11.純血魔族
ベルとレザイアを繋ぐ転移魔法陣に、再び魔力が通った。
白い装束の転生者にルドルフが託した紙束を持たせ、魔法陣の向こうに消えていったのを確認して、私はギルドの建物に火を放った。何度も力を行使する中で、私は力の熱量をどうにか調節できるようになっていた。
ルドルフは、あの紙束が届けられれば勝手に転生者が私を目指して集まってくるようなことを言っていたが、ここに留まるべきか、当てはなくとも旅立つべきか。
私は、ギルドの屋上から転落死したルドルフの遺体を焼き、あっという間に炭化していく躯を見つめながら考えていた。
天から堕ち、今日に至るまでに狩った転生者は数百匹。
たった数百匹の転生者を狩る間に出会い、失われた三つの魂。
シャイナ、スレイプニル、ルドルフ。
大きな喪失感が、私の心に広がっていった。これまでにたくさんの生き物が生まれ、死んでゆくのを見てきた。理不尽に奪われる命も数多く見てきた。転生者がこの星に現れてからは、よりたくさんの命が失われた。
かの世界で不幸な死を遂げた者たちは、かの世界の神によって転生させられた。
では、神が去ったこの星で、理不尽に命を奪われた彼らの魂は、誰が救うのだ。
かつて共に在った創造主は、未だ戻って来ない。いつか再びこの星に戻ったとき、彼らの魂をお救いになるだろうか。
断言できることは、これ以上魔力によって星の汚染が進めば、ここは人の住めない魔物と害獣が溢れた世界になってしまうということだけだ。
ならば、私が成すべきことは変わらない。
穢れた魔力をまき散らす害獣共を絶滅させる。この星から魔力を一掃し、あるべき姿を取り戻す。かの世界の神は、それを許さぬかもしれぬ。
なれば私は、神をも殺す。
私を魔王と呼んだ男の躯が完全に炭となって、背後のギルドが焼け落ち、落下してきた欄干か何かに押しつぶされた。
Satan。堕ちた天使、神の敵。
この星に魔物や魔獣は数多く生まれたが、魔王と呼ばれる存在は誕生したことがない。私を創った神は、こうなることを予見していたのか。私がSatanと名付けられたことは偶然なのか、必然であったのか。
「まさに、神のみぞ知るということか」
私は笑って独り言ちると、下を向くのを止めた。神を思って天を仰ぐことも、も
うあるまい。
私はベルの町を後にした。
目指すは王都。穢れた血族が支配する国など、在ってはならぬ。
街道を進む。
時折現れる魔物は、私を見て襲い掛かってくるものと、逃げ出すものの二通りが大半であったが、中にはこちらを観察しているかのように、数分から数時間、私の後ろをついてくるものも在った。
襲ってこないのならば、魔物は無視した。ルドルフが言っていたことが真実なら、いつ強力な転生者に襲われるかわからないため、できるだけ体力を温存しておきたいと考えていたからだ。
このまま街道を進むと、レザイアに到達するのだろう。
飛ぶことができれば、上空から王都を探せるのだが、私の背にかつての翼はない。
一時的に私の身体が変質した際に負った傷は治癒していたが、翼を切り取られた場所は、表面上は平滑な皮膚に覆われているが、ときどき痛みを感じることがあった。人間でいうところの、古傷が痛むというところなのか。
それにしても、と私は思案した。
魔法都市には一万に近い転生者が暮らしていると聞いた。戦う力を持たない技術職の転生者もそれなりにいるという話だったが、それらは数のうちに入るまい。
問題は数千匹の戦闘集団を相手に、いかに戦うか。
平地に陣を敷き隊伍を組んで、一の敵を打つ構えであれば、熱量を極端に上昇させた力で容易く粉砕できよう。しかし、兵法など知らない私が考えても、そのような策を取るほど転生者たちも愚かではあるまい。
