗


 原住民。王都ギルド長の息子であり、手習いとしてベルのギルド長に就任していた。星の魔力汚染を憂いていた彼は、セイタンとの邂逅を経て、転生者殺しの協力者となろうとする。転生者殺し(リバースキリング)がベル周辺に出現したことから王とギルドの双方から討伐命令が下り、姉を王宮に人質に取られている彼は、転生者を率いてセイタンに戦いを挑むことになった。スレイプニルの活躍によって布陣を崩され、大敗を喫したが、最期は死をもってセイタンに供に歩む者を失う虚しさを教えた。


 〖レミア・フェレス〗


 星に生み出された魔物の中で、魔力に侵されることなく進化を遂げた、純粋な星の気を操る純血の魔族。その最後の生き残り。


 彼女の一族は戦いを好まず、清浄な大地を求めて旅をしていた。ようやくルッツの村周辺の森に落ち着き、ひっそりと暮らしていたが、転生者に発見されてしまう。魔族の主も殺され、絶望しかかったところを魔王に救われ、行動を共にすることになった。行動原理は魔王と同じく転生者(ゴミクズ)の殲滅であり、冷徹さにおいても魔王に引けを取らない。


 鉄壁の防御と魔王に劣らないスピードを誇っていたが、戦う力は解放されておらず、序盤は足手まといであったレミアだが、獣王に敗れ、アマンティアの噴火から逃れようとする際、無理矢理魔王のファーストキスを奪い、『血の盟約』を果たした。


 現在は解放された純血魔族の能力と官能的な肉体をフル活用して、魔族の名に恥じない転生者殲滅作戦を展開する魔王の右腕となっている。


 〖能力〗


 〇幻惑


 吐息が届く範囲(半径3メートル程度)にいる男性を一人、完璧な支配下に置くことができる。彼女の祖先がサキュバスであるという設定をかなり拡大させた能力。五感の全てと記憶を操作し、望むと望まざるとに関わらず、幻覚を見させたまま能力を行使させることが可能となる。また記憶の読み取りも可能であり、今後捕らえたレザイアの技術者を使ってあれこれやっていく予定である。


 ちなみに魔王様は男性とか女性とかいう存在じゃないので、幻惑にかけることはできない。


 〇再生


 致命的な損傷(心臓、脳や脊椎の欠損)でなければ即座に治癒する。これにより魔王は翼を再生させることに成功したが、レミアの力が大量に流れ込んだ影響か、はたまた彼の心が転生者への憎しみで染まっているからか、その色は黒であった。


 〇?????


『魂の盟約』によって解放される、星の気を…ああ、いやこれはまた、別のお話。




 〖レン・ラシルバ〗


 純血の魔族とは別に、竜族という種の生き残り。現在は二百頭ほど生存している白竜の長、雲竜ことダン・ラシルバの娘。


 戦闘能力は一般的な白竜と変わらないが、レミアと共に魔王の参謀として、転生者殲滅作戦の立案にかかわる。なぜか、レミアが調達してきた学者風白衣を気に入って着用している。父である雲竜の命に従い、魔王を補佐するレンであるが、純粋であるがゆえに騙されやすい面もある。


 今後、エオジットの地において弟の…これはまた、別のお話。


 ちなみにレンは『錬』、『恋』、『鎌』を表す。




 〖ダン・ラシルバ〗


 白竜たちの長、空の王、雲竜の名を冠する歳経た白竜である。星の魔力汚染を憂えていた一人であり、魔王の転生者殲滅に全面的に協力している。現在はエオジットの地に潜伏し、彼の地で転生者の動向に目を光らせている。




 ~強力な転生者たち~




 【竜を狩る者(ドラゴンキラーズ):ダイチとアスカ】


 元は同級生だったダイチとアスカは、ダイチが転生して復讐を果たした迷宮で再会後、行動を共にする。力を高めるうち、星の魔物の中では最強クラスのドラゴンですら屠る実力を身に付けた二人は、ギルドにおいて特権階級の略で特級認定を受ける。ルドルフの魔王誕生に関する報告を受けて発令された非常招集に応じた道中で魔王と出会い、両名とも死亡した。


