1分神話『天罰』
掲載日:2026/02/27
それは、いったい誰の、いかなる業に対する裁きであったのか。
あれほどの栄華を極めた都が、濁流に飲み込まれ、ひと晩にして廃墟と化した。
未曽有の暴雨。
天海の底に大穴が開いたかのような、空からの大洪水。
多くの人々が流され、地上にいながら、溺死した。
活気ある都は、泥に埋もれ、
聴こえてくるのは、虚しい風の音とカラスの鳴き声だけとなった。
Image by Copilot.
◇
やれやれ
またやっちまったか
瓶の中身も空っぽになっちまってるし……
くそっ、身体にもかかってるな、これ
あー、酒クセー
とりあえず、雲泉にでも行って、洗い流すか
あの夜、神の座に席を置くバッカスは、酒瓶を片手に下界を見下ろし、酒を飲んでいた。そして、いつもの如く、寝落ちした。
都を飲み込んだ大雨は、天雲の絨毯から零れ落ちた、彼の神酒の一部であった。




