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密会  *世界視点

細い路地の奥の奥。

そこにある薄汚れた薄汚れた小さな酒場の二階。

そこには完全に防音された個室がある。

ここは貴族たちが密会をする場所。

表では話せないようなことをここにきて話す。


もちろんお付の人などはいない。

なのでここでは貴族は無防備になる。

だから酒場の従業員は皆手練れだ。

まあこの酒場の説明は置いといて。


その酒場に今宵は三人の貴族たちが集まった。

皆一様に顔をかくし、とても怪しい風体になっている。

だが酒場の店主はそれには何も触れずに通した。

貴族の密会などそういうものなのだから。


そうして二階に上がった三人は下でもらってきた酒を少し飲むと話し出した。

「おい、ちゃんと準備はできているんだろうな。」

「いやそれよりかはばれてないかのほうが大切なのでは?」

「大丈夫だ。ばれてもいないし準備も着々と進んでる。」

男二人が話しているところに最後の一人が話しかける。


「はっ、そんなのあんたがそう思っているだけだろう。何の根拠もないだろう。

 やっぱり結構日を早めるべきじゃないのかい。」

声から判断すると女のようだ。

女性は貴族になれないわけではない。

ただその場合実権は得られずだいたい傀儡として存在している。

ただこの密会に参加している以上この女は実権を握っていることになる。

女性が貴族になれない理由はいくつがあるが代表的なものは、


「女が口出しするんじゃねえ!黙ってろ。」

という風になめられることにある。

「なにっ!女だからってなめるんじゃない。」

「女は家で子供を産んでればいいんだよ。帰れっ!」

そうやって二人が口げんかしているところに


「まあまあそう怒らないでください。

 ここにいる以上は同志なんですから。」

ともう一人が言ったので今回は収まったようだが、

こういうことがあるので女性の貴族は歓迎されない。

貴族は横のつながりを大切にしているのに会うたびに言いあいになるようではいいつながりなどできないという理由もある。


「あー、本題に入るよ。

 確かにその人の言うようにばれてないとは限らない。

 ここにいるメンバー以外にも結構な規模にまで成長させたからね。

 だけど不安要素はできるだけつぶしておきたいんだよ。」


「不安要素っていうと例のあの家か。

 あの家が今回の件で動くとは思えないが万一があるからな。」


「ええ、その件は私に任されているわ。

 今回取る方法は反乱が成功するまではあの家の娘を人質に取ろうと思うの。」


「おいおい、そんなことしたらあの家から反撃をくらうだろう。」

「いえ、意外といけるかもしれません。あの家も現在の状況を快く思っているとは思いません。

 なので反乱さえ成功させてしまえば国のことを第一に思っているあの家ならむしろ私たちに協力するこ ともあり得ます。」


「わかってるじゃないか。反乱がおこれば他国に付け入られる。

 だから反乱は短期ですませなければならない。

 そのためならあの家は国王への義理立てなんか気にしないさ。

 逆に長引くようだったらあの家が介入して強引に終わらせるだろうけど。」

「っつうことは今回の反乱は始まってしまえば短期間で終わらせなければならないってことだな。」


「ええ、そうですね。

 そのために準備は万端にしておかないといけません。

 ですから決行日は計画通りということでいいですね。」


「わかった。」

「りょーかい。」


そうしてこの密会は終わった。

密会というには短いと思うかもしれないがもともと計画の方はかなりの時間をかけて綿密に立ててある。

今日集まったのも計画の変更事項がないかという確認だけだったのでこの短時間で済んだのだ。




そして三人の貴族はある程度時間を空けてそれぞれ帰って行った。


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