プロローグ(改)
立ってるのか座っているのかすら分からない
息を吸っているのか吸っていないのか分からない
まるで金縛りにあったような感覚
気づいた時にはもう手遅れで、俺はこの空間に捕われていた
・・・頭が痛い
意識を取り戻して感じたのは刺すような頭の痛み
ズキズキと波のある痛さではなくある一定の痛みを常に送ってくる
「やっと目が覚めたか」
誰だ?無機質で透明な声が響いてくる
首を動かそうとしても体の感覚まるでがない
そもそも自分の体を確認できない、知覚できない
まるでこの空間と一体化してしまったかのようだった
訪ねたい事は多くあった
お前は誰でここはどこか、そして「俺は誰なのか」
「今回は記憶まで失ったか
私は君と契約した者
そして君は契約通り「落ちた神」消滅させようとして…殺された」
ではなんだ?ここは天国なのか?そもそも何故俺はこんな事になった?
この状況は記憶がない俺でも異常だってことがわかる
自分が死んでいるという状況を突き付けられたにも関わらず俺は冷静だった
もともとこういう性格なのか、この異常な空間で麻痺しているだけなのか今となっては分からない
「君にはやり遂げたい事があった・・・その内容は私にも分からんがね
そんな君をみて私は契約した
アレを消滅させてくれれば願いを叶えるとね」
それで俺は情けなく落ちた神とやらに殺されたって事か?
今ではもうその「やり遂げたかった事」すら覚えていないが守りたいナニかがあったのは何となく覚えてる
それで?もう契約はおしまいなのか?
「死んだことについてはそう悲観することもない、君が殺されたのは今回も入れて121回目だ
今回は本当に惜しかった。アレもまさかただの人間がここまで力を有すことができるとは思ってなかっただろう
アレも今回の傷を癒すにはかなりの時間を有する筈だ
前回同様また「時間と空間」を指定して君をあの世界に飛ばそうと思うのだが・・・
今の君を見ているとそんなことをして意味があるのか疑問に思えてくる」
初めてこの声に人間らしさが垣間見えた気がした
「君に今一度問いたい、これは等価交換だ
続ける意思がなければここでお終い
君の魂は正しい輪廻の流れに戻る」
俺の成し遂げたかった事、正直何がしたかったのかは覚えていない、だが確かに俺は守りたかった何かがあったのは薄っすらと覚えている
正直何が俺をそこまで駆り立てているのか分からないが後悔はしたくない
今もう一度、俺にチャンスをくれ
「契約は継続される
今一度時間を戻し、君はあの世界で力をつける事になるだろう
能力が下がるのはいつもの事だが記憶の飛んだのは今回が初めてだからね」
時間を戻してしまったら今回付けた傷もなくなるんじゃないのか?
今は前回の俺がつけた傷で弱っているんだろ?
「神に時間というものは無いに等しい
時間を巻き戻した程度じゃ傷はいえない。全ての次元において神とは唯一の存在だからだ
君はそうやって少しづつアレの力を削り取ってきた
40回までは相手にもなってなかったが50回目から明確な違いが表れ始めた」
無機質な声が少しだけ、ほんの少しだけ懐かしむような声質に変わった
「ではお別れだ
君がつぎ目を覚ましたら其処は森の中だろう
前回も言ったけど…」
そこで声は一つ間をおいてこう言った
「これが永遠の別れであることを願っているよ」
この言葉を最後に俺の意識は完全になくなった
「記憶を失ってまでも守りたかった少女
同じ女として少し羨ましいね」
真っ白い空間の中で、白いローブを纏った女がそう呟いた
とりあえずプロローグ
もっともっと中二病っぽくしたかったけど意外と難しいし
文章書くって思った以上に難しい
暇になったので書き直してます