"しあわせごっこ"
「貴方の事を愛して居ました」
『私は君が、嫌いだった』
「貴方様からは大変良くして頂き、その思い出の一つ一つが僕の宝物です」
『そう言ってくれると、嬉しくなるな』
「今日はお礼を用意させて頂きました、気に入って頂ければ幸いですが」
『面白いね、やってみなよ』
「───本当は貴方様に対して、このような贈り物は適切では有りませんが」
『…………』
『言い訳はしないよ』
『君にした行いは、総て本心からのものだ』
「潔いのですね」
「そういう所も、僕は好きでした」
「まだ終わらせたく無いですね」
「良い日々、そして良い時間でした」
「きっと、僕は生涯忘れる事は無いと思います」
『……………』
『………後には戻れない』
『私にもそれが、はっきりと解る』
「もっとお話しませんか?」
『その必要が有るのか?』
「───多分、有りますね」
『私としては、そうは………』
(銃声)
『(苦悶する)』
「…………僕は、貴方が好きです」
「視えますか?」
「貴方が僕の躰に付けて下さった、その傷の総てが、僕の人生の誇りなのです」
『私は、君が嫌いだよ………』
『好きだった瞬間など、ただの一度だって……』
(銃声)
「僕はそれが、とても嬉しかった」
「永遠に僕の人生に、心に、刻まれ続けて下さい」
「それだけが僕の願いです」
『………助けなら要らないよ、許しもね』
「意外ですね?」
『一度しか言わないよ』
『僕は君を、冷遇し続けてたと思って居た』
『その結果がこれなら、とても相応しい最後と思わないか?』
『もう顔は視たく無い、去ってくれ………』
(けたたましいブザーの音)
(銃声)
(銃声)
(銃声)
(銃声)
(銃声)
(機械的なアナウンスの声「お疲れさまです、エイプリルフールが完全に終了しました」)
「穢らわしい………」
(少年、何度も亡骸を踏み付け、踏みにじる。その後、泣きながら雨の降る外へと走り去っていく)