これまでに遭遇した、あるいは天から見ていた限りの知識において転生者を分類すると、大きく分けて四種。
魔力によって強化した身体能力と、剣や槍、己の拳を武器とする近接戦闘型。
弓、銃などを使用した中~長距離射撃型。
魔法と呼ばれる技術でもって、火や雷を生み出して攻撃する、あるいは結界等防御にもそれを応用する魔法型。
攻撃には特化しておらず、魔道具の製作、農耕、土木建築等を専門とする技術型。
レザイアにはこれらの転生者の全てが、あるいは未知の能力を有する個体が存在するだろう。
これらの能力を駆使して、私という存在を消滅させるために、転生者がどのような布陣でもって待ち構えているのか。興味はないが、備えておかねばなるまい。
人間と同じような速度で歩くことは、私にとっては休息していることとほとんど変わらない。街道を進む道すがら、私は自身の力の使い方も含め、どのようにして転生者が私に挑んでくるか、いかにこれを撃破すべきかを思索した。
私の特徴を記したものが魔法都市に届けられたならば、それに対抗するにあたって、転生者たちがどのようにふるまうかをまず考えるべきだろう。
まず、接近戦は挑んでこないだろう。
速さと耐久性において、ミツアキは転生者たちの中でも群を抜いていたそうだが、結局私の外殻を破壊することはできなかったのだから。それを承知で挑んでくる個体があれば、ルドルフが言っていた星の各地に散った強力な力を持っているという転生者かもしれない。これには注意する必要があるだろう。
私の力が無限でない以上は、防御に割く力と攻撃に充てる力の配分を考えながら戦わなければ、とても数千の害獣を始末することはできない。力を失えば、私の身体は原住民と変わらぬ強度しか持ち合わせていないのだから。
自然現象を操る魔法はどうだろうか。使ったところで私が打ち消してしまうことを承知で使うとも思えないが、こちらの力の損耗を見込んで乱発してくる可能性はある。正直なところ、これが一番厄介だ。
攻撃する際の熱量と、外殻の強度に関して言えば、上限はないと思われる。したがっていかなる銃弾や矢が飛んで来ようと問題にはならない。しかしこれには、力の続く限りという制限が付く。
結局のところ、奴らが私を破壊するためにとるべき最上の策は、結界で自分たちを守りつつ、大火力の魔法でもって私の力を削り、それが尽きるのを待つ。魔法を使う転生者が数千人も集まっている魔法都市において、単純かつ明快極まりない、すぐにでも実行可能な戦術であると思われた。
地の利は明らかに転生者側にあるだろう。
ベルの町では、櫓門を飛び越えて町の中心に近い位置に着地した。
その時点で、私を正面から迎え撃つ予定で敷かれていたとみられる彼らの布陣は用をなさなくなり、半ばパニックを起こしながら、固まって襲ってくる害獣共を蹴散らすのに、たいして力を使わずに済んだ。
だがレザイアとベルでは、その人口の違いから考えても、都市の規模に大きな差があるだろう。
スレイプニルもいない。いきなり都市の中心へ降り立ち、陣形を乱すことはできないと考えるのが妥当だ。
また魔道具という存在が、不安要素の一つであると私は思う。
緊急魔鳥とかいう魔道具もそうだが、転移魔法陣のように、一瞬で大量の転生者を移動させるもののように未知の技術で、もっと戦闘に特化した、恐るべき力を秘めた魔道具が存在するかもしれない。
「……?」
私が様々に考えを巡らせながら歩いていると、右手の方から複数の人間の声が聞こえてきた。
街道の両脇は、相変わらず木々が生い茂る森であり、始終変わらない景色が逆に思索に集中させてくれてはいたが、いつの間にか日も高くなり「結局のところ、片端から粉砕すればよいのだ」などという安易な考えが頭をよぎり始めていたところだった。
