ベルゼブブとの契約
「ミラ様、早く起きてください!!もう朝ごはんの時間ですよ?」
耳元でサラの甲高い声が聞こえる、目を開けるとそこはガレージだった。
何で俺ガレージで寝るんだっけ?
ああ、昨日労働時間がきつ過ぎるってセシリアに言われてここで寝たんだっけ。
「ほら、寝ぼけてないで早く起きた着替えてください!!」
「分かったからちょっと待って。」え~とセラムは何処にいるんだ?
俺一人じゃあのワンピースは着られないぞ。
「セラム~!!何処にいるの?」
「ここにいますよ?ミラ様ちゃんと昨日は寝たようですね。
あとでセシリアさんにお礼を言わなくてはいけませんね。」後ろからセラムの声が聞こえた。
「何だ、ここに居たのね。それじゃあちょっと着替えるの手伝ってくれる?」
「はいはい、今洋服を取ってきますね。」そう言ってセラムが服を取りに行った。
「あ、待って~。私の今着てる服も後で洗わなくちゃだからビスに渡さないと。」
しかし、セラムは聞こえてないふりをしてそのまま歩いて行ってしまった。
あの野郎~しょうがない自分でビスの所まで行ってこの服届けるか、、、
俺はガレージから出てビスがいる所まで歩き出した。
「ふぁ~眠い。少しだけの時間寝ると徹夜の時より眠くなるの何でだろう?」
え~と確かビスがいる所はメイド寮か、、、
ここからメイド寮は遠いんだよな~仕方ない行くか。
あれ今何階だっけ?階段を幾つか昇ったり、
降りたりしているとここが何処か分からなくなってしまった。
しょうがない、誰かに聞くか、、、
丁度上から降り来たメイドが居たからこのNPCに聞いてみるか。
「ねぇ、今ここ何階か分かる?後できればメイド寮が何処にあるかも教えてくれる?」
俺が話しけるとメイドはフリーズしてしまった。
クソ、このメイド思考回路を持たないbotかよ、しょうがない他のNPCに聞くか。
俺が落ち込んでいると後ろから声をかけられた。
「お嬢様、ここは別館北の塔の四階です。メイド寮は東の塔の四階です。」
振り返るとそこにはさっきのメイドが居た。
「ありがとう、貴女名前は何て言うの?」もし思考回路を持つNPCなら名前は知っておきたい。
今思考回路を持っているNPCはセフリター家のお偉いさん達とビスとメイド長だけだからな。
だがまたメイドはフリーズしてしまった。
何でだ!?さっきまでは普通に受け答えが出来ていたはずだぞ?うん?
メイドの頭の上のディスプレイは何だ?
ディスプレイをよく見るとプログラムのコードような物が追加されたり
変更されたりしている?
ディスプレイがメイドの頭の上から無くなった瞬間メイドの顔は蠅に変わった。
「あ、あ聞こえているかね?私が転生させた唯一の転生者よ。」
蠅の顔は動いてはいないが、蠅の目がスピーカーの様になってしわがれた声が聞こえた。
「おや『サナグラフォー』がちゃんと出来ていなかったのかな?」
「聞こえているよ、ベルゼブブ。私に何の用?」
「ああ、安心したよ。それでよく私がベルゼブブ分かったね。」
顔色が全く変わらない蠅は何とも不気味だ。
「そりゃ、分かるでしょ。ベルゼブブは蠅の王って言われてるんだから。
やっぱり貴方が私の事をこの世界に転生させたのね。」
「確かに私のモチーフ蠅だからな直ぐにベルゼブブって分かるな。
それで私がお前さんに会い来たのは、私がこの世界を楽しむためにお前さんが
あまり変な事をしないでくれと頼みに来たのだよ。」
この世界の悪魔は何故こうも礼儀が正しいのだろう?