 実は彼らの子孫が…的な展開を考えていたのだが、それはボツとなった。今にして考えてみれば、作者が一番許せないのはヤスオカかもしれない…


 当時の魔王と、竜を狩る者(ドラゴンキラーズ)の二人の実力は肉薄していたが、戦いの中ですら成長する戦闘民族のような魔王に敗北を喫した。ラグズが心を与えたことによって、魔王は心と共にその実力を成長させていったのだった。




 【獣王レオン】


 レオンは生前すごくいいやつだった。母さんのために頑張っていたし、その母親の死後も懸命に生きようとしていた。そこへ現れた父親のおかげですべてが狂い、彼は自死してしまう。人と関わりの少ない世界への転生を望んだところ、獣人族の王国へ送られてしまい、殺伐とした日々を送るうちに身も心もケダモノとなった。


 ちなみに彼に殺されたベラシアは、彼の異母兄妹であった。その肉を喰らい、さらに凶悪な獣となった獣王の一撃によって、アマンティアが噴火し、イスキリスは崩壊した。噴火の直前、彼はベラシアの遺体を持ってどこかへ逃避したはずだが、現在のところ行方知れずとなっている。




【ユージ・ハリマ】

 

 生前に医者を目指していた彼は、まさに人生これからというところで事故死した。


 転生後は、自身の強大な魔力に加え、魔物使役(モンスターテイム)という特殊な能力でもって活躍していた。大災害後も灰と有毒ガスの除去に尽力し、ある意味では星を救った英雄である。


 しかし、大災害による星の汚染は除去できても、今度は魔力の汚染は空にまで広がってしまった。


 彼はレミアの幻惑によって、幻を見ながら千の魔物を使役し、レザイアを壊滅状態に追い込んだ。自らの恋人を二人も殺害し、絶望に暮れるハリマであったが、これまでの功績を讃えられ、甘い夢の中で長い生涯を閉じたのだった。


 ちなみに、彼が使役した大海溝の底―星の核にもっとも近い場所に眠る魔物たちは、今後…それはまた、別のお話。




 ~百老と王家の人々~


 開祖を含め、四人の百老と王家の人々のお話は近々で語られる予定です。お楽しみいただければ幸いです。




 ~絶対観測者と干渉者、その召喚と顕現について~


 ※あくまで作者の解釈です。観測者という概念をRebirth Killing用に捻じ曲げたものです。


 宇宙に存在する全ての物質は、何者かによって観測されることによって、その存在を認められる。すなわち誰にも観測されないものは、存在しないのと同義である。


 作中では、絶対観測者は宇宙全体を俯瞰する位置に在る絶対者ではるが、それを見ることができるのは干渉者エイワズだけであり、現段階ではほかの存在が観測者を認識することは不可能である。


 干渉者は、観測者によって遣わされた世界の調整者―テンパラーであり、人間の未来を一つの結果に収束させることによって、無限に広がる平行世界に歯止めをかけるという至上目的を持つ。


 干渉者は額にルーン文字を冠しており、それぞれの特性に従って宇宙の統制を取ろうと活動しているが、基本方針として、星に自ら降りてその運命を左右することは許されていない。


 ラグズの分身であるセイタンが星に降り、自由意思をもって星の運命を変えようとする行為は、絶対観測者とエイワズが定めたルールから逸脱した行為であった。


 干渉者(インターフィアラー)召喚能力を行使したユウイチロウだが、その際顕現する干渉者は決められていない。これは、ルーン占いのように、その時に応じて必要な性質をもつ干渉者(テンパラー)が選択され、干渉者(インターフィアラー)として顕現するという設定による。


 したがって、今回ハガルが顕現したのも、ユウイチロウにとっては、予測を上回る困難や突然の災厄を意味するルーンが顕現したといえよう。すなわち魔王の意表を突いた戦闘や、足黒蛭の存在であった。ユウイチロウは、自身の能力に慢心せず、ハガルが憑依した時点で、もっと慎重に困難に立ち向かうべきだったのかもしれない。


 また魔王にとっては、まったく未知の存在が降臨したかと思えば、自身とそれを生み出した干渉者の存在が明らかとなるなど、まさに青天の霹靂であった。持てる力を駆使して困難を乗り切った魔王の運命に、今後どのようなルーンが関わっていくのか。


 それは、これからのお話。

 

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