聞こえてくるのは、若い男女の声だった。
近くの村の民が、薪でも拾っているような、平穏な光景をまったく想像させない、悲鳴と怒号が入り混じり、騒乱を予見させる声だった。
そしてそれは、徐々に近づいてくる。
静謐な木々の香りに混じり、かすかに魔力の匂いを感じ取った私は、自然と口角が上がるのを止められなかった。
思索に少々飽いてきたところに転生者とは、いい気分転換になるだろう。
木々の間を素早く移動し、声のする辺りを回り込んで東から近づいて行くと、少し木々が少なく開けた場所で、男女が争っている様子が観察できた。
「おのれ、下郎!放せと言っているだろう!」
一匹の転生者に、後ろから羽交い絞めにされた女の声は、必死というよりは、身分の低いものが働いた無礼を叱責するような口調だった。
転生者は身体に魔力を纏わせて、黒髪の女をしっかりと押さえている。体格と短い茶髪からして男だろう。
黒髪というのは珍しくもないが、私は羽交い絞めにされた彼女の両腕に注目していた。転生者の背中に隠れて頭部と細腕しか見えないが、彼女の肌の色は褐色であった。
羽交い絞めにされた女の視線の先には、同じように褐色の肌をした少女がひざまずき、その頭を踏みつけている緑の髪を逆立てた男は、右手に奇妙に湾曲した剣を持ち、その切っ先をチロリと舐めて言った。
「なあ、お嬢さん。俺たちは四日間も森に潜って、ようやくあんたらを見つけ出したんだぜ? 仲間もたくさん死んだ。俺たちが生き残って、こんな上玉を二匹も連れて来れたなんざ奇跡としか言いようがねえ」
一旦言葉を切って、男は剣の切っ先を足元の少女に向けた。そこに、ほのかに魔力が宿ったのが見て取れた。
「このままレザイアに戻っちまうと……お前らは、物好きな爺さんたちのところに送られて、さんざ研究されたあとゴミみてえに捨てられちまうんだぜェ? いくら魔族なんて、糞ほどの価値もねえ化けもんの末路だとしても、あまりにも憐れってもんだろうとこの俺様は思ったわけよ」
湾曲した剣の切っ先が、少女の腰紐にかかり、ブツリと音を立てて、それを切断した。
「貴様! リリア様に何を!?」
羽交い絞めにされた女が、どうにか拘束を解こうと身を捩るも、茶髪の腕力はそれを許さない。
その光景をしばらく見ていた緑髪の転生者は、少女の顔面を蹴りあげた。仰向けに倒された少女を見下ろして舌なめずりをすると、自身の衣服に手をかけて奇妙な造りの帯をガチャガチャと音を立てて外した。
「へっへっへ……決まってんだろう? 魔族ったって、女は女だ。こんな上玉なのによォ、男を知らずに逝っちまうなんて可哀想すぎるぜェ!!」
人間とはここまで下卑た顔になるものなのかと逆に感心してしまうほどに、その顔は欲望を露わにし、醜く歪んでいた。
緑髪の転生者が下着を脱ぎ、少女に覆いかぶさった時点で、私はその緑髪を掴んでいた。
「なあ? なんだ!?」
何が起こったかわからないという顔のまま、彼の頭部は胴体と離れた。
「……へ?」
目の前で仲間が斬首されたのを見て、茶髪の転生者が目を剥いた。
「な……なんだよお前は……」
「さあな。お前たち転生者は、私を魔王と呼ぶそうだ」
「あア? 魔王?」
四日も森に入っていたと言っていたから、まだ、私が魔王と呼ばれることを知らないのだろう。
ルドルフのおかげで、もうこの害獣共を生かして泳がすか…などと考える必要はなくなった。
転生者が女の羽交い絞めを解き、左腕で抱き寄せた。右手に銃を持ち、それを女のこめかみに押し付けた。
「来るな! 女がどうなっても――」
「構わん」
「「――え?」」