「それは無理な話だな。俺は悪役令嬢としても働きたくもないし、
恋人がベルゼブブに食われたくもないからな。」
「流石は私が見込んだ人間だな。
それでは私もその思いに応えて正々堂々とと勝負しよう。
もしも、お前たちが来年までに五英傑候補に成らなかったら私がお前たちを殺す
もしお前たちが来年までに五英傑候補に成れたら一か月の準備期間ともに私が勝負してやろう。
どうだ?」蠅の顔が少し歪んだ。
「もし俺らが勝負で負けたらどうなるんだ?」
「もちろん死ぬよ?何を言ってるんだ。」どう考えてもそちらにメリットが多すぎる。
「殺すってのは具体的にどうするんだ?」
「バグ消去システムで君たちをテクスチャごと消去する。
ちなみにこれをされると世界が滅亡しても生き返れないよ。
あとさっきのは頼みじゃなくて契約だ、断る事は出来ない。」
クソ野郎が、多分断ったらテクスチャごと消去されるのがオチだ。
だが幸いこれは契約それなら俺達にも何かそちらと同じぐらいの利益があるはずだ。
「契約なら私達の利益は何だ?」
「もしお前たちが私に勝ったら、私がお前たちの味方になってサタンとルシファーを
倒すのを手伝ってやるよ。どうだ乗るか?」
「分かった、それでいい。俺達が契約で賭ける物は不確定な命か?」
「そうだね何回でも生き返る事が出来る、不確定な命だ。
そじゃあこの紙に血判を押してくれるかい?」
「その前に皆に確認を取ってくるけどいい?」流石に他の人の命は勝手には使えない。
「断ったらお前が死ぬのにか?」
「人間には命の感覚が重いんだよ。」
「一時間だけ待ってやろう、それまでには直ぐにここに来い。」
その上から目線何かイラつくな~。
「お前が来いよ。」
「言いよるのお~人間。よかろう呼ぶときは裏拍手一回で行ってやろう。」
そう言ってメイドの顔は蠅から戻った。
「ごめんね。後で貴女の話聞かせて。」メイドはフリーズしているようで聞こえていない。
急がないと、契約を結ぶ前に無条件で皆殺されてしまう。
にしてもこの家でかすぎない!?もう五分は走っているぞ?
やっと着いた、急がないと!!
俺は急いでガレージの扉を開けた部屋の中に転がり込んだ。
「どうしたんですか?ミラ様。」サラが驚いた顔でこちらを見つめる。
「ベルゼブブに契約を持ちかけられたの。」
俺は皆に契約内容を話した、だが断ったら俺が死ぬことは教えていない。
「それでこの契約受ける?」
「俺は反対だ、ハイリスクハイリターンと言えば聞こえはいいがはっきり言って無理ゲーだ。
もし受けたら俺達には乗り越えなくちゃ試練が二つもある。
だが俺以外この話を受けて良いのなら俺はそれに従おう。」
マルクさんは反対の様だ。
「セラムはどっち?」
「ミラ様、聞かなくてもわかるでしょ?
私はもちろんその契約賛成ですよ、それに私はミラ様のメイドなので私はミラ様の
考えを尊重します。死んだとしても主人のために死ねるなら本望です。」
少し顔を赤らめながらセラムはそう言った。
「サラは?」
「私はどっちでもいいや、しかもその契約の大事なことをミラ様教えてないでしょ?
嘘つきの人が言う事なんて信じたくもないもん!!」
サラはどうやら俺がこの契約を断ったら死ぬことを感づているようだ、少し拗ねている。
「セシリアは?」
コイツは会ってまだ間もないから急に死ぬかもしれない契約あるけどやるなんて言われたら
普通は断るよな。
「私は賛成ですね、それに一回アスモデウスとの契約で死んでいるので
命なら大丈夫ですよ。」
「それじゃあ俺はこの契約を受けるからな。」
裏拍手をするとベルゼブブの顔が映っているディスプレイが現れた。
「答えは決まったかい?おや、その女に憑りついているのはアスモデウスか。」
セシリアを見ながらニコニコしている。
「ええ、答えは決まりました。その契約受けさせていただきます。」
「それじゃあ早く血判を押せ。」そう言って紙がディスプレイから出て来た。
俺が指先を切っても血が出ない、何でだ?
そう言えば俺の体いま凍っているのか、どうしよう?
「血が凍ってるせいで血判押せないみたい。」
「もう魔力でいいよ。」紙にすこし魔力を流すと俺の名前が契約書に登録された。
「ミラ、良かったじゃないか命拾いしたな。」笑いながらベルゼブブが話けて来た。
「早く帰りな。ここお前がいると死人臭くなる。」
「悲しいね~」そう言ってディスプレイは消えた。
ふ~、まさか朝から悪魔に関わるとはな、、、
振り返ると凄い形相のセラムが立っていた。
「ミラ様命拾いって何ですか?」
「いや、あの契約を断ったら死ぬって脅さていて、、、」
この後しこたま怒られました。
ベルゼブブ初登場!!
今回はミラがどの転生者の世代にも属さない理由が分かりましたね。
読んでくれてありがとうございました。