褐色の肌の女と茶髪の転生者が同時に目を剥き、声を上げた。
「その女が何者か知らないし、興味もない。ただ、お前は転生者だろう? だから、お前は殺す」
「お前何言って……そうか! その白髪! 転生者殺しか!」
転生者は、人質の価値がないと悟ったのか女を突き飛ばした。女は近くの木の幹にしたたかに身体を打ち付けて倒れ、動かなくなった。転生者がこちらに銃口を向けて言った。
「ギルドで噂は聞いたことがある……本当に首を刎ねるんだな」
「一番手っ取り早く、お前たちを絶命させられるからな」
「そいつは……どうかな!?」
「ぎゃん!!」
転生者が不敵な笑みを浮かべたのとほぼ同時に、私の後ろから悲鳴が上がった。
振り返ると、先ほど首を刎ねた転生者の身体が、取り落としたはずの剣を両手に握り、少女の腹に突き立てていた。少女はしばらく手足をばたつかせていたが、やがて動かなくなった。
「不死者の傀儡人形」
転生者が銃を構えたまま呟き、左手の指をせわしなく動かしている。そこから糸のように細く練られた魔力が、動く死体へと延びているのが見えた。指の動きは、尻から糸を出して巣を作る昆虫の足を彷彿させた。
オォォオォ…と、呻きとも悲鳴とも取れる声を上げて、腹に剣を突き立てられた少女が素手でそれを引き抜き立ち上がった。
「くくく。こいつらは首を刎ねたくらいじゃ殺せないぞ……? さあ、どうする転生者殺し!?」
私は無言で、ぎくしゃくとした動きでこちらに向かってくる二体の死体を、頭一つくらいの光弾でもって破壊した。
大量に生み出すのではなく、一つの光弾の軌道を操り、四肢を薙ぎ、胴体に風穴を開け、最後に頭上から叩き落として爆散させた。
「……へ?」
本日三度目の驚愕の表情を浮かべた転生者の頭部を小さな光弾で吹き飛ばした。
奴の手から伸びる糸状の魔力が死体を操るのを見て、自分で生み出した光弾の軌道を操れば、一つの光弾でより多くの敵を倒せるのではないかと、とっさに考えたのだが、どうやらうまくいきそうだ。
「さて、戻るか」
「お待ちください!」
私は思わぬ成果が得られたことに満足し、森を出ようと踵を返した。しかしその背中に、声をかけてくる者がいた。
巨木に叩きつけられ、絶命したと思っていた女がよろよろと立ち上がり、私に近づいてきた。転生者の魔力がこいつにも影響したかと思い、光弾を出現させた。
「な!? 待ってください! ボクは違います! 違いますったら!」
「……?」
女は、両手をバタバタと振り、焦った様子でまくしたてた。
「ボクはレミア・フェレス。誇り高き純血の魔族です! ま、まずは危ないところを救っていただき、感謝を申し上げます!」
ペコリと頭をさげ、勢いよくそれを上げた。
「貴方様がもう少し早く転生者の魔力に気付き、我が主リリア様が助かっていてくれれば、もっとよかったのですが!」
僅かに癇に障るようなことを言うと、レミア・フェレスと名乗った女型の魔物は、リリアという名前だったものの残骸の脇に両膝を突いた。その肩が震え、口からは嗚咽が漏れだした。
「ぐっ、リリア様……ボクが……不甲斐ないばかりに申し訳ありません……うう、うあああああん!」
ついに堪え切れなくなったのか天を仰ぎ、大声で泣き出した。
発言からして、この魔物と死んだ魔物は主従関係にあったようだ。魔物の中には人型をなし、知能を有する種もあったようだが、身分の差が存在するような社会性を有するなどとは知らなかった。そしてこの魔物の身体には、魔力をまったく見いだせなかった。
転生者が垂れ流す魔力は、魔物にも影響をあたえて変質させていたが、それを感じないということが『純血』なのだろうか。とはいえシャイナやスレイプニルのように、表面からは見えないだけかも知れないが。
いずれこの星から消え去る運命にある魔物のことなど知ったことではない。泣き叫ぶレミア・フェレスを捨て置き、私は今度こそ踵を返して歩き出した。
日は中天をとうに過ぎて、傾きつつあった。私は、街道に長く伸びた影を追ってくる魔物気配を感じていた。
私は握りこぶし程度の小さな光弾を生み出し、その軌道を細やかに操りながら歩いていた。途中までは数を数えていたのだが、千を越えた辺りでやめた。
始めのうちは、歩きながら操ることは困難であったが、徐々に慣れた。
すでに転生者の弾丸に迫る速度でそれは飛翔し、複雑な螺旋を描いて私の周囲を旋回していた。扱いにかなり慣れてきたので、私は立ち止まり、今度は木々の間を縫うように飛ばしてみた。
日が落ち始めているせいで、ただでさえ木が密生している森の奥は見通せない。枝葉を散らし、細い木を貫通する音と「なにこれっ!? ちょっと、来ないで! 来ないでぇぇ!?」というどこかで聞いたような声が聞こえた。
ほどなくして、光弾は見えなくなり、大木にでも衝突したのだろう。森の奥から小さな爆発音と「っきゃああああ!?」という悲鳴にも似た音が聞こえたが、何か動物でも巻き込んだのだろうかと思うことにした。
「……魔王様? ボクがいるとわかっていて、このような振る舞いをなさるのですか……?」
集中して光弾を操ることに軽い疲労を覚えたため、私は新たな光弾は生み出さず、街道を歩いていた。しばらくすると、森から少々焦げ臭い煙を立ち上らせ、黒髪の一部を縮れさせた褐色の肌を持つ人型の魔物が姿を現した。
「……何者だ」
「ちょ、レミアです! 昼頃森でお助けいただいた、純血の魔族最後の生き残り、レミア・フェレスです!」
「……ああ」
確かに、昼頃に転生者を狩った際に、側に魔物が二匹いた。
攻撃されない限り、魔物は無視すると決めていた私は、それだけ答えるとまた歩き出した。
「あのぅ……せめて……ヒック。ここまで追ってきたボクの話だけでも……うう……聞いていただけないでしょうか…?」
グスグスと泣き声交じりの嘆願が、私の歩みを止めた。
私は振り返り、女型の魔物を見た。
黒い髪は肩から少し上で切りそろえられ、頭頂部から少々距離を離して左右対称に、猫の耳を大きくしたような構造物が付いている。実に面妖だ。
同じく猫を思わせる形の目に、瞳の色は赤と黒を混ぜたような独特の色合いで、いかにも魔物然としている。
黒い革性と思しき上着は胸元が大きく開いており、同じような光沢のある素材でできた、腿まで露わになった短い腰巻のようなもので下半身を隠していたが、上着の丈が短いおかげで縦に小さく割れた臍が露わになっている。
褐色の肌に、よく映える真紅の唇と合わせて、人間が見れば実に扇情的に見える出で立ちも、やはり魔物と称するに相応しい。
そして、その腰巻の後ろ、腰よりやや下方にぶら下がっている毛で覆われた縄のようなものは、まさしく尾であろう。
要するにどこからどう見ても、人外の魔物であるレミア・フェレスは、街道にへたり込んで私を見上げ、いまだグスグスと泣いていた。
「断る」
「ええっ!?」
転生者を狩り尽くすのに何年かかるかわからない。数年で終わるかもしれないし、数万年かかるかもしれない。悠久の時を生きてきた私にとっては、それは瞬く間でしかない。
だが、魔物と会話している時間はない。
私は再び歩き出した。
「魔王様……? ちょっと、先に引き続きこの状況で置いて行くなんてあり得ます? うう…さすが魔王様と讃える場面なんだろうか……ああ! ちょっと待ってくださいよぅ!!」
私は再び光弾を生み出し、身体の周囲を旋回させて歩く。
背後に魔物の気配を感じながら。
Kill:0000